はじめに
生成AIによって世の中は大きく変わります。単なるブームではないと確信しています。
研究者の間では数年で「あと人間の知能に匹敵するAIが出てくるだろう」と言われているほどです。
- 「生成AIって社内でもよく聞くけど何から始めればいいかわからない...」
- 「AIに興味はあるけど初期設定とか大変そう...」
この手順で学べば流石に初心者でも生成AIを使いこなせる人材になれるロードマップを整理しました。
誰も生成AIの大波に置いていかれないような記事を目指します。
対象読者
- 生成AIを学んでスキルアップしたい方
- 社内でAI活用してさらに活躍をしたい方
- AIの波に乗って市場価値の高い人材を目指す方
記事の構成
本記事は入門編と発展編に分かれています。入門編では「AIを使える人材」になるためのゼロからのロードマップを記載しています。発展編では「AIアプリを作れる人材」になるためのステップアップについて解説しています。入門編だけでも分量があるので、まずはAIを使える人材になった上で、興味に応じて発展編に取り組むのもありだと思います。
記事の構成は下記です:
1|超基礎編:生成AIの面白さやAIの歴史を知る
2|基礎編:AIの活用事例や生成AIツールを使いこなす地盤を習得
3|実践編:「実務で生成AIを使いこなす」ために必要なスキルを習得
4|発展編:生成AI × webアプリ開発に必要な要素を習得(AIエンジニアを目指す人向け)
筆者の紹介(ニコラ)
東京大学で機械学習の研究、AIスタートアップでMLエンジニアを経験、コンサル会社で業務を担当した後に東大松尾研発のAIスタートアップを創業。
省庁への生成AI活用紹介や、高校の全教師向けに生成AI研修を行うなど、生成AIリスキリングや人材育成に取り組んでいる。
AIエンジニアとビジネス両方の経験を持つ私が、生成AIを活用してビジネスで活躍できるようになるためのロードマップを整理します。
それではロードマップを見ていきましょう!
Xアカウントではビジネスマンが生成AIを使いこなすヒントを発信しています。AIを使いこなせるようになりたい方はフォローをお願いします!
また、マンツーマンの生成AIコーチングを行っているので、専門家の直接学習サポートに興味がある方はDMお待ちしています。
超基礎編
最低限押さえておくべき知識(常識)を学びます。
なぜ今生成AIを学ぶべきか?
今井さんのインタビュー記事
ChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)の登場で世の中は大きく変わります。
記事の一部で、生成AI時代では、「変化の早い世の中で柔軟に対応する力」「コミュニケーション能力」の重要性が語られています。
スタンフォードの資料
生産性が低い人の方が効率化の余地が大きい一方で注目すべきは「生産性の低い人でも生成AIを使って成果を上げられる点」です。
文系やプログラミング未経験
また、生成AIはこれまでのAIと若干独立しています。そのため「AIってなんだか難しそう...」と思っている人でも十分取り組めます。生成AIは一般に普及して日が浅いのでほとんどの人が初心者です。ほぼ全員が同じスタートラインに立っているので、今から挑戦しても全く遅くありません。
生成AIを使いこなせる人間に一緒になりましょう!
まずは触ってみよう!
生成AIは理論を理解するというより、ツールを実際に触ってみて「何ができるのか」「何ができないのか」などを体感値として把握することが重要です。技術の進展が非常に早いので、頭で理解するよりまず手を動かして疑問が湧いたら調べるという順序で学んでいくのが良いと思います。下記に私が普段使う生成AIツールを記載しています。用途別に様々種類がありますが、まずは定番かつ王道のChatGPTを触ってみるのが良いと思います。
ということで、さっそく気になるツールを利用して生成AIの世界に足を踏み入れましょう!
チャット系
ChatGPT
ChatGPTはその名の通り、チャット形式でAIとやり取りができるサービスです。「質問に回答してもらう」、「プログラミングを補助してもらう」、「議事録を整理してもらう」など使い方は目的に応じて多岐に渡ります。ChatGPTに色々質問や依頼を入力してみてどんな返答がくるのかをチェックしてみましょう。
参考として、下記に「生成AI学習のロードマップを箇条書きで教えて」というプロンプト(AIへの指示文)を入力して実行した結果画像を添付しています。
Claude
ChatGPTと同じ対話型生成AIツールです。ChatGPTと比較して、文章作成が優れている印象があります。
チャット形式でやり取りできる他、「Comuter use」というPC画面をAIが直接操作する機能が特徴的です(有料)。
Gemini
GeminiはGoogleが公開しているLLMアプリ群です。ChatGPTのようチャット形式を中心としつつ、リアルタイム音声対話機能を「無料」で利用できたり、後に紹介する画像生成や生成AI連動型の検索機能などが充実しています。
ちなみに呼び方は「ジェミニ」派と「ジェミナイ」派がいます(Google社内でも両方使ってる人がいます)
画像生成系
Imagen3
Google DeepMindが開発している画像生成系AI。Genini内で画像生成をしたい旨のプロンプト(AIへの指示文)を入力すると自動で実行される。下記は、「マリオの画像を作りたい」と入力して出力された結果です。
動画生成系
Sora
ChatGPTを提供しているOpenAIの動画生成サービスです。簡単に動画をAIで自動生成できます。
下記の動画は「生成AIの講義をしている動画を作って」というプロンプト(AIへの指示文)をSoraに入力して生成しました。
Nolang
日本発の動画生成AIサービスです。ULRやPDFなど様々なデータから一瞬で解説動画を生成することができます。例えば「新人研修資料を読み込ませて解説動画を作成する」「企業のwebサイトURLから企業情報をの解説動画を作成してもらう」などの使い道があります。
UI生成系
v0
webサイトやアプリの画面(UI)を簡単に作れるサービスです。WebデザインやUIを作るのが苦手な人は試してみると「すごさ」を感じられると思います。他には資料の作成をv0を活用して効率化している人もいるそうです。下記の画像は「生成AIスクールのLPを作成して」というプロンプト(AIへの指示文)を入力して生成したLPの一部です。
