概要

BC Mathを用いて計算をする過程で少し特殊なceil・floor関数が必要になったので，このコードを参考に作成しました．

実装

function bcceil($number, $scale = null)
{
    if (strpos($number, '.') !== false) {
        [$integer, $decimal] = explode('.', $number);

        if (isset($scale)) $decimal = substr($decimal, 0, $scale);
        $decimal = str_replace('0', '', $decimal);

        if ($decimal === '' || $integer[0] == '-') return $integer;
        return bcadd($integer, 1, 0);
    }
    return $number;
}

function bcfloor($number, $scale = null)
{
    if (strpos($number, '.') !== false) {
        [$integer, $decimal] = explode('.', $number);

        if (isset($scale)) $decimal = substr($decimal, 0, $scale);
        $decimal = str_replace('0', '', $decimal);

        if ($decimal === '' || $integer[0] != '-') return $integer;
        return bcsub($integer, 1, 0);
    }
    return $number;
}

元のコードとの違い

小数点以下の桁数を指定しての切り上げ・切り捨てができるようになっています．具体的には1.0010という数に対して$scaleを変化させると

	切り上げ後
`bcceil('1.0010', 0)`	`'1'`
`bcceil('1.0010', 1)`	`'1'`
`bcceil('1.0010', 2)`	`'1'`
`bcceil('1.0010', 3)`	`'2'`
`bcceil('1.0010', 4)`	`'2'`

このように動作します．これで含めたくない桁を除いて切り上げ・切り捨てができるようになりました(floorの方はあまり意味がない気もしますが)．

また，元のコードではbcceil・bcfloorの実装にbcroundが必要になっているのに対し，こちらのコードではそれぞれが単体で動くようになっています．

解説

bcceilについて解説します．まず，

[$integer, $decimal] = explode('.', $number);

とすることで，整数部と小数部に分割することができます(このような書き方は関数の返り値を受け取る際などに便利です)．次に桁数$scaleの指定がある場合は，

$decimal = substr($decimal, 0, $scale);

この部分で指定桁数まで切り出されます．その後，

$decimal = str_replace('0', '', $decimal);

で0がすべて消去されます．したがって小数部がすべて0の場合に限り，$decimalは空文字となります．最後に

if ($decimal === '' || $integer[0] == '-') return $integer;
return bcadd($integer, 1, 0);

この部分で切り上げるかどうかの判定を行うのですが，前述の通り$decimalが空文字の場合は小数部がすべて0であるので切り上げなし．小数部が残っている場合でも，負数の場合はプラス方向への切り上げになるので切り上げなし．正数の場合は切り上げが発生する，ということになります．

注意点

これらの関数の返り値をint型にキャストするとオーバーフローが起こる可能性があるので注意が必要です．組み込み関数のfloor・ceilでも同様の理由から，返り値がfloat型になっています．

BC Math用ceil・floor関数

概要

実装

元のコードとの違い

解説

注意点