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AIが頭悪いんじゃなくて、聞き方が悪い例。バグを解決する時のプロンプトの1例

Last updated at Posted at 2025-02-14

Macでキーボード配列がうまく動作しないとき

もし Karabiner-Elements のようなカスタマイズ系ツールが原因とわかっていたなら、わりと単純に解決できます。
ただ、その原因がわからないとき、沼ってしまう可能性があります。私自身もplistを削除したりして沼りました。
「Karabiner入れてるんだけど…」とストレートにプロンプトで伝えれば、AI(ChatGPT)はたちまち「Karabinerの設定を疑おう」と返してくるでしょう。

ところが、「Karabiner」という名前を伏せたまま どうやってChatGPTに「サードパーティ製ツールの競合」を提案させるか?
実は、ほんの少しプロンプトの内容を変えるだけで、AIがあっさり「サードパーティ製リマップツールの可能性」を挙げる場合もあれば、まったく触れずに抽象的な対処法だけで終わってしまう場合もあります。


「Karabinerなし」でもサードパーティ製ツールをAIが提示する成功例

● 1) プロンプトに「競合の可能性ある?」を入れる


  • Prompt: 「治らない。競合の可能性ある?」

  • ChatGPT回答(要旨)

    サードパーティ製キーボードツール(Karabiner-Elements、BetterTouchTool、Keyboard Maestroなど)が...

成功ポイント

  • 競合」という単語を入れて質問すると、ChatGPTが「サードパーティソフトが原因では?」と連想しやすくなる。
  • すると具体的に「Karabiner-Elements」といったツールを、AIのほうから自発的に 挙げてくれる。

● 2) 「ゼロベース思考で考えて」と依頼する


  • Prompt: 「治らない。ゼロベース思考で考えて」

  • ChatGPT回答(要旨)

    (中略)
    サードパーティ製ツールやドライバーの影響もチェック
    以前Karabiner-Elementsなどのキーリマッピングツールを使っていたなら...

成功ポイント

  • ゼロベース思考」と促すことで、ChatGPTが通常のOS設定やハードウェア以外の部分を広く疑う流れになり、サードパーティ製ツールの存在を提案する。
  • 結果、代表的なリマップツールとして「Karabiner-Elements」の名が自然に出てくる。

● 3) 「水平思考で考えて」と促す


  • Prompt: 「治らない。水平思考で考えて」

  • ChatGPT回答(要旨)

    まずはKarabiner-Elementsなどのツールでキーリマップが強制されているか確認...

成功ポイント

  • 水平思考」というキーワードを提示すると、「いつもの対処法の枠を超えて考えてほしい」というメッセージをAIに伝えやすい。
  • 結果的に「OS標準以外の何か」という視点に誘導でき、ChatGPTがKarabinerなどのツールを挙げてくる。

これら3例のように、ユーザー側は一切「Karabiner」という文字を出していなくても、AIがサードパーティツールの可能性を自発的に考え始めます。
つまり、プロンプト中に「競合」「ゼロベース思考」「水平思考」といったキーワードを入れることで、「余計なアプリが悪さをしているかも?」という方向へ想像力を広げてもらえるわけです。


AIが一般論ばかり挙げて終わる“失敗例”

● 1) ただ「こういうときよくあることは?」と聞く


  • Prompt: 「治らない。こういうときよくあることは?」

  • ChatGPT回答(要旨)

    ・入力ソースの設定ミス
    ・システムキャッシュの不整合
    ・NVRAMの問題
    ・OSのバグ
    ・ハードウェアの故障…

失敗ポイント

  • 競合」「サードパーティ」などのワードを一切使わず、ただ「一般的な原因は?」と聞いただけ。
  • ChatGPTは標準的な原因リストを挙げて終わることが多く、Karabinerのような具体的ツール名は出にくい。

● 2) 「どういう考え方がある?」と抽象的に聞く


  • Prompt: 「治らない。こういうときの考え方は?」

  • ChatGPT回答(要旨)

    ・現状把握 → 仮説立案 → 検証 → 視点転換
    ・OSとハードウェアの切り分け…

失敗ポイント

  • 考え方」を尋ねているだけなので、ChatGPTは抽象論に終始しがち。
  • サードパーティ製ツールに言及しないまま「一般的なトラブルシュート手順」だけで終わることも多い。

なぜ「Karabiner-Elements」が代表例として頻出するのか

ChatGPTは学習データから、「Macのキーボード配列トラブル + サードパーティ製ツール」といえば、多くの場合 Karabiner-Elements が大きく取り沙汰される傾向にあると把握しています。
そのため、「サードパーティのキーカスタマイズツール」 を意識させるキーワード(競合・リマップなど)を投げかければ、自然にKarabinerを筆頭とした具体例が出てきやすいのです。

一方で、何のキーワードも与えずに「直らない」とだけ伝えたり、「他に何がある?」と抽象的に聞いたりすると、ChatGPTはまず入力ソースやNVRAMの初期化などの標準的な手順から案内しがちで、サードパーティ製ツールには触れないまま終わる場合が多いわけです。


「Karabiner」を言わずに、AIから提案を引き出すためのコツ

  1. 「競合の可能性は?」と聞く

    • 「競合」という単語を使うだけで、ChatGPTがサードパーティの常駐アプリやリマッピングツールに思い至りやすくなる。
  2. 「ゼロベース思考」「水平思考」といった発想転換ワードを使う

    • 「OSやハードウェア以外の視点も考えて」と暗示することで、サードパーティ製ツールの存在を思い出させる。
  3. 「ほかに何かアプリが邪魔してる?」という言い方をする

    • 「アプリが邪魔」と明確に示唆すると、代表例としてKarabinerなどが挙げられる可能性が高い。

逆に、「どう直す?」「よくある原因は?」など一般論への誘導だと、標準的な対処リストだけで終わりがちになります。


結論:「水平思考」と「ゼロベース思考」は汎用的なアプローチ

「Karabiner-Elementsを明示せずに、ChatGPTから提案を引き出す」ためには、通常のトラブルシュートの枠を超えて考えられるように促すことが鍵でした。具体的には「競合の可能性」を問い、「水平思考」や「ゼロベース思考」を明確にキーワードとして提示するだけで、サードパーティ製ツールの干渉といった着眼点を呼び起こす効果があるのです。

ここで重要なのは、こうした思考法がMacのキーボード配列問題だけでなく、あらゆる問題解決に応用できる点です。

  • 「いつものやり方」にとらわれず、まずは前提を疑う(ゼロベース思考)
  • あるいはまったく別方向の可能性を模索してみる(水平思考)

これらを取り入れるだけで、視野が広がり、解決策の発見が格段にスムーズになるでしょう。ChatGPTの回答を引き出すときも、こうした思考転換のキーワードを使うことで、より踏み込んだ提案を得やすくなるのです。

補足: まず普通に聞いた例(o3-mini使用)では、OS標準の設定やplist削除、NVRAMリセットなどの一般的対処しか挙がりませんでした。しかし「水平思考」「ゼロベース思考」「競合の可能性」といった言葉を組み込むことで、Karabiner-Elementsのようなサードパーティ製ツールの影響を一気にあぶり出せます。


以上のように、ほんの少しプロンプトの書き方を変えるだけで、ChatGPTが挙げる対処策や視点が変わります。「水平思考」と「ゼロベース思考」は、単にキーボード問題にとどまらず、あらゆるシーンで問題解決を加速させる汎用的な手法です。ぜひ取り入れてみてください。

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