検索系
Deep Reearch
Googleの生成AIを連動させた検索機能です。世界最大規模の検索エンジンを提供しているGoogleだからこその深い検索で調査を半自動化できるのが特徴です。
Deep Researchは有料ですが、初月は無料なので1ヶ月試してみて効果を確かめてみるのはおすすめです。
Felo
日本発の生成AI連動型検索エンジンです。Web検索やSNSに絞った検索ができる他、検索した結果をマインドマップ形式で表示することができます。
他にも様々なサービスがあります。無料で試せるものも多いのでとりあえず触って「こんなことができるんだ」「こういうことは苦手なのかな」という肌感覚を掴みましょう。
なお、開発系の生成AIツールは後半の発展編に紹介しています。興味のある方は併せてご覧下さい。
AIの歴史を知る
AIの歴史について学びましょう。これまでのAIの歴史と現在の生成AIの繋がりを知ることで、「なぜ生成AIが注目されているのか」「今後どのような変化が期待されるのか」について地に足つけて整理できます。「AIが色々すごい」という印象から一歩深い知見が手に入ります。
下記に参考となる書籍や資料を紹介します。
人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
東大松尾研教授の松尾豊先生の著書です。人工知能の歴史の概観とAI(人工知能)の特異さについて整理されています。生成AIブーム以前のAI動向をキャッチできるのでおすすめ。
デジタルテクノロジーの変遷(総務省 情報通信白書)
総務省が公開している情報通信白書で「生成AIを含むAIの歴史」が図解で解説されています。第一次〜第三次AIブームと呼ばれるものの内容や、現在が第四次AIブームと呼ばれている理由について把握できます。
人工知能のアーキテクトたち
2024年にノーベル賞を受賞したヒントン氏(Googleの研究者)やAI起業家に「人間レベルのAIの誕生」や「雇用へのインパクト」などのテーマでインタビューした内容をまとめた書籍です。
生成AIを使う上でのマインドセット
生成AIがバズワードになっている昨今では、「なんでも生成AIで解決できる」と思ってしまいがちです。それゆえにAIに対する期待が高まり、「AI全然ダメじゃん..」という声が発生してしまいます。
全てを解決する魔法の道具と思うのではなく、『生成AIは何が得意で何が苦手なのか?』『生成AIの与える影響範囲』などを理解することで、ビジネスや普段の業務でのAI活用が地に足つけたものになります。
下記の資料や記事を読んで理解を深めましょう。
松尾豊の弟子・今井翔太が語る「理系人材の終焉」で問われる能力
元東大松尾研の今井氏が生成AI時代に必要となる能力について解説しています。
自然言語で質問/指示するには、自分が何を聞きたいかを分かっていないといけません。
生成AIをうまく使いこなすためには自分の中に「体系的な知識」が必要であると主張されています。
生成AI導入を「コンサルに丸投げ」する会社の盲点 「なんでもできる」チャットボットの幻想とは
生成AIの活用を進める上で、AIに対する期待値の調整はかなり重要です。
AIは何でも解決できる魔法の杖ではありません。生成AIの特徴、向いていること / 向いていないことを正しく理解する必要があります。
その他
上記以外で、私が生成AIの教育やAI開発をする中でより一層重要になると確信している点を紹介します。
学び続ける姿勢(アンラーン)
生成AI時代は、1ヶ月単位で技術が変化します。この前登場した技術がすぐに既に使われなくなることは普通に起きています。
仕事も大きく変わっていくはずです。しかし具体的にどう変化するかは読みにくいです。
そのため、「変化は読めない」という前提で柔軟に動けるフットワークの軽さが生成AI時代に重要なマインドセットになると考えています。
変わらない価値観を見極める
新しい技術やAIツールの登場で、ついトレンドを追いがちですが、「変化の激しい時代こそ変わらないもの」に注目すると、逆にAIを使いこなすヒントが見つかります。
大昔から変わらないものや重要な考え方は、今後も重要である可能性が高いです。
- コミュニケーション能力
- 教養
- 宗教(価値観)
- etc...
AIを下に見る(AIを過剰に崇拝しない)
Xや様々なメディアで「生成AIを使えばこんなこともできる!」「AIによって職が奪われる」のような話が注目されます。
そうではなく「AIって意外とこんなものか」という感覚を持つことが重要です。
実際に触ってみて『自分だったらもっとAI使いこなせるな』と思ってほしいです。
その意識を持つことが、AIを使いこなす人材になる上で非常に重要なポイントだと思います。
AI系のキーワードとつながり
AIに関する基本的なキーワードは押さえておきましょう。数式レベルで理解する必要はなく、「〇〇って要はXXってことだよね」というざっくりとした理解ができる状態になればOKです。「AIを活用できる人材」を目指す場合は、G検定という試験の出題範囲を押さえておけばほとんどの場合に対応できると思います(業務活用レベルだとよく出る言葉とそうでない言葉にムラがあるので、実務でよく出る単語を詳しく理解していく姿勢でいいです)
G検定用語集
JDLA(日本ディープラーニング協会)のAI人材検定の範囲に指定されている用語まとめです。それぞれの用語について図解付きで解説されているのでおすすめ。具体的な手法まで踏み込むと重たいので、「AIプロジェクトの進め方」「生成AIの利活用」の項目を見ておくとこれ以降の内容がスッと入ってくると思います。
【即答】G検定スピード対策問題集
分野を入力すると、「問題文」「解答」「解説」を生成してくれるChatGPTベースのアプリ。AIに関する基礎的な知識は即答できるように練習するといいでしょう。
「超基礎編」は以上です。生成AIを含むAIの概要について絶対に押さえておきたい内容をまとめました。次の「基礎編」では生成AIを使いこなすために必要な知識やスキルを紹介します。
基礎編
基礎編では、生成AIを実務で活用するために押さえておくべき知識・スキルを紹介します。基礎編を終えることで、生成AIを利活用するための土台が出来上がります。
順番に紹介していきます!
