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筑波NSミライラボAdvent Calendar 2023

Day 6

【Unity】PLATEAU SDK ToolkitsのLOD1自動テクスチャ生成機能を一括で実行する方法

Last updated at Posted at 2023-12-02

今回は、PLATEAU SDK Toolkits for UnityRendering Toolkit にある自動テクスチャ生成機能を使いやすくするためのツールを作ったので、その内容について紹介したいと考えています。

今回の記事の内容は、PLATEAU SDK Toolkits for UnityのPLATEAU Utilitiesによって公式対応されました。

まえおき

PLATEAUの都市モデルは、建物の再現度を LOD(Level of Detail)で表現 します。
LOD0が最低レベルで、数字が増えていくごとに再現度も高くなります。

例として、実際にPLATEAU SDK for Unityを利用して配置したモデルを紹介します。

次の画像の左半分がLOD2モデルで、右半分がLOD1モデル
スクリーンショット 2023-12-02 23.19.25.png

右側のLOD1のモデルはデフォルトのテクスチャ(とても小さな窓が規則的に並んでいる)が割り当てられただけで、航空写真のある LOD2のモデルとうまく馴染んでいません

3Dモデル化されているPLATEAUの建物データのほとんどはこのLOD1なので、広い範囲を映像作品やゲームなどで使用するには、もう少し他の オブジェクトと調和させる必要がありそう です。
東京都の23区は全て対応していて、一部は非常に解像度が高くなっているだけに惜しいです。

そこで、PLATEAU SDK for Unityのアドオンの一つである、Rendering Toolkit の自動テクスチャ生成機能を使うと、デフォルトのLOD1モデルと比べて違和感のないテクスチャを自動で生成できます。

実際にRendering Toolkitの自動テクスチャ生成機能を実行した結果、この様になりました。

LOD1モデルに自動テクスチャを生成した結果
スクリーンショット 2023-12-02 23.19.41.png

およそ実用的なレベルでテクスチャが貼れていて、 LOD2のモデルとも併用できそう ですね。

しかし、このままシーンに存在する全てのLOD1オブジェクトに自動テクスチャを生成しようとすると、 一筋縄ではいかない ことがわかります。

ツールの機能として、HierarchyでLOD1のオブジェクトを複数選択することで自動テクスチャを選択したものに対して一括で生成することができます。
ただ、シーンにインポートされる地物データの階層の都合上、配置したLOD1オブジェクトの全てを一度に一括選択し、 その全てにテクスチャを生成することはできません。

実際にPLATEAUの地物データを配置すると、以下の画像の様にLOD1オブジェクトが別の親の元にもあり、複数選択することに多くの手間がかかってしまいます。

LOD1の親オブジェクトが複数に配置されている
スクリーンショット 2023-12-02 23.20.06.png

(Rendering Toolkitに付属するモデル修正機能を使用すると、一応LOD1オブジェクトを絞り込めます。ただ、非アクティブなオブジェクトも選択されてしまうので、検索欄から一括で選択しテクスチャを変更するには名前かコンポーネントを変更する必要がありそうです)

この問題の解決法の一つとして、LOD1オブジェクトの名称をスクリプトから検出し 一度名称変更する ことによって、LOD1オブジェクトをHierarchyの 検索バーから一括選択 し、 テクスチャの同時自動生成ができる ツールを作成しました。
以降はこのツールについて紹介したいと思います。

軽量化や最適化、ツールの導入については扱わないので、その部分に関しては他の記事を参考にしていただけたら幸いです。

環境構築(SDKとToolkits)

SDKやToolkitsの環境構築に関しては、PLATEAU公式のGitHubが参考になるかと思います。
最新の情報を踏まえた公式のドキュメントなので、この場で説明するよりも信頼できるでしょう。

以降はRendering Toolkitが導入できている前提で話を進めていきます。

ツールの実装

これ以降は、LOD1オブジェクトの自動テクスチャ生成を使用できる状態を前提とします。

SDKからモデルをインポートする時に、モデル結合の項目を「地域単位」に設定してください。
それ以外を選択してしまうと、原因不明のバグにより、テクスチャを自動生成する時にUnityがフリーズします。

(名前の検索意外で一括変更をしたい場合は、名前ではなくコンポーネントを追加か変更するといいかもしれません)

ChangeNamesForAllLODObjects.csというスクリプトを作り、以下のコードを書きました。

ChangeNamesForAllLODObjects.cs
#if UNITY_EDITOR
using UnityEditor;
using UnityEngine;
using System.Text.RegularExpressions;

public class ChangeNamesForLOD1Objects : EditorWindow
{
    [MenuItem("PLATEAU/Rename LOD")]
    static void LOD_ChangeName()
    {
        bool foundLODObjects = false;
        Transform[] allTransforms = GameObject.FindObjectsByType<Transform>(FindObjectsSortMode.None);

        foreach(var transform in allTransforms)
        {
            Transform grandparent = transform.parent?.parent;

            if (grandparent != null && Regex.IsMatch(grandparent.name, "(bldg|brid)") && transform.parent.name.StartsWith("LOD") && !transform.name.Contains("LOD") && IsNumeric(transform.parent.name.Substring(3)))
            {
                foundLODObjects = true;
                ChangeName(transform.gameObject, int.Parse(transform.parent.name.Substring(3)));
            }
        }

        if (!foundLODObjects)
        {
            Debug.LogWarning("There are no LOD objects");
        }

        return;
    }
    
    static private bool IsNumeric(string str)
    {
        return int.TryParse(str, out _);
    }
    
    static private void ChangeName(GameObject obj, int LOD)
    {
        string newName = $"{obj.name}_LOD{LOD}";
        obj.name = newName;
        Debug.Log($"{obj.name} was renamed.", obj);

        return;
    }
}
#endif

このC#スクリプトを書いて保存することにより、メニューバーのPLATEAUに Rename LODという項目が確認できる と思います。
これで準備は完了です。

メニューバーのPLATEAUにRename LODが作られる
スクリーンショット 2023-12-02 23.22.00.png

実行

そのままRename LODを押下すると、現在アクティブで親にLOD{n}(nは0以上の整数)という名称のオブジェクトを持つオブジェクトの名前に_LOD{n}(nは親オブジェクトのもの)が追加されているはずです。(親がbridかbldgのオブジェクトのみ)
つまり、親のLODに合わせて子の名前が変更される ということです。

LODに合わせて名前が変更されている
スクリーンショット 2023-12-03 0.06.52.png

これが確認できたら、Hierarchyの検索バーに"_LOD1"と入力してみてください。
そうすると、LOD1のオブジェクトのみがHierarchyに表示されるはずです。
これを複数選択をすることによって、 LOD1オブジェクトに自動テクスチャを一括で生成できるようになります。

LOD1オブジェクトのみが表示される
スクリーンショット 2023-12-02 23.51.41.png

まとめ

今回は、PLATEAU SDK Toolkitsに内包される自動テクスチャ生成をより便利に使うためのコードを書きました。
少しでも作業の効率化に役立てば幸いです。

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