状態管理に redux を使っている人は以下の様なことをやりたいことがあるでしょう。
- ログイン処理でフォームを Submit した時に API を叩いて、返ってきた Auth 情報を store に保持する。
- ページを開いた時に API を叩いて、返ってきた Response を store に保持する。
このような非同期処理の結果を redux に保持することが必要な時にはよく redux-thunk
, または redux-saga
が採用されていた。
今回は非同期処理に thunk も saga も使う必要なくなったのでは?と言う話です。
なお、筆者は redux-saga についてはそこまで使ったことが無いので、この記事では主にredux-thunk
のリプレイスについて書きます。
tl;dr;
- react-redux の hooks api を用いて custom hooks に非同期処理を入れる。
- redux で保持するべきはユーザが必要な情報(Loading は要らない)
- ロジックはすべて custom hooks に閉じ込めよう。
redux-thunk の流れ
redux-thunk で非同期処理の流れを簡単に書くと:
- 非同期処理を始める前に、画面に「読み込み中‥」などを表示させるために、Loading 状態にする
- 非同期処理を始める。
- 非同期処理が無事終わったら、結果を store に反映させ、Loading 状態を外す
- 非同期処理に何らかの問題が発生したら、その旨を表示させ、Loading 状態を外す
となります。
コードで書くとこういう感じです:
fooReducer.ts
type FooState = {
loadng: boolean,
list: Item[],
error: stirng
}
const initialState:FooState = {
loading: false,
list: [],
error: string
}
export const fooReducer = (state:FooState = initialState, action:FooAction) => {
switch(action.type) {
case: 'FOO_START':
return { ...state, loading: true}
case: 'FOO_SUCCESS':
return { ...state, loading: false, list: action.result}
case: 'FOO_FAILED':
return { ...state, loading: false, error: action.error}
default:
return state;
}
}
fooAction.ts
export const fooAction = (): ThunkAction => async (dispatch: Dispatch) => {
// 非同期処理を開始するため、状態をLoadingにする
dispatch({ type: 'FOO_START' })
// 非同期処理を行う
try {
const result = await fetch('/getFoo')
// 成功したら結果をreduxに反映し、Loading状態を外す
dispatch({ type: 'FOO_SUCCESS', result })
} catch (e) {
// エラーが発生したらエラーメッセージを表示させ、Loading状態を外す
console.error(e)
dispatch({ type: 'FOO_FAILED', error: e.message })
}
}
redux-thunk のつらみ
上記の通り、redux-thunk がやっていること自体は単純なのですが、
それを書くのに結構な量のコードを書く必要があります。
上記に加えて、store の状態をもとに処理を分岐させる必要がある場合、thunk 内で getState を呼んだりと、処理が複雑化してきます。
筆者が感じる Issue としては以下のようなことがあります:
-
STARTED
,SUCCESS
,FAILED
の 3 つの Action を書く必要があった。 -
Loading
の状態を reducer で持つ必要があった。 - 非同期処理が行われる度に別々の Loading を書く必要があった。
1 画面で複数の非同期処理が走る際、
つまりやりたいことは:
- Action の発火は必要な状態が変わる一回に済ませたい。
- Loading は redux 外で管理したい。
- 非同期処理の共通部分を使いまわしたい。
解決案
react の custom hooks を使えば解決します。
react-redux の v7.1 から、hooks に対応した API が出たのでそれらを使っていきます。
上で書いた redux-thunk の例を custom hooks を使って簡略化することができます。
以下のことをやっていきます。
- loading は useState で保持して、hooks 内で完結させる。
- dispatch を使うのは、非同期処理が終わってからの一回のみで済ませる。
useFoo.ts
import { useState, useCallback } from 'react'
import { useSelector, useDispatch } from 'react-redux'
export const useFoo = () => {
const [loading, setLoading] = useState(false)
const [error, setError] = useState('')
const items = useSelector(state=> state.foo.items)
const dispatch = useDispatch<Dispatch<FooAction>>()
const getFoo = useCallback(async () => {
setLoading(true)
try {
const result = await fetch('/getFoo')
setLoading(false)
dispatch({type: 'FOO_SUCCESS', result})
} catch (e) {
setLoading(false)
setError(e.message)
}
}, [loading, error, items])
return [items, getFoo, loading, error]
}
loading と error を持つ必要がなくなったので、reducer も簡略化することができます。
fooReducer.ts
type FooState = {
list: Item[],
}
const initialState:FooState = {
list: [],
}
export const fooReducer = (state:FooState = initialState, action:FooAction) => {
switch(action.type) {
case: 'FOO_SUCCESS':
return { ...state, list: action.result}
default:
return state;
}
}
component での使用例はこんな感じです
FooList.tsx
import React, { useEffect } from 'react'
import { useFoo } from './useFoo'
export const FooList = () => {
const [items, getFoo, loading, error] = useFoo()
useEffect(() => {
getFoo()
}, [])
if (loading) {
return <p>読込中…</p>
}
return (
<div>
{error ? <p>{error}</p> : null}
<ul>
{items.map(item => {
return <li>{item.contents}</li>
})}
</ul>
</div>
)
}
このような形で、ページ遷移時に非同期で何かを取得してくる処理を thunk 無しでも実現することができます。
また、このように非同期処理のロジックを custom hooks に閉じ込めておくことで、別のページで同じ処理が必要になった時に hooks を使い回すことができます
上の Compnent の例では、useEffect も useFoo の中に入れることで、完全にロジックと Component を分割させることができます。
あとがき
これはあくまで自分の redux-thunk の使い方なら redux-thunk 使わなくても出来るかなと言う話なので、
redux-thunk や redux-saga じゃないとこれができないよ!みたいなことがあれば教えてほしいです。