クロススタック参照クラウドフォーメーションのリソース依存関係と参照方法
AWS CloudFormation(クラウドフォーメーション)は、AWSのリソースを簡単に管理・デプロイできる強力なツールです。特に、リソース同士の依存関係や参照方法を理解することで、より効果的にテンプレートを構築できます。今回は、リソースの依存関係、組み込み関数、ネストされたスタック、クロススタック参照、そしてスタックセットについてわかりやすく解説します。
クロススタック参照リソースの依存関係
CloudFormationを使用してリソースを作成する際、あるリソースが他のリソースに依存することがあります。たとえば、EC2インスタンスを作成する前に、セキュリティグループを先に作成しなければならない場合です。このような依存関係は、CloudFormationが自動的に処理します。
また、依存関係を明示的に定義するために DependsOn
属性を使用できます。例えば、S3バケットとSNSトピックを作成する場合、SNSトピックの作成がS3バケットに依存していると指定することで、S3バケットが先に作成されるようにします。
クロススタック参照組み込み関数による依存関係
CloudFormationでは、組み込み関数を使ってリソース同士を参照することができます。例えば、Ref
関数を使用することで、リソースのIDやARNなどを取得できます。この仕組みを利用すると、SNSトピックが作成された後にSNSサブスクリプションを設定するなど、リソースの順序を自動的に調整できます。
GetAtt
関数も同様に、別のリソースの属性を取得できます。たとえば、EC2セキュリティグループのIDを取得し、それを他のリソースに利用することが可能です。
クロススタック参照動的参照
動的参照を利用すると、AWS Systems ManagerやAWS Secrets Managerに保存されているデータをテンプレートで参照できます。たとえば、S3バケットのアクセス制御にSystems Managerに保存されたパラメーターを使用することができます。
クロススタック参照ネストされたスタック
ネストされたスタックを使うと、大規模なテンプレートを再利用可能な小さなテンプレートに分割できます。これにより、テンプレートの複雑さを減らし、管理を容易にします。たとえば、VPC、IAM、EC2といったリソースを個別のテンプレートに分けて保存し、メインのテンプレートからそれらを参照することで、リソース数の制限を回避できます。
クロススタック参照
クロススタック参照を使うと、あるスタックで作成したリソースを別のスタックから参照できます。例えば、セキュリティチームが管理するIAMスタックや、ネットワークチームが管理するVPCスタックを参照することで、スタック間の依存関係を適切に設定できます。
注意点として、参照された出力値は変更や削除ができないため、慎重に管理する必要があります。
スタックセット
スタックセットを使用すると、1つのテンプレートで複数のAWSアカウントやリージョンにわたって同じスタックを作成、更新、削除できます。これにより、複数の環境に対して効率的に一貫したインフラストラクチャをデプロイすることが可能です。
CloudFormationの依存関係や参照方法、そしてスタックの管理方法について解説しました。これらの機能を理解し、うまく活用することで、AWS環境をより効率的に管理できるようになります。
参考資料
AWS CloudFormation#2 基礎編【AWS Black Belt】
AWS CloudFormation#2 基礎編【AWS Black Belt】/PDF