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「東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない」を読んで、プログラミングにも応用が効きそうだと思った

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はじめに

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわないという本を読みました。

タイトル通り、東大卒にしてプロゲーマーという異色の経歴を持つときどさんが書かれた本です。

私は格ゲー好きというわけではないのですが、ゲームは好きです。
また、単純にタイトルに惹かれたということもあり、読んでみました。

すると、(失礼ですが)思いの外面白く、一気に読み切ってしまいました。
本書の中で語られているときどさんの哲学が「プログラマーとしての成長」にも通ずるものがあると感じたので、自分なりにまとめてみます。

優勝回数世界一のプロゲーマー、初の自著!
ゲームと勉強をリンクさせて東大に合格、バイオマテリアル研究の成果が国際学会で評価された人物は、なぜエリートコースを捨て、未開の地だったプロゲーマーの世界へ進んだのか? 
さらに彼はプロ入り後、順調に勝ち星を増やしていたにもかかわらず、最大の武器である合理性を手放すことを決意する。
論理の限界にぶつかったIQプレイヤーは