はじめに
こんにちは。普段は事業会社でエンジニアとして働いている「たいのー」です。
現在はエンジニアチームのマネージャーっぽいポジションをしているのですが、この立場になってからミーティングのファシリテーションを任されることが多くなりました。
あまり場を仕切ることも得意ではなかったので、最初の頃は失敗の連続でした。
沈黙が続くと焦って「じゃあ次は…」と無理やり話題を進めてしまったり、議論が堂々巡りになって時間だけが過ぎたり。終わった後に「今日のミーティング、意味あったのかな…」と落ち込むこともよくありましたね(笑)
でも、何度も試行錯誤するうちに、少しずつ「ファシリテーターとして意識すべきこと」が見えてきました。
今回はその中から、特に役立っている個人的な3つの心得を整理してみたいと思います。
これからエンジニアチームのマネージャーやチームリーダーになる方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
この記事は、私自身がエンジニアチームのファシリテーションを経験する中で学んだことをまとめたものです。
チームの状況や文化によって合う・合わないはあると思いますので、「こういう考え方もあるんだな」くらいの気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。
エンジニアのミーティングにある独特の難しさ
まず前提として、営業や他部署との会議と比べると、エンジニアのミーティングには独特の雰囲気があると感じています。
というのも、エンジニアは発言が慎重な人も多い印象で、議論がなかなか活発にならないことも結構あるためです。
しかし、これは「やる気がない」からではありません。
むしろ、論理的に正確でありたい、間違ったことは言いたくない、という真面目さの現れだと思います。
特に技術的な話題では、どうしても発言前にじっくり考える癖がついているのでしょう。
この特性を理解した上で臨むと、ファシリテーションはぐっとやりやすくなります。
ここからは、私が実践してきて効果を感じた3つの心得をご紹介します。
1. 沈黙を前向きに捉える
まずはこれ、「沈黙」への向き合い方です。
ミーティングで沈黙が流れると、どうしても焦ってしまいますよね。わかります。
つい「質問はありませんか?」と急かしてしまったり、「なんか話さないと…」なんて焦ってしまいがちです。
でも、沈黙は必ずしも悪いことではありません。
大抵の場合、それは「考えている時間」だったりします。新しい論点に気づいたり、発言をまとめている最中だったり。
ですから、沈黙が生まれても慌てず「みなさん考えてますね」と前向きに受け止めてみてください。
私の感覚では、30秒から1分ほどは待って大丈夫。
その間、参加者の表情や仕草を観察すると、次にどう進めればいいかのヒントが見えてきたりするものです。
2. 迷ったら参加者に問いかける
ファシリテーターをしていると、時には「次に何を話せばいいんだろう…」と迷う瞬間があります。
そんな時は、一人で抱え込まずに思い切って参加者に聞いてしまいましょう。
例えば、
- 「次は何から話すのが良さそうですか?」
- 「私が見落としている視点があれば教えてください」
- 「この議題について他に検討すべきことはありますか?」
といった問いかけです。
ファシリテーターは完璧である必要はありません。
むしろそういった問いかけをすることで、ミーティングの空気を参加者全員で作り上げていく流れが生まれることもあります。
また、技術的な話題で困った時は、参加者の方が詳しいことも多いものです。
だからこそ、問いかけによって良い空気や知見を引き出すことが、より良い議論につながります。
3. 全員にバランスよく発言してもらう
最後の心得は「全員に発言のチャンスを作ること」です。
積極的に話す人もいれば、黙って聞いている人もいます。
でも、後者の人が意見を持っていないわけではありません。
むしろ深く考えていて、有益な視点を持っていることが多いのです。
そのためには、参加者の様子を観察すると発言を引き出すタイミングが掴めてきます。
ちなみに「癖」というのは例えば以下のような感じで、これは十人十色なので、観察してみるのも楽しいものですよ。
- 頭を抱えている人 → 何か課題に気づいているかも
- 困った顔をしている人 → 異なる意見を持っている可能性
- PC画面に顔を近づけて資料を見つめている人 → 気になるポイントを見つけたのかも
こうした仕草や様子を読み取ったら、
- 「まとまってなくても大丈夫」
- 「思いつきでもいいので」
- 「感想でもいいよ」
などと前置きをして声をかけると、発言しやすい雰囲気ができるのでおすすめです。
おわりに
エンジニアチームのファシリテーションには、独特の難しさがあると感じます。
沈黙を恐れず、問いかけを活用し、全員の知見を引き出すこと。これらを意識するだけで、ミーティングの質はぐっと高まります。
大事なのは、完璧な司会者を目指すことではなく、チームが良い議論を生み出す「触媒」になること。そう考えると気持ちも少し楽になりますし、参加者も安心して意見を出しやすくなります。
私自身まだまだ学びの途中ですが、この3つの心得を意識するようになってから、ミーティング後に「今日の議論はよかったな」と思える回が増えてきました。
これからファシリテーションを任される方も、ぜひ肩の力を抜いてチャレンジしてみてください。失敗しても大丈夫。回を重ねるごとに、必ずうまくなっていきます。