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信号処理に関数解析の考え方を導入すると何が嬉しいの?

Last updated at Posted at 2019-12-06

はじめに

この記事では「信号空間」について説明します。信号空間とは信号処理を関数解析で表すためのテクニックです。

 二つの信号があるとします。信号は複数の要素から構成されています。
要素どうしに「代数演算構造」を導入します。これは難しそうですが、安心してください。
線形代数でもおなじみの「線形空間の公理」を信号の要素間で満たしていることを保証しているだけです。

signal_space.png
(tは時間)
 では、信号同士に代数演算構造を導入すると何が嬉しいのでしょうか。この記事では、その代表的な手法として信号の展開表現を説明します。

信号の展開表現

「信号の展開表現」とは、信号$f$を基底行列$\phi$と展開係数ベクトル$\bf v$によって
$$f = \phi \bf v$$ 
と表現することです。

このとき、基底の種類によって展開の名前が変わります。
例えば「正規直交基底」で信号$f$を表すと「正規直交展開」といいます。

ポイントとして、
K次元信号空間はK個の線形独立な信号があれば基底を構成できます。
しかし無限次元信号空間においては線形独立な信号であっても基底にならない場合があります。

つまり、信号の展開表現とは信号を基底と展開係数ベクトルで表すことでした。

まとめ

信号空間を導入すると、信号からノイズを数理的に除去することなどができます。
今回は線形空間で表現しましたが、信号空間というと「ヒルベルト空間」による表現の場合が主流です。

最後にもっと学びたい方は、森北出版からでている「不規則信号処理」がおすすめです。

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