お断り
この記事を作った時点では、このAPIは動作していたのですが、2024/5/12日時点では、APIが停止したため、このラッパーも意味をなさなくなりました。
不動産関連のデータ取得には、国交省から新たな不動産ライブラリが利用できます。APIの利用には申請が必要ですが、無料で活用できます。
以前のものより充実した内容になっているので、おすすめのAPIです。
この記事はもう使えなくなったAPIのラッパーに関する記事ということでお読みいただけますと幸いです。
本文
最近、日本の不動産価格が上昇しているという記事をよく見ます。昨日はマンションが値上がりしているという記事を見かけました。
足元金利が上がり始めているので、この上昇が継続するのかもよくわからないけど、どんな感じで取引されているのか理解したいと思いました。一方で、不動産取引は取引所とかで取引されているわけでないので、どれくらい盛り上がっているかとか、近所でどんな取引があるかつかめない印象でした。
しかし、調べたところ、日本の不動産取引価格は国交省がAPIで提供していることが分かりました。
不動産取引価格情報取得API(国交省): https://www.land.mlit.go.jp/webland/api.html
「人生で最も高い買い物の不動産の価格こそ、しっかりその動向をつかんでおくべきではないか!」と思い、APIをPythonから叩きやすくしたラッパーを作り、PYPIに公開しました。
概要
j_realty_api は国交省の不動産取引価格情報取得APIを使いやすくするパッケージです。
使ってみて、都道府県コードが分からないとAPIが使えないことが分かり、都道府県コードを探す機能を付けました。都道府県コードと市町村コードが簡単に探せて、不動産の取引価格の情報が得られます。
使い方
まずはインストールしてください。
$ pip install j_realty_api
APIは日本語、英語の2種類があります。
英語
まずは英語の使い方サンプルです。(サンプルノートブック)
- 都道府県名の一部または全部を渡します。それにより、都道府県コードが得られると共に、city_json に市町村名とコードのjsonが渡されます。そこからどのような市町村があるかや市町村コードを探せます。
- 次に市町村名を渡すと、指定した市町村のコードが得られます。
- 上記で得た都道府県コード、市町村コードを使って、不動産取引価格情報取得APIから情報を得ます。期間は四半期ごとの指定となるため、西暦の後に第何四半期化を渡します(YYYYQ)。
- データを得ます。得たデータはpandasのDataFrameで返されます。
# English
from j_realty_api import j_realty_en as jrn
j = jrn.CityCode('Kyoto') #1
pref_code = j.pref_code
city_code = j.city_code('kyoto') # 2
pt = jrn.PropTransactions(pref_code, city_code, 20223, 20224) #3
df = pt.get_data() #4
ここの例では京都府、京都市のデータを取得しました。APIからの情報は取引価格以外にも、建築年、間取り、広さ、建蔽率、リノベーションの有り無しなどの情報が含まれます。
もちろん完璧にそろっているわけではありませんが、結構そろっているので、いろいろと分析できます。
日本語
日本語のAPIもあります。こっちは結構前処理をしています。もう少ししないとなぁとは思うのですが・・・。使い勝手は英語と同じような感じです。(サンプルノートブック)
from j_realty_api import j_realty_jp as jrp
j = jrp.CityCode('京都')
pref_code = j.pref_code
city_code = j.city_code('京都')
pt = jrp.PropTransactions(pref_code, city_code, 20223, 20224)
df = pt.get_data()
まとめ
というわけで、不動産の取引動向が知れる国交省のAPIのラッパーパッケージj_realty_apiを作成しました。人生で最も高い買い物の不動産、その取引動向がつかめるのは非常に参考になる思います。
あと、パッケージへの要望やアドバイス、プルリクも大歓迎です。Qiitaの「いいね」やgithubへの「スター」もいただけますと幸いです。お読みいただきありがとうございました。