AI活用事例を学ぶ
いきなり「自分の業務をAIで効率化」したり「より良い価値提供を提案して」となっても難しいです。まずは現在社会でどのようにAIが活用されているのかを知り「自社のビジネスや業務に応用」したり「もっと良いやり方があるかもしれない」と考えたりするきっかけを掴みましょう。
Microsoft 生成AI活用事例と評価方法について
マイクロソフトが公開している生成AIの活用事例です。「エクセル処理」「会議の議事録整理」など社内の様々な業務で生成AIを活用して成果を上げた結果が報告されています。
ユースケース別に整理されたページもあるので興味のある部分を抜粋して見てみると良いでしょう。
生成AIの産業における可能性
東大松尾研が公開している生成AIの活用に関する資料。産業別の利用ケースや政府での生成AI活用事例が掲載されています。今後の生成AIの活用の方向性について示唆があるので目を通してみると良いです。
業界別AI活用事例
各業界のAI活用事例と機械学習の手法がまとまっている。生成AI以外の活用事例が多数掲載。
生成AIのビジネス活用実現に向けた羅針盤(NRI)
NRIが公開している業務で生成AIを活用するために必要な取り組みを整理した資料。
生成AIを活用するために、適用範囲の特定やKPIモニタリング、PDCAサイクルを回す重要性についてまとまっています。
ChatGPTを使いこなそう!
「超基礎編」でChatGPTを触ってみたと思いますが、どの程度使いこなせたでしょうか?プロンプト(AIへの指示文)の作成や、目的達成のためのうまい利用方法が難しく感じた方もいるのではないでしょうか?
ここでは、ChatGPTや他のAIツールを使いこなすためのテクニックや必要となる能力について役立つ資料を紹介します。
プロンプトテクニック
プロンプトテクニックは陳腐化しやすいスキルなので、ここだけ磨くことはあまりお勧めしません。そうではなく一段メタ的に考えて「目的に応じて最適な指示を出すには?」という視点を持つことが重要です。ChatGPTを新卒社員だと考えて、お願いしたいことを適切に言語化して伝えることができれば、それがChatGPTにとっても良い指示になることが多いです。
面倒なことはChatGPTにやらせよう
初心者でもChatGPTを一段上手く使いこなすためのTipsが紹介されています。特に後半の業務効率化の部分やデータ分析の部分は読むと面白いと思います。出版時からChatGPT自体の性能は大きく向上していますが、根本的な使いこなし方は共通することが多く、読んでみる価値ありです。
著者の一人であるからあげ氏はAIエンジニアで、現在は松尾研究所に所属しています(2025年1月時点)。
からあげ氏のXアカウント:https://x.com/karaage0703
カレーちゃん氏のXアカウント:https://x.com/currypurin
ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本
小手先のプロンプト暗記集ではなく、汎用的に使いこなすためのメタ視点が手に入るノウハウ本です。
著者の深津氏のXはこちら:https://x.com/fladdict
ChatGPTなどで使える文例集
プロンプトの書き方の参考になると思います。興味のあるテーマで検索して、自分の書き方と比べてみると発見があると思います。
生成AIの性質や限界
東京大学 大学院の吉田塁先生が公開している生成AIの活用に関する資料です。特にプロンプトの書き方や考え方が勉強になります。
2023年時点の情報で書かれているので、若干古いがプロンプトの書き方は現在も活用できます。伝えたい内容を明確にしつつ、情報を構造的に整理して伝えているので一読しただけで理解しやすい文章になっています。これをAIに指示するとこちらの意図が一層伝わりやすくなります。
ChatGPT - LLMシステム開発大全
LLMの全体像の整理や企業での活用方向性、プロンプトエンジニアリングの基礎まで紹介されています。
Xで情報収集しよう
記事ではありませんがXでプロンプトのコツなどを発信しているアカウントを見てみると、書き方のコツなどを掴むことができます。その際、個別最適なTipsを習得するのではなく「AIにやって欲しいことを適切に伝える方法を習得する」という視点で学ぶのがおすすめです。下記、いくつかアカウントをピックアップします。
■ すぐる | ChatGPTガチ勢 𝕏 氏
■ 神威/KAMUI 氏
■ Taiyo | AIで遊ぶ大学生
最低限の開発知識を習得する
ChatGPTなどのAIツールを使用するだけならプログラミングの知識はほぼなくても利用可能です。
しかし、業務効率化で生成AIを活用するにはChatGPTなどの画面上での利用だけでは不十分です。例えば「メールの下書きをAIが作成してメールの送信まで行う」という業務を自動化したい場合ChatGPTでメールの下書き案は作成できるが、その文面をコピーしてメールを送信する作業はユーザーが行う必要があります。
この一連の流れを自動で行なってもらうためには、若干のWeb知識が必要になります。
ここでは『AIを使いこなす上でビジネスマンでも最低限知っておきたいWeb知識』を紹介します。
Web APIの理解
Web API とは、ウェブ経由で他のアプリケーションやサービスに機能を提供するためのインターフェースのことです。たとえば ChatGPT のように、人工知能(AI)の会話モデルを使った機能をプログラムから利用したい場合、Web API を使うことで、外部のプログラムがその機能を呼び出し、応答を受け取れます。
具体的には「テキストを送ったら、それに対して AI が回答を返す」というやり取りの入り口と出口、データ形式などを定義するものが API です。
