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CNAMEレコードについて少し解説してみた

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IPFactory Advent Calender 2023 1日目の記事です。

今回はDNSの一種であるCNAMEレコードについて書きます。
最近AWS関連の学習でSSL化の学習をしています。そこで証明書リクエストの際にCNAMEレコードについて少し調べたので書いてみます。

CNAMEレコードとは

CNAME(Canonical Name)レコードは、Domain Name System(DNS)の一種で、特定のドメイン名を別のドメイン名に関連付けるために使用されるDNSレコードです。
CNAMEレコードは、ドメイン名のエイリアス(別名)を指定するために使われます。具体的には、CNAMEレコードは以下のような役割を果たします。

エイリアス設定

CNAMEレコードは、1つのドメイン名を別のドメイン名に関連付けるのに使用されます。これにより、ドメイン名のエイリアスを作成できます。

例えば、"www.example.com"が"example.com"というドメイン名のエイリアスである場合、CNAMEレコードを使用して"www.example.com"を"example.com"に関連付けることができます。

image.png
図1
引用元:https://www.value-domain.com/media/a-record/

サブドメインの管理

CNAMEレコードは、特定のサブドメインを別のホスト名にリダイレクトするためにも使用できます。例えば、"blog.example.com"を別のホストにリダイレクトする場合、CNAMEレコードを設定してこのリダイレクトを行うことができます。

CNAMEレコードは通常、ウェブサイトのホスティングやクラウドサービスのセットアップなどで使用されます。また、CNAMEレコードを使用することで、ドメイン名の変更やアップデートが簡単に行えるため、管理が容易です。

では、Aレコードとの違いは何でしょうか。Aレコードの説明と共に違いを解説していきます。

Aレコードとは

Aレコード(Address Record)はホスト名を直接IPアドレスに関連付けるのに使用され、通常、Webサイトのドメイン名をWebサーバーのIPアドレスにマッピングするために利用されます。
つまり、Aレコードは本来のドメインとIPの関係を表すものです。
では、2つの違いはどこにあるのでしょうか。レコードを比較してみましょう。

AレコードとCNAMEレコードの比較

用途と目的

  • Aレコード
Aレコードは、ドメイン名をIPv4アドレスにマッピングするために使用されます。 主に、Webサイトやネットワークデバイスなどのホスト名をIPアドレスに変換するために利用されます。 AレコードはIPv4のアドレス情報を提供します。
  • CNAMEレコード
CNAMEレコードは、ドメイン名を別のドメイン名にエイリアスするために使用されます。 主に、特定のドメイン名を別のドメイン名にリダイレクトするために利用されます。 CNAMEレコードはドメイン名への別名を提供します。

レコード内容

  • Aレコード
Aレコードの値はIPv4アドレス(例: 192.0.2.1)であり、具体的なホストのIPアドレスを示します。 例: "example.com"のAレコードが"192.0.2.1"を指定すると、"example.com"はIPv4アドレス"192.0.2.1"に関連付けられます。
  • CNAMEレコード
CNAMEレコードの値は別のドメイン名(例: "alias.example.com")であり、別名を提供します。 例: "www.example.com"のCNAMEレコードが"alias.example.com"を指定すると、"www.example.com"は"alias.example.com"と同じIPアドレスまたは別のCNAMEレコードにリダイレクトされます。

要するに、Aレコードはホスト名をIPアドレスに解決するために使用され、CNAMEレコードはドメイン名のエイリアスを提供するために使用されます。

CNAMEレコードの注意点

ここまでAレコードとCNAMEレコードの違いについて解説してきましたが、CNAMEレコードを使用する上で注意すべき点があります。それはCNAMEレコードが他のDNSレコードと組み合わせて使用できない場合があるということです。
例えば、CNAMEレコードと同じドメインに対してMX(メール交換)レコードを持つことは一般的に許容されていません。そのため、DNS設定を行う際には注意が必要です。

同時に使用できない理由はDNSの動作とセキュリティ上の問題に関連しているようです。

CNAMEレコードの優先度

CNAMEレコードは、ドメイン名を別のドメイン名にエイリアスするためのものです。CNAMEは通常、ドメイン名のエイリアスを提供するために使用され、その目的はドメイン名を別のホスト名やIPアドレスにリダイレクトすることです。CNAMEレコードが設定されている場合、CNAMEレコードが優先され、そのドメイン名に関連付けられた他のDNS情報は無視されます。

