はじめに
AWS Systems Manager Patch Managerは、サーバーのパッチ適用を自動化する機能です。これにより、これまで手作業で行っていたパッチ管理の負担を大幅に軽減できます。
パッチ管理の課題
従来、サーバーのパッチ適用は、以下のような課題がありました。
- サーバーごとに異なるOSの種類やバージョン、インストールされているソフトウェア、セキュリティ要件を考慮する必要がある。
- どのパッチが適用済みで、どのパッチを適用すべきか、情報収集に手間がかかる。
- 定期的なパッチ適用を確実に実行する必要がある。
- 緊急度の高い脆弱性への迅速な対応が必要な時。
- パッチ管理作業は人手に頼ると負荷が高い。
AWS Systems Manager Patch Managerの登場
AWS Systems Manager Patch Managerは、これらの課題を解決するために生まれた機能です。
主な特徴は以下です。
- マネージドノードへのパッチ適用プロセスを自動化。
- 適用すべきパッチの選別を自動化。
- 定期的なスキャンとパッチ適用が可能。
- パッチのコンプライアンス状況を可視化できるダッシュボードを提供。
- 複数のAWSアカウントやリージョンでのパッチ管理を統合的に管理可能。
AWS Systems Manager Patch Managerの仕組み
AWS Systems Manager Patch Managerは、以下の流れでパッチ適用を実行します。
- マネージドノード上で、SSMドキュメントと呼ばれる処理手順が実行される。
- SSMドキュメントは、OS標準のコマンドやAPIを呼び出して、パッチのスキャンやインストールを行う。
- パッチのスキャンやインストールは、OS上に設定されたデフォルトのパッチソースリポジトリ、または指定されたソースリポジトリからパッチを取得する。
- どのパッチを適用するか、パッチベースラインというルールで定義する。
- どのマネージドノードにどのパッチベースラインを適用するか、パッチグループやパッチポリシーで設定する。
- パッチオペレーションの実行結果は、システムズマネージャーインベントリやコンプライアンスに記録される。
AWS Systems Manager Patch Managerの活用方法
AWS Systems Manager Patch Managerは、以下の4つのケースで活用できます。
-
パッチポリシーを使用する。
- クイックセットアップからパッチマネージャーを選択して設定を行う。
- 複数のAWSアカウントやリージョンに対して、一括で設定を適用できる。
-
クイックセットアップのホスト管理オプションを使用する。
- EC2インスタンスの管理に必要な設定を簡単に適用できる。
- パッチのスキャンのスケジュールを設定できる。
- インストールのオペレーションは実行できない。
-
SSMドキュメントの実行スケジュールを独自に設定する。
- システムズマネージャーメンテナンスウィンドウを使用する。
- パッチポリシーが登場する前は、一般的な方法だった。
-
オンデマンドでパッチオペレーションを実行する。
- マネージメントコンソールの「今すぐパッチ適用」ボタンから、即座に実行できる。
AWS Systems Manager Patch Managerのメリット
AWS Systems Manager Patch Managerを活用することで、以下のようなメリットがあります。
- サーバーのパッチ管理の自動化による人的負担の軽減。
- パッチ適用の効率化によるセキュリティ強化。
- パッチコンプライアンスの可視化によるセキュリティ対策の強化。
- マルチアカウントやマルチリージョン環境でのパッチ管理の統合化。
まとめ
AWS Systems Manager Patch Managerは、サーバーのパッチ管理を自動化する強力な機能です。これにより、これまで手作業で行っていたパッチ管理の負担を大幅に軽減し、セキュリティレベルの向上も期待できます。ぜひ、パッチマネージャーを活用して、サーバーのパッチ管理を効率化しましょう。
関係資料
AWS Systems Manager Patch Manager【AWS Black Belt】
AWS Systems Manager Patch Manager【AWS Black Belt】/PDF