(参考)Web API設計実践入門
Web APIに関する書籍です。ビジネスマン向けではなく開発者向けなので、まずはAPIという言葉の意味とイメージを掴めたらそれでOKです。(興味がある方は読んでもいいと思います)
JSON形式の理解
JSONは、データのやり取りをするための軽量かつシンプルなデータ形式のことです。
たとえば顧客情報を { "name": "田中", "age": 28 } のように表せば、AIツールや GAS(Google Apps Script)で容易に読み書きできます。
ビジネスで使うイメージとしては「Excelの表を、カンマやカギ括弧を使ってコンパクトにまとめたメモ書き」のような感じです。数字やテキスト、リスト構造などがシンプルに表現できるため、システム連携やデータ管理をスムーズに進めるうえで覚えておくと便利です。
JSONの形式を完全理解して読み書きできるようになるための記事
JSON形式の概要について解説されています。ざっと読んでイメージを持てればOKです。
簡単なスクリプト言語の習得
ビジネスマンでも、ちょっとしたスクリプト(プログラム)を書く場面が増えています。
例えば「PythonでAPIに問い合わせをして結果をCSVにまとめる」程度の処理ができると、ExcelやChatGPTだけでは対応しきれない複雑な作業が大幅に楽になります。AIツールを使ってコードのサンプルを生成できるとしても、最低限の読解力や環境構築の知識があるだけで生産性が大きく変わるでしょう。
ここではPython、JavaScript、GAS(Google Apps Script)について学習教材を初回します。
Pythonプログラミング入門
PythonはAIと連携するための機能が充実していて、生成AIツールとさまざまなシステムを連携する際によく使用される言語です。初心者でも比較的簡単に習得できる言語なので、概観の理解をしておくと良いでしょう。
一つ目は、東京大学が公開している「Pythonプログラミング入門」という教材です。
基本的な文法からファイルへの入出力、正規表現などの操作まで丁寧に解説されています。練習問題(解答付き)もあるので、自習教材として非常に有用です。
ProgateのPython講座
講義形式で基礎から順番に学びたい方はこちら。
文系大学生のためのJavaScript入門
JavaScriptの概念や基本文法について体系的に整理されています。写経的に手を動かしながら理解するのも良いですが、この段階では「JavaScriptってこういう感じか〜」という理解ができれば十分だと思います。Webアプリを作るときによく登場する言語です。
Google Apps Script でよく使うスニペット集 30 選
GAS(Google App Scripts)は、スプレッドシートやGoogleフォーム、その他外部ツールと連携して一連のシステムを自動化するための処理を実装できる機能です。
JavaScriptのような形式でプログラムを作成でき、Gmail送信自動化や、提携業務の自動化などができます。
これ以降で紹介する生成AIツールとの連携相性も良く、ざっくりと概要を押さえておくと今後の学習がスムーズになります。コードレベルの理解よりも「どんな操作ができるのか?」という理解をしておくと良いです。
実践編
実際に業務課題の解決やビジネス活用に生成AIを利用するための実践的な内容を学習しましょう。問題設計能力と仮説検証を素早く行う生成AI開発能力を習得します。
前半では、業務課題を適切に捉え、解決策を考案するための思考法を学びます。
後半では、実際に実際に手を動かして業務課題を解決するAIツールの作成にチャレンジします。ゼロから完成まで順番に解説するハンズオン記事を複数紹介しているので、興味のあるテーマを選んで一つ開発してみると良いです。
生成AIを使いこなすための思考法
AIでできることはたくさんあるが、目的が曖昧なまま導入してしまい、結局使わなくなった」という事例は大量にあります。
そもそも『何を解決したいか』がぼんやりしていたら、AIを使っても本質的に成果が出ません。
「論点・仮説を持って取り組む」ことで、AI活用のPDCAを高速で回せるので、結果的に臨んだ結果に早く確実に到達しやすくなります。
そのための思考法について勉強になる教材を紹介します。
論点思考
問いを適切に定める。
一見当たり前に見える言葉ですが、日本人の9割以上の人が正しくできていないと思います。問いを定める能力は変化の激しいAI時代でも圧倒的に重要な能力です。これができているかで大きな差がつくと言っても過言ではありません。これを機に学んで一歩リードしましょう。
論点思考(書籍)
元BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の内田氏が「論点:問題設定」についての重要さと問題設定をすることの効果、具体的な方法について解説した書籍です。
いくら優れたAIのアプローチやテクニックを使えたとしても、解くべき問題を間違っていたら元も子もありません。
AI活用で、対処する問題が小さすぎて全然効果が出なかったり、そもそも「課題ではなかった」ために時間とリソースを無駄にしてしまった、、、という悲しい結果にならないためにも問題設定についての意識を高めておくべきです。
仮説思考
論点思考と並び、仮説思考は *『戦略コンサルなどで当たり前に使われる思考技術』*です。
ビジネス現場でも、AIツールを使いこなす上でも「仮説を持つ」ことが非常に重要です。
下記の二つの書籍、資料が非常に勉強になるのでぜひ目を通してもらいたいです。仮説思考は一朝一夕で身につくものではないですが、一度身につければ圧倒的な武器になるのでぜひ挑戦してもらいたいです。
