ONLYOFFICEのAIプラグインを使えば、ドキュメントエディター内で人工知能の機能をシームレスに活用できます。その対応モデルの中に「Groq」が含まれています。これはテキスト処理やデータ分析、ドキュメント作成タスクなどを最適化できる高性能プラットフォームです。今回はONLYOFFICEでGroq AIを使う方法をご紹介します。
Groqとは
Groq AIは、Groq Inc.が提供する高性能AIプラットフォームです。同社は高性能コンピューティングとAIソリューションを専門としています。Mixtral 8x7BやLlama 2 70Bといった高度なモデルを活用し、自然言語処理やデータ分析を最適化します。独自のLanguage Processing Unit (LPU)によって非常に高速な処理が可能で、Mixtralモデルでは1秒あたり525トークンを生成できるとされています。こうしたアーキテクチャにより、高速かつ効率的なデータ処理を実現し、リアルタイムのアプリケーションにも適しています。
スピードと効率性に優れ、自然言語処理、リアルタイム分析、AIを活用した意思決定など、複雑な計算負荷を扱う組織で人気があります。
Groq AIとONLYOFFICEエディターを連携する方法
1. AIプラグインをインストール
ONLYOFFICEでGroq AIを使うには、まずAIプラグインをインストールして有効にする必要があります。上部ツールバーの「プラグイン」タブを開き、「プラグインマネージャー」を起動してAIプラグインを探し、「インストール」ボタンをクリックしてください。2. AIタブを有効化
インストールが終わったら、プラグインマネージャーを閉じます。次に「プラグイン」タブで「バックグラウンドプラグイン」をクリックし、AI機能をオンにします。3. Groq AIを接続
AIプラグインをインストールしたら、GroqをONLYOFFICEに接続できます。上部のAIタブをクリックし、「設定」を選んでAIの設定画面を開きます。「AIモデルを編集」をクリックし、「追加」を押します。
プロバイダー一覧からGroqを選択し、APIキーを入力してモデルを指定します。APIキーは、Groq公式サイトで発行できます。
アイコンの列では、そのモデルをテキスト、画像、埋め込み、音声処理、コンテンツモデレーション、リアルタイムタスク、コード補助、ビジュアル解析といった用途のどれに使うか指定してください。
設定が完了したらOKをクリックし、ウィンドウを閉じます。
4. AIタスクを割り当てる
AI設定画面で、AIが担当するタスクを選べます。ドロップダウンリストからインストール済みのAIモデルを選んで、以下のタスクを設定可能です:- AIに質問
- 要約
- 翻訳
- テキスト分析
これでGroq AIがエディター内で使用可能になります。
ONLYOFFICEエディターでGroq AIを使う方法
設定後、Groq AIはドキュメント作成を支援する強力なアシスタントになります。AIタブ、またはテキストを選択して右クリックした際のコンテキストメニューから使えます。以下のタスクが可能です:- 質問への精確な回答
- 文章の要約や翻訳
- 高度なテキスト分析
- テキストやキーワードの生成
- 単語の意味や文脈の解析
- コードの作成・補助 など
学術論文のキーワード生成
シナリオ: 気候変動の影響に関する研究論文を書き終え、ジャーナルやリポジトリ用のキーワードを自動生成したい場合。要約部分や重要な箇所を選択し、右クリック → AI → テキスト分析 → キーワードを選びます。
AIが選択したテキストに基づいてキーワードを生成し、ドキュメントに追加します。以下の例では、次のようなキーワードが得られました:
Groq AIで行えるタスク
文書エディター- テキスト生成: 下書き作成、アウトラインを詳細テキストに展開、アイデア出しなど。
- 要約: 長文を重要なポイントに圧縮。
- 翻訳: 選択したテキストを複数言語に翻訳。
- 校正: 文法やスタイルの問題を検出し、修正案を提示。
- キーワード抽出: インデックス付けや分析用にキーワードを自動生成。
- データ要約: 大量のデータから傾向やパターンを要約。
- データ分類: データを自動的にグループやカテゴリに仕分け。
- 予測分析: 過去データをもとに将来傾向を予測。
- 自然言語問い合わせ: 「最大売上はいつ? 」のような質問に即時回答。
- 数式の提案: 特定のデータセットに合わせた数式を自動生成・解説。
- コンテンツ生成: 指定トピックやアウトラインに基づいてスライド内容を自動作成。
- ビジュアル提案: スライドを強化する図や視覚要素を提案。
- 要約スライド: 長いレポートを短くまとめたスライドに変換。
- スピーカーノート: スライド内容から発表者向けの詳細ノートを生成。
- 多言語対応: スライドの内容を複数言語に翻訳し、グローバルに共有。