1. はじめに
どうも、趣味でデータ分析している猫背なエンジニアです。
急ですが、宝くじで一攫千金したくないですか?
宝くじの当選番号を予測するシステムを長年愛してやまない『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するMAGIシステムをコンセプトに、つくりたい!そうしたい!と思って開発記録を書いていきます。この記事ではその全体構想と、今後の連載に向けた導入として、ざっくりとした方針や技術選定について紹介します。
2. そもそも当選番号って予測できるの?
正直に言います。
「当選番号の予測」は 不可能に近い です(笑)
Numbers系の宝くじは、毎回完全ランダムで抽選されているため、機械学習で未来を100%予測することはできません。
ですが——
過去の出現傾向やパターンを分析・学習して、「もっともらしい数字」を導き出すのは面白い!
ということで、半分は遊び・ロマン・エヴァ愛、もう半分はPython/AIの実験として、MAGI風の分析&予測ツールを作り始めました。
3. ヱヴァンゲリヲンのMAGIシステムとは?
『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するMAGI(マギ)システムは、3つの独立したスーパーコンピュータの合議で判断を下す意思決定機構です。由来的なのは以下の通りです。
ユニット名 | 名称の由来 | 担当する人格 | 特徴的な判断観点 |
---|---|---|---|
MELCHIOR-1 | 東方の三博士「メルキオール」 | 「科学者としての赤木ナオコ」 | 論理的・合理的な視点で判断 |
BALTHASAR-2 | 「バルタザール」 | 「母親としての赤木ナオコ」 | 感情・倫理・人間性を重視 |
CASPER-3 | 「カスパール」 | 「女としての赤木ナオコ(恋する女)」 | 欲望、愛、嫉妬など人間的欲求を反映 |

それになぞらえて、今回の予測システムでも3種類のモデルを用意し、それぞれの予測を表示・比較・評価できるようにします。
4. MAGIを構成する3つの『脳』の選定。
🧠 MELCHIOR(メルキオール)
「時系列学習モデル」
MELCHIORは、機械学習を活用した予測エンジン。
過去の当選番号データを時系列として捉え、「次に来るであろう数字の傾向」を学習します。
- 各桁(千・百・十・一の4桁)を 個別にモデル化
- 各桁に対して MinMaxScalerでスケーリング
- 各桁それぞれに モデルを学習&予測
- Keras + TensorFlow で実装
メリット:
- 他のモデルよりも「未来を予測する」感が強い
- 各桁ごとに傾向を掴むことができる
- 実際に学習による数値の進化を楽しめる
🧠 BALTHASAR(バルタザール)
「統計的傾向」をもとにもっとも出現しそうな数字を選ぶロジックモデル
BALTHASARは、Numbersの各桁の出現頻度を調査し、よく出ている数字を重視して予測を行います。
- 各桁(位置)ごとに過去出現頻度をカウント
- 各桁の「よく出る数字」を候補にして、ランダム選択
メリット:
- シンプルながら、過去傾向に強く準拠
- 学習なし・高速動作・再現性あり
- リアルな「数字の偏り」を反映できる
🧠 CASPER(キャスパー)
出現頻度の低い数字を中心に構成する「逆張りランダム型」モデル
CASPERは、あえて出ていない数字(レア数字)を使って、斜めから予測を行います。
- 全ての出現数字をフラットに集計(桁を1桁ずつに分解)
- 出現頻度の少ない数字から ランダムで抽出
メリット:
- 発想がユニーク(人間の予想ともズレやすい)
- 思わぬ「穴」を突いた当たり方があるかも?
- 他モデルとの差分を楽しめる
モデル名 | 人格 | 独自解釈 | 得意なこと (アルゴリズム) |
---|---|---|---|
MELCHIOR | 科学者 | AI予測型 | 数値予測モデルを用いて パターン学習・未知へのアプローチ |
BALTHASAR | 母親 | 統計的中庸型 | 過去データからポジションごとの頻度を分析 |
CASPER | 恋する女 | 逆張りランダム型 | 出現頻度の低い数字を優先的に選ぶランダムモデル |
この3モデルは、それぞれ個性が強く、予測の方向性がまったく異なります。
MAGIっぽく表現すると、対立しつつ合議で判断する3つの知性です。
5. システム構成(全体設計)
以下が、MAGIシステムの構成予定です。
今後この構成をもとに、モデル精度の比較やUI演出などを段階的に構築していきます。
├─ data/
│ └─ numbers_19941007_to_20250414.csv ← 過去当選番号データ
├─ magi_prototype.py ← メイン実行ファイル
└─ assets/ ← UI画像やフォントなど(予定)
- データは公式サイトから取得したCSVを使用(Numbers3/4)
- 予測モデルは3種(CASPER / BALTHASAR / MELCHIOR)
- 表示UIはTkinterでMAGI風に三分割+エフェクト表示を予定
- CUI風の表示画面。
- 原作のMAGIシステム的な感じ。
- 自動予測して投稿する仕組み。


7. 今後の記事予定(MAGI伝記)
1. 【作戦概要】(今回):全体構想と設計方針
- 全体構想と設計方針
2. 【データ収集編】:過去の当選番号の収集
- 過去の当選番号をどう集める?
3. 【モデル構築編】:3種のモデル(CASPER / BALTHASAR / MELCHIOR)実装と精度比較
- CASPER / BALTHASAR / MELCHIORの実装と精度比較
4. 【投稿編】:X APIを用いた投稿
- X APIを用いて予測を自動投稿
5. 【UI&演出編】:MAGI風UIをTkinterで再現して、予測を視覚化!
- TkinterでMAGI風UIを構築
8. おわりに
この記事は「真面目なAI予測」ではなく、ちょっと遊び心を加えた**“ロマン分析”**です。
エヴァ好き、データ好き、Python好きの方に刺されば嬉しい限り!
次回もサービスサービスっ!
謝辞
今年の10月に30周年を記念すること、誠におめでたく思っております。前回の「庵野秀明展」に引き続き「30周年記念展ALL OF EVANGELION」にもぜひ行きたいと思っております。引き続き応援しています!
付録
ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます。最後まで読んでいただいた方だけに付録を添付いたします。
現在、β版としてN-MAGIを運用しております。サンプルを置いておきますので、ぜひチェックしてみてください👍