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
元BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の内田氏による仮説の作り方、考え方についての書籍。「論点思考」と同じ著者。
課題感について体系的になおかつ分かりやすい表現で書かれた書籍です。
マッキンゼーの知り合いも「この本はずっと本棚にあって今でも読み返している」と話すほどのド定番本です。私も重宝しています。
ふわっとした考えを"仮説"にするまでのステップ
「AIでなにか業務効率化したいな...」となったときに、それ以降考えが出てこなくて息詰まるシーンはよく目の当たりにしてきました。「具体的に〇〇をやれば生産性が上がるかも!」という考えに至るまでの段階的な思考過程について解説されています。
著者は、東京大学で起業に関する講義を担当したり、元マイクロソフトの馬田氏です。
高速かつアジャイルな仮説検証
業務で生成AIを使えるように、手を動かして生成AIを連携した業務効率化を体験してみましょう。何か一つでも自分で作り上げることができれば、あとはそれを応用していくだけです。
生成AIを連携したツール開発を試してみることで「どんなことができるのか?逆に何が苦手なのか」など特徴をつかめるので、生成AIに対する解像度が大きく上がります。
ノーコードツールやAIツール、GASを活用して素早く仮説を検証できるようになりましょう。
Difyを使ったノーコード開発実践
Difyとは、ノーコード開発プラットフォーム。AIチャットボットや、AIワークフローを簡単に構築して公開できるので、高速な仮説検証に活用したり、自身の業務に組み込んで自動化を実現できる。以下に開発事例と解説記事を紹介。
Difyの概要
Difyの概要について解説した社内勉強会資料です。実際の業務で使用されているユースケースも載っているので、「プログラミング経験がなくてもここまでできるのか」というイメージを湧かせることができます。
【まだ自動化してないの?】生成AI実践ハンズオン〜AIを使った議事録の自動整理〜
「大量の議事録の内容から、必要な情報を抽出してGoogleスプレッドシートにまとめる」という一連の流れをボタン一つで実現するためのハンズオン解説記事です。
例えば「営業の商談議事録はあるが散らかっていて整理できていない部署の営業マンが、個人で全てのデータを整理し、顧客の課題や提案プランなどを顧客別に一覧化する」ということも可能です。
これができれば顧客属性別に刺さる提案を分析することもでき、データを活用した営業戦略を立案できます。
完全未経験でもゼロから構築できるレベルで解説されているので、まずはここから始めてみるといいと思います。
Apple領収書を回収しよう!〜GASで自動化&ノーストレスな管理術〜
こちらはApple領収書を自動で回収して管理するためのツール開発記事です。
「GAS×Dify」で、企業分析を自動化するフローを作成してみた
キーワードを入力すると関連する企業の情報が自動でスプレッドシートにまとまる機能の解説記事です。実際のハンズオン解説は有料(1,000円)ですが、Xで拡散すれば無料になるので興味のある方は読んでみるといいでしょう。
GASを使った高速仮説検証
GASはGoogleスプレッドシートなどGoogle関連のツールと連携できる開発ツールです。JavaScript(プログラミング言語の一種)と似たような記法でプログラムを作成でき、比較的簡単に自動化ツールを作成可能です。
例えば生成AIと連携すれば、顧客リストそれぞれにパーソナライズされた案内文を自動で作成して送信する機能も実装可能です。
細かな知識がなくても、実現したいことをChatGPTなどに相談すればコードを書いてくれるので学ぶハードルも段違いに下がっています。
GASの公式ドキュメント
GASの公式ドキュメントです。エンジニアでは「実装や疑問が発生したら公式ドキュメントを参照する」という文化があります。必ずしも初心者向けに噛み砕いて説明されているわけではないですが、せっかくなのでエンジニア文化とともに紹介します。
※ 生成AIの登場でドキュメント参照しなくとも問題解決が可能になるケースもありますが、公式を参照する姿勢は大事にしていいと思います。
Google Apps Script でよく使うスニペット集 30 選
GASでよく使う機能の実装(コードスニペット)をまとめて紹介した記事。カスタムメニュー、メール送信、Googleドライブ関連の処理は実務でも使用頻度が高いと思うので見返せるようにしておくといいでしょう。
GAS単体のチュートリアル(簡単なプログラムをハンズオン解説)
GASで簡単な翻訳機能を実装するハンズオン記事です。5行のコードで完成します。生成AIとの連携はなく、シンプルなGASのみでの実装なのでGASになれたい方は読んでみると良いと思います。
ここまで学習を進めれば、業務課題解決に必要なAI活用スキルが身についたはずです。
応用先としては「より複雑な自動化に調整してみる」「Web開発やデータベースとの連携を通じてさらに開発力をつける」などあります。興味に応じて学びを深めていくと良いでしょう。
実践編はここで終わりです。これより先は「生成AIを使ってコーディングに取り組みたい」、「アプリを開発して外部公開してみたい」という方向けに、アプリ開発までのロードマップを紹介します。
生成AIに開発を補助してもらいながら進めることができるので、興味のある方はチャレンジしてみてください。
発展編(AIエンジニアを目指す人向け)
ここからは「AIを使える人材」から一歩技術的に深入りして「AIをサービスに組み込める人材」になるためのロードマップをまとめています。
生成AIを活用したWebアプリ開発までできるようになりたい方は読んでみてください!
