Amazon QをSlackで利用する方法について発見したので試してみました。
Amazon Qと一口に言っても様々な機能が存在します。
①Amazon Q for AWS Builder Use
②Amazon Q for Business Use
今回は上記2つの機能のうち、②についてご紹介します。
(①の手順はこちらでまとめています)
設定方法
事前準備
手順についてはGitHub上で公開されていますので、こちらに沿って進めます。
https://github.com/aws-samples/amazon-q-slack-gateway/tree/main
Amazon Q Business Applicationにてアプリケーションを作成する必要があります。作成方法については、こちらで紹介しておりますので、今回は割愛します。
作成したAmazon QのApplication IDを控えておきます。
スタックのデプロイ
GitHubのREADMEを参照しながら設定を進めます。
Amazon Qを作成したリージョンの「Launch Stack」を押下すると、Cloud Formationのスタック作成画面に映ります。
パラメータ欄にAmazon Qの情報を入力し、スタックを作成します。
AmazonQAppId
:事前準備で控えたApplication ID
AmazonQRegion
:Amazon Qを作成したリージョン(バージニア北部かオレゴンのみ選択可)
AmazonQUserId
:Amazon Q ユーザーIDのメールアドレス(未設定の場合はSlackのメールアドレスがユーザーIDとなる)
ContextDaysToLive
:会話コンテキストの保存日数、デフォルトの90日で設定
CloudFormation スタックのステータスが CREATE_COMPLETE になったら、「出力」タブを開き、SlackAppManifest
の値を控えます。この出力画面は後続の手順で再度開くことになるため、一旦そのままにしてください。
Slackアプリケーション設定
Slack APIを開き、「Create an App」を押下します。
「From an app manifest」を押下し、作成するワークスペースを選択します。
「json」タブを開き、先ほど控えたSlackAppManifest
の値を貼り付けます。
左メニューより「App Home」を選択し、「Message Tab」欄のAllow users to send Slash commands and messages from the messages tab
にチェックを入れます。これはユーザーがアプリケーションにメッセージを送信することを許可する設定です。
左メニューより「OAuth & Permissions」を選択し、「OAuth Tokens for Your Workspace」の「Install to Workspace」を押下します。
権限のリクエスト画面が表示されるので、「許可する」を押下します。
「Bot User OAuth Token」に表示されているトークンを控えます。
左メニューより「Basic Information」を選択し、「App Credentials」の「Signing Secret」の値を控えます。(右側の「Show」を押下することで文字列が表示されます)
シークレット設定
CloudFormationスタックの出力画面に戻り、SlackSecretConsoleUrl
の値のURLを押下します。
AWS Secrets Managerに遷移しますので、「シークレットの値を取得する」を押下します。
「編集する」を押下し、先述で控えたシークレットの値を入力します。
SlackSigningSecret
:Basic Information の Signing Secret
SlackBotUserOAuthToken
:OAuth & Permissions の Bot User OAuth Token
動作確認
Slackに移動し、Amazon Qアプリが追加されていることを確認します。
これで設定は完了です。Amazon Qと会話ができるか試してみましょう。
実際に操作してみて
Amazon QのWeb Experienceとの相違点(Slackでできないこと)についてまとめてみます。
-
ソースが表示されない
Slackでは、質問の回答の根拠となるデータソースの情報まで表示されませんでした。 -
プラグインは利用不可
なおプラグインで設定したほかアプリケーションとの連携までは、現時点でできないようです。Amazon QとJiraを連携した状態ですが、Issueの起票画面は表示されませんでした。
最後に
思ったよりも簡単に作成することができました。
Amazon Qは現在プレビュー版で無償提供されていますが、データソースで作成したIndexは、20Kのドキュメントに対して $0.14/時間($100/月)のレートで課金が発生します。テストが完了したらアプリケーションを削除することをおすすめします。(私は半月以上放置させた結果、$60も請求が発生していました泣)
参考