PMP®資格 更新ガイド:3年ごとの手続き
PMP® (Project Management Professional) 資格を維持するためには、3年ごとの更新が必要です。
1. PMP®更新の基本:CCRサイクルと必要PDU
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CCR (Continuing Certification Requirements) サイクルとは?
- PMP®資格の有効期間は3年間です。この期間を「CCRサイクル」と呼びます。
- このサイクル内に所定の要件を満たすことで資格が更新されます。
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必要なPDU (Professional Development Units) 総数
- 更新には、3年間で合計60 PDUの取得が必要です。
- PDUは、学習や専門活動を通じて得られる単位で、通常1 PDU = 1時間に相当します。
2. PDU取得のポイント:2つのカテゴリとタレントトライアングル
PDUは「Education (教育)」と「Giving Back (専門職への還元)」の2つのカテゴリに大別されます。
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カテゴリ1:Education PDU (教育)
- 必須PDU数:最低35 PDU
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PMI Talent Triangle® (タレントトライアングル) に沿った学習が必須です。各分野で最低8 PDUを取得する必要があります。
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Ways of Working (働き方): 最低8 PDU
- 内容:アジャイル、ウォーターフォール、リスク管理、スケジュール管理など、プロジェクトマネジメントの技術的側面。
- (旧称: Technical Project Management)
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Power Skills (パワースキル): 最低8 PDU
- 内容:リーダーシップ、コミュニケーション、交渉、問題解決、チームビルディングなど、プロジェクトを導く対人スキル。
- (旧称: Leadership)
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Business Acumen (ビジネス感覚): 最低8 PDU
- 内容:業界知識、戦略的思考、ビジネス分析、法令順守など、プロジェクトと組織戦略を結びつけるスキル。
- (旧称: Strategic and Business Management)
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Ways of Working (働き方): 最低8 PDU
- タレントトライアングルの上記3分野で合計24 PDU (8 PDU × 3) を取得後、残りのEducation PDU (35 PDU - 24 PDU = 11 PDU) は、タレントトライアングルのいずれの分野からでも取得可能です。
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カテゴリ2:Giving Back to the Profession PDU (専門職への還元)
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最大PDU数:25 PDUまで
- このカテゴリからのPDU取得は必須ではありません (Education PDUのみで60 PDUを取得することも可能です)。
- 主な活動例:
- 実務経験 (Working as a Practitioner): プロジェクトマネージャーとしての実務 (最大8 PDUまで)
- ボランティア活動
- 知識創造 (記事執筆、プレゼンテーションなど)
- その他 (メンタリング、非公式な学習など)
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最大PDU数:25 PDUまで
3. PDUの具体的な取得方法
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Education PDU の主な取得方法
- PMIや認定トレーニングプロバイダー (ATP) のコース・研修
- PMI支部やオンラインコミュニティのイベント・ウェビナー
- 大学等のプロジェクトマネジメント関連コース
- 書籍や記事による自己学習
- 業界カンファレンスやセミナーへの参加
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Giving Back PDU の主な取得方法
- プロジェクトマネージャーとしての実務
- PMI支部でのボランティア
- プロジェクトマネジメントに関する記事執筆、講演
- メンタリング活動
4. 更新手続きの流れ:PDU報告から更新完了まで
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PDUの記録・報告:
- 取得したPDUは、PMIのオンラインCCRシステム (CCRS) を通じて随時報告します。
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更新申請:
- 60 PDUを取得後、CCRサイクル終了前にPMIウェブサイトから更新を申請します。
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更新料の支払い:
- PMI会員: 通常 $60 USD
- PMI非会員: 通常 $150 USD
- ※料金は変動する場合があるため、PMI公式サイトで最新情報をご確認ください。
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資格更新の確認:
- 手続き完了後、PMIから通知があり、新しいCCRサイクルが始まります。
5. 押さえておきたい注意点
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PDUの持ち越し:
- CCRサイクル中に60 PDUを超えて取得した場合、最大20 PDU (Education PDUのみ) を次のサイクルに持ち越せます (ただし、3年目のサイクルで取得したPDUに限る)。
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更新期限とペナルティ:
- CCRサイクル終了日までに更新を完了してください。
- 期限を過ぎると資格が「停止 (Suspended)」となり、1年間の猶予期間内に更新しないと「失効 (Expired)」となります。
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監査について:
- PMIはPDU申請の監査をランダムに行います。監査対象となった場合、PDU取得の証明書類が必要です。関連記録は必ず保管しましょう。
6. 最後に:最新情報の確認を忘れずに
PMP®の更新要件は変更されることがあります。必ずPMIの公式サイトで最新の情報を確認してください。
- PMI公式サイト: https://www.pmi.org/
- CCRハンドブック (Continuing Certification Requirements Handbook): PMI公式サイトからダウンロード可能です。PDUカテゴリや申請方法の詳細が記載されています。
計画的なPDU取得と早めの更新手続きで、PMP®資格を有効に活用しましょう。