逆に、Webサービスの開発に興味がない人も、流し読みして全体像を掴んでおくとエンジニアと一緒にプロジェクトを進める時にコミュニケーションが円滑になります。
また、深層学習やAI開発についてさらに深く知りたい人はこちらの記事に詳しく勉強法がまとまっているので参考にしてください。
Web開発の基礎
Web開発の基礎を学びましょう。ざっくりとした理解であれば、この記事の「ソフトウェア開発」「マインドセット」の部分を読めばざっくりとやるべきことは理解できると思います。この記事は「ゼロからAI開発ができるようになるまでに勉強するといいこと」にフォーカスして執筆されています。
webアプリを知る
Webアプリとはどんなものか?LPなどのWebサイトと何が違うのか?について理解しておきましょう。全体像を掴んでおけば、その後個別の技術について勉強するときも、全体のこの部分の話をしているんだなと理解できるので学習迷子になりにくいです。
Pythonで始めるWebアプリケーション開発
Webアプリ開発の概要について解説されています。Pythonを対象としていますが、それ以外にも使える内容なので一読をおすすめします。
改めて整理するWebアプリのビルド・デプロイの基本
「Webアプリケーションとは?」という内容から、作成したWebアプリを公開する「ビルド」「デプロイ」まで解説されています。全体像をざっくりと理解するために一読してみるといいでしょう。
AIアプリ開発で学ぶといいおすすめ技術
生成AI系のアプリ開発でよく使用される技術には、「Python」「TypeScript/JavaScript」「React」「Node.js」「Next.js」などがあります。データベースやクラウド周りでも色々ありますが、別途紹介します。まずはサービス開発に使用する技術の概要を掴みましょう。
■ Python
機械学習やデータ分析で広く使われているプログラミング言語。豊富なライブラリとシンプルな文法が特徴で、生成AIの実装にも向いています。
■ TypeScript / JavaScript
Webフロントエンドからバックエンドまで幅広く使われる言語で、TypeScriptはJavaScriptに型の仕組みを加えて開発効率と保守性を高めたもの。ReactやNode.jsとの組み合わせでAIアプリをスムーズに構築できます。
■ React
コンポーネント志向のUIライブラリで、Webアプリ開発の定番ツール。ユーザーインターフェースを効率的かつ柔軟に構築でき、生成AIからの応答を表示する仕組みを作る際にも役立ちます。
■ Node.js
JavaScript/TypeScriptをサーバサイドで動かすためのランタイム環境。非同期処理が得意で、AIのAPIと連携しながらフロントエンド・バックエンドを一貫して開発できる点が魅力です。
音声を使ってリアルタイム対話サービスを作りたいときなど活躍します。
■ Next.js
Reactをベースにしたフルスタックフレームワーク。ページ単位のファイル構成でルーティングが簡単になり、SSR(サーバサイドレンダリング)やAPI開発も直感的に行えるので、AIサービスと組み合わせるのに適しています。
2018年の最先端バックエンドエンジニアに必要なスキルについて考えてみました。
2018年とやや古いですが、バックエンド開発に興味のある方はこちらのロードマップが参考になります。流行りの技術など最近は少し違いますが、大局的な部分は共通すると思うので読んで損はないです。
Next.js公式ドキュメント
Next.jsを使ってAIサービス開発をしている人が多い印象です。社内向けの生成AIアプリでもNext.jsを使って開発されているのをよく耳にします。初心者もセットアップからデプロイ(サービス公開)までやりやすく、Web開発に入門するならNext.jsから始めてもいいと思います。
英語で書かれていますが、ChatGPTに解説してもらいながら進めれば英語が全くできなくてもチャレンジ可能です。
Next.jsの考え方
こちらもおすすめ。
とりあえず手元で開発したいなら学ぶべき内容
まず自分のPC上でアプリ開発を始めたい方は下記の内容を習得しましょう。
エディタ(IDE)
エディタ(IDE: 統合開発環境)ソースコード編集、コンパイル、デバックなどの機能を搭載したソフトウェアです。VSCodeがよく使われており、直近はAI搭載版のCursorがかなり使用頻度が増えている印象です。
Visual Studio Code(VSCode)
「VS Code」と呼ばれています。無料で使える上、拡張機能も豊富なのでおすすめです。
VSCode に必ず入れておきたい拡張機能
VSCodeのおすすめの拡張機能をまとめた記事はこちら。
Cursor
CursorはAIを活用したコードエディタです。
AIがコーディングを補助してくれたり、「作りたいものを伝えると自動で実装してくれる」AI機能を持っています。生成AIをフル活用して開発に取り組みたい人はおすすめです。
コマンドライン操作(CLI)
アプリ開発をする時は「ターミナル」と呼ばれるシステムをよく使用します。特定のコマンドでPCを操作することができ、「ファイルの作成」や「Gitの操作」なども可能です。よく使用するコマンドを中心に習得しておくと良いでしょう。
最近はChatGPTやCursorで「このファイルを別のフォルダに移動したいんだけどどうすればいい?」のように質問すると、やり方を教えてくれるので実際に開発を進める時は聞きながら進めてもOKです。
ターミナルの使い方・基本的なコマンドについて詳しく解説!
ターミナルの使い方を解説しています。
【エンジニア監修】Linuxとは何か?初心者目線でやさしく解説してみた
ターミナル周辺を勉強していると、「Linux、Linuxコマンド」のようなワードを目にする機会が増えます。Linuxとコマンドについてまとめている記事はこちらです。
Linux コマンド一覧表
チートシート的に見たい方はこちら。Linuxコマンドについてまとめられています。使用頻度の高い「基本コマンド」をはじめ、システム管理系のコマンドまでまとめられています。
複雑な開発やデプロイまで行うなら学ぶべき内容
外部にサービスを公開したい場合は先ほどの項目に加えて下記の内容も習得しておくといいです。
Git/GitHub
ソフトウェア開発で、変更履歴を管理するためのツールです。アプリをデプロイして外部に公開する時にもGitHubを活用することが多いので、触りながら使い方を覚えていきましょう。
コマンドが多いですが、よく使うものは限られているので濃淡つけて学習すると良いです。
サル先生のGit入門〜バージョン管理を使いこなそう〜
実際に手を動かしながら要領を掴むことができます。基本的な操作やチーム開発で必要になるプルリクエストなどについても学べます。
いまさらだけどGitを基本から分かりやすくまとめてみた
Gitを使いこなす上で必要な基礎知識やコマンドを整理した記事です。
Git+GitHub入門
動画で視覚的に学びたい方はYouTubeで学ぶのも良いでしょう。エンジニアの方が解説をしています。
データベース
例えばAIチャットアプリを作った時に、昨日の会話内容を覚えてくれる機能を作りたい時はデータベースとアプリを連携する必要が出てきます。DBは様々な種類があり、目的に応じて使い分けるのが一般的ですが、まずは大まかな分類と種類について押さえ、実際にwebアプリを開発しながらデータベースの使用方法を学んでいく形で良いです。
SQL(スライド)
データベースの概念理解とSQLの基本構文を押さえておくとまずは問題ないと思います。DB設計のお作法やTipsなどは様々ありますがまずは基本を習得しましょう。
スッキリわかるSQL入門
書籍が好きという方はこちらもおすすめです。
【新人教育 資料】SQLへの道 〜DB編〜
SQLの全体像について仕組みと実際の動きについて学ぶことができます。演習もついているので自分の理解を確認しながら順番に進めていくことができます。
supabase公式ドキュメント
supabaseの公式ドキュメントです。supabaseは最近トレンドのDBで直感的に操作でき、デプロイも手軽に完了するので初心者には非常におすすめです。スケーラビリティなど、本格的な開発を意識した時には費用面などで劣後することはありますが、AI × Webアプリ開発を学ぶ上ではsupabaseを使う形で問題ないと思います。
ドキュメント内の"Database"は複数種類ドキュメントが存在しますが、よく登場する"Postgres database"のドキュメントを読んでおくといいと思います。
supabaseの解説記事
supabaseのweb開発における利用Tipsを紹介した記事です。管理画面は操作項目が多くて分かりにくいですが、基本的なWebアプリ開発で使用する箇所は限られているので、よく使う項目に目を通しておくとより早く慣れます。
セキュリティ
自分の手元での開発(ローカル環境での開発)ではそこまで意識しなくても問題ありませんが、サービスを一般公開する時には開発したアプリのセキュリティ対策が必要です。
生成AIを活用したアプリ開発では「OpenAIなどのAPIキーの使用」や「社内のデータを生成AIモデルの入力に使用」などのタイミングで情報漏洩が発生する危険性があります。
「APIキーや社内データの漏洩が起きるとどうなるか?」や「データ漏洩を防いでサービス開発をするにはどうすべきか?」などについての知見を学べば、実際に社内で生成AIをより安全に利用することができます。
他にも、特にユーザー登録がある場合は注意が必要です。個人情報を収集するアプリはセキュリティ対策を怠ると、不正アクセスなどで登録者の情報が外部に漏れてしまうのでセキュリティ意識は重要です。
OpenAI APIキーを安全に使用するためのベストプラクティス
Web開発では、APIキーを誤って外部に公開してしまう危険性があります。生成AI系のAPIキーは利用に応じて課金されるので外部に漏れて第三者に利用されてしまうと知らないうちに高額の請求が届く危険性があります。APIキーの管理は慎重に行いましょう。
Webサービスによくある各機能の仕様とセキュリティ観点(ユーザ登録機能)
個人情報を収集する機能のセキュリティリスクと対策について整理されています。ユーザー登録機能の実装などを考えている場合はマストでチェックしておきましょう。
生成AIの7大リスクへの6つの対策|情報漏洩~著作権侵害まで
生成AIに関してよく話題になるリスクについて整理されています。
Docker
Difyをローカル環境で利用する時にDockerを使用したり、環境構築の手間を少なくしてWebアプリを開発を進めたい時などに活躍します。
AIモデルの観点だと、外部に公開されているAIモデルを手元で動かしてみたい時にDockerを起動することが多いです。
Docker公式ドキュメント
Dockerの公式ドキュメントの日本語版です。
▼ 英語版はこちら
Dockerを体系的に学べる公式チュートリアル和訳
この記事をAI系の研究室の最初の研修で使用するところもあるほどです。
実際に手元(ローカル)でDockerを起動してみましょう!
【図解】Dockerの全体像を理解する -前編-
Dockerの基本(イメージ、コンテナなど)から、docker-compose、docker-machineなどDocker周辺の概念の全体像を掴むことができます。
クラウド
開発したサービスをWebに公開するときにクラウドサービスを利用するのが一般的です。Googleが提供しているGCP、Amazon(AWS)が提供しているAWS、マイクロソフトが提供しているAzureなどがあります。最近はVercelというサービスも開発したアプリの公開が容易で利用シーンが増えている印象です。
使いこなすまではいかなくとも、どのようなものなのかがわかっている状態だと非常にスムーズに業務に入れると思います。
AWSによるクラウド入門
東大工学部の計数工学科で実際に開講されている講義の資料です。非常に実践的な内容になっています。クラウドをこれから学んでいきたい方におすすめです。
※ AWSは無料枠がありますが、それを超えると料金が発生するので注意してください。
GCP入門編
「Google Cloud Platform(GCP)とは何か?」「どのような機能群があるのか?」について学ぶことができます。
Google Cloud をゼロから学ぶならこれ! おすすめの学習リソース
「Google Cloudを使ってみたいけど何から始めればいいのかわからない」という方にお勧めできる記事です。何をどういうふうに学んでいくと良いのかと目星がつけれると思います。
Azure公式ドキュメント
マイクロソフトが提供するクラウだサービスAzureの公式ドキュメントです。日系大企業はマイクロソフト系のサービスを普段使いしていることが多いので、生成AIサービスを活用するときにAzureと連携しているケースをよく目にします。
Microsoft Azure のオススメの学習方法についてまとめてみる
Azureにフォーカスした学習ロードマップです。全部やる必要はなく、必要なときに必要な箇所を習得すればOKだと思います。
Vercelにデプロイしてみよう
Next.jsで作成したWebアプリをVercelにデプロイするための手順について解説されています。デプロイの手間を最小限にしたい場合はVercelでサクッとデプロイするのはいい選択肢だと思います。
生成AIアプリ開発実践
実際に手を動かしてWebアプリの開発からデプロイまでチャレンジしましょう!題材はなんでもいいです。一度でも全体の流れを体験していると二度目の開発がラクになったり、チームでAIプロジェクトを始めるときに全体像が掴めるのでやらない手はないと思います。
Next.jsを使ったサービスが手軽で全体の理解に役立つので、最初のWebアプリ開発としてはおすすめです。
Next.js系のサービス開発
Next.jsを使ったAIアプリ開発実践
Next.jsを使ってAIアプリ開発をするハンズオン記事です。開発環境のセットアップから公開まで手順を追って解説されています。まずはここから挑戦してみると良いでしょう。
Python系のサービス開発
つくりながら学ぶ!AIアプリ開発入門 - LangChain & Streamlit による ChatGPT API 徹底活用
生成AIとPythonを使ったAIアプリ開発のハンズオン記事です。Pythonのライブラリの一つであるStreamlitを活用してPythonだけでサービスの公開まで挑戦可能です。
複雑なAIアプリ開発
(ここは更なる発展の案内のみです)
Next.jsやPythonだけでの開発は実現できるAI機能が制限されていたり、Webぷアプリとしての利便性が少なかったりします(アプリ開発に慣れる目的であればそれで十分です)。
例えば、RAGを使って社内のマニュアルを参照して質問に答えてくれるChatBotアプリや、AIエージェントを活用した予約システムを作る場合などはもう一歩踏み込んだ開発をする必要が出てきます。
フロントエンドをNext.js、バックエンドをPythonを活用してそれぞれ別のサーバーにデプロイして連携する本格的なアプリ開発についても挑戦していくと更に理解が深まります。
おまけ
おまけです。
その他勉強したい人向け:
さらに学びを深めたい方、生成AIを使える人材になりたい方向け(随時更新)。
マルチエージェントシステムに向けた資料
マルチモーダル、AIエージェント
開発に役立つAIサービス一覧
生成AIを活用してアプリ開発を支援してくれるサービスが多数登場しています。実際に私が業務で使っているAIサービスを中心に紹介していきます(再掲含む)。
チャット系(汎用系)
ChatGPT
王道ですね。精度や推論力も上がっています。毎日10時間近く使用していて、人と話す時間よりChatGPTと話す時間の方が長い日もあります...