MXレコードの役割

MX(メール交換)レコードは、電子メールの送信元から送信先メールサーバーへのルーティング情報を提供します。MXレコードはメールの配信に関連する非常に重要な情報を持っており、メールの受信処理に関与します。

二重の意味の競合

CNAMEレコードとMXレコードを同じドメイン名に対して同時に設定すると、CNAMEレコードがドメイン名のエイリアスを指定し、MXレコードがメールサーバーのルーティング情報を提供するため、2つの異なる目的で競合することになります。これは、DNSクライアントやメールサーバーにとって混乱を引き起こし、メールの正確な配信を妨げる可能性があります。

セキュリティと信頼性を確保するため、CNAMEレコードとMXレコードを同じドメイン名に対して同時に使用することは一般的に許容されていません。代わりに、CNAMEが必要な場合、メール配信に影響を与えずに別のサブドメインを使用することを検討することがあります。これにより、必要なエイリアスを提供しつつ、メール配信の信頼性を維持できます。

いかがだったでしょうか。今回はDNSのCNAMEレコードおよびAレコードについて解説しました。
これでもDNSの機能のほんの一部です。すべてを理解するのはまだ先になりそうですね。
他にもレコードはたくさんあるので、一部下に記載しておきます。
引き続きAWS関連の学習は続けていくので、定期的に新たな記事を投稿していきたいと思います。

いよいよ今年もあと一か月です。

??「もうすぐクリスマスだね。楽しみ~」
とか言ってないで、学生は黙って勉強しましょう。

様々なDNSレコード

DNSは、インターネット上でドメイン名とIPアドレスを関連付けるためのシステムで、さまざまな種類のDNSレコードが存在します。以下は、主要なDNSレコードの一部です。

  • A レコード(Address Record):
    Aレコードは、ドメイン名をIPv4アドレスにマッピングするのに使用されます。例えば、"example.com"のAレコードは、WebサーバーのIPv4アドレスを指定します。

  • AAAA レコード(IPv6 Address Record):
    AAAAレコードは、ドメイン名をIPv6アドレスにマッピングするために使用されます。IPv6はIPv4の後継プロトコルで、より多くのIPアドレスをサポートしています。

  • CNAME レコード(Canonical Name Record):
    CNAMEレコードは、ドメイン名のエイリアスを指定するために使用されます。別のドメイン名への参照を提供します。通常、CNAMEは別のホスト名にリダイレクトするのに使用されます。

  • MX レコード(Mail Exchange Record):
    MXレコードは、電子メールの配信先を指定するために使用されます。メールサーバーのドメインとその優先度を指定し、受信メールのルーティングに使用されます。

  • TXT レコード(Text Record):
    TXTレコードは、ドメインに関連付けられたテキスト情報を格納するために使用されます。主にセキュリティ認証やSPF(Sender Policy Framework)レコードの設定に使用されます。

  • SRV レコード(Service Record):
    SRVレコードは、特定のサービス(例:VoIP、XMPPなど)のネットワークリソースの場所を指定するために使用されます。サービスの種類、プロトコル、ポート、優先度、重みなどの情報を提供します。

  • PTR レコード(Pointer Record):
    PTRレコードは、IPアドレスからドメイン名への逆引きを提供します。これにより、逆引きDNS検索が可能になります。

  • NS レコード(Name Server Record):
    NSレコードは、ドメインの名前サーバー情報を提供し、ドメイン名の管理権限を指定します。ドメインがどの名前サーバーを使用するかを示します。

  • SOA レコード(Start of Authority Record):
    SOAレコードは、ドメインの権威の開始を示し、ドメイン名の管理に関連する情報を提供します。シリアル番号、更新間隔、再試行間隔などのパラメータを含みます。

記事をご覧いただき、ありがとうございます。何か気になる点がございましたら、どうぞお気軽に指摘していただければ幸いです。

参考文献
https://www.value-domain.com/media/a-record/
https://e-words.jp/w/CNAME%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89.html
https://qiita.com/PharaohKJ/items/b6a933b7f79afe8a32e1

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