Claude
ChatGPTよりも文章生成能力に優れている印象です。
Gemini
無料で高性能のAIを利用できるのが嬉しいです。
Deep Seek
中国発の大規模言語モデルです。速度、推論力、コストがどれもトップクラスです。新たに公開されたモデルの性能が凄まじく、2025年早々大きな衝撃を受けました。AIスタートアップの知り合いもDeep Seek APIをかなり利用しています。
画像生成系
Imagen3
Google DeepMindが開発している画像生成系AI。Genini内で画像生成をしたい旨のプロンプト(AIへの指示文)を入力すると自動で実行される。下記は、「マリオの画像を作りたい」と入力して出力された結果です。
https://deepmind.google/technologies/imagen-3/
Midjourney
画像生成AIです。テキストから画像を生成する能力が高く、2023年頃に一度大きくブレイクしました。
動画生成系
Sora
ChatGPTを提供しているOpenAIの動画生成サービスです。簡単に動画をAIで自動生成できます。
Nolang
日本発の動画生成AIサービスです。ULRやPDFなど様々なデータから一瞬で解説動画を生成することができます。例えば「新人研修資料を読み込ませて解説動画を作成する」「企業のwebサイトURLから企業情報をの解説動画を作成してもらう」などの使い道があります。
UI生成系
v0
webサイトやアプリの画面(UI)を簡単に作れるサービスです。
検索系
Deep Reearch
Googleの生成AIを連動させた検索機能です。世界最大規模の検索エンジンを提供しているGoogleだからこその深い検索で調査を半自動化できるのが特徴です。
Deep Researchは有料ですが、初月は無料なので1ヶ月試してみて効果を確かめてみるのはおすすめです。
Felo
日本発の生成AI連動型検索エンジンです。Web検索やSNSに絞った検索ができる他、検索した結果をマインドマップ形式で表示することができます。
他にも様々なサービスがあります。無料で試せるものも多いのでとりあえず触って「こんなことができるんだ」「こういうことは苦手なのかな」という肌感覚を掴みましょう。
なお、開発系の生成AIツールは後半の発展編に紹介しています。興味のある方は併せてご覧下さい。
ノーコード系
Dify
プログラミング不要でAIを組み込んだ一連のワークフローやチャットボットを作成できるツールです。普段の業務を生成AIを使って自動化する仕組みをプログラミング初心者でも実現可能です。
Jinbaflow
日本語などの自然言語の指示でデータ分析やサービス連携などのワークフローを自動で作成できるAIツールです。
開発系
Cursor
AIがコーディング支援をしてくれます。個人的には開発系のツールでは最も使用頻度が高いです。
GEAR.indigo
GEAR.indigoは開発の各プロセスを着実に実行していくためのステップを切り分けて、人間とAIが共同しながら開発を行うAIドリブンな開発サービスです。
Replit Agent
作りたいものを入力すると自動でフロントエンド、バックエンドの両方を準備してくれるツールです。v0はフロントエンドの作成に特化しているのに対し、Replit Agentは両方をカバーしてよりWebアプリに近いレベルまで実装してくれます。
神威(kamui)
自然言語を使ってシステムや画像、動画などの成果物を作成するAIツールです。欲しいものを入力 → AIが成果物作成のための要件定義書を作成 → AIがシステムやコンテンツを生成するといった流れです。
Devin
Deviは自律型AIソフトウェアエンジニアです。人間が課題を与えると自律的に情報を参照してコーディング、エラー修正、デプロイを行なってシステム全体を作り上げるエージェントに相当します。
月額500ドルから利用可能で、利用回数の制限はありません。
おわりに
いかがだったでしょうか?技術の進展が早く情報が氾濫している生成AIを使いこなすための道筋が見えたのであれば幸いです。
ほぼ全員が同じスタートラインに立っているので、まだまだ一歩抜き出て活躍するチャンスが残っています。ぜひこの機会にAIを使いこなせる人材になりましょう!
私自身、生成AIの利活用のためにマンツーマンでコーチングを行なっているので、技術とビジネスに精通したプロに伴走してもらいながら勉強したい方はご相談お待ちしています。
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また、マンツーマンの生成AIコーチングを行っているので、専門家の直接学習サポートに興味がある方はDMお待ちしています。
※ 記事の中で誤表記や掲載をやめてほしいリンクがある、こんなコンテンツも紹介してほしいなどのご要望があればご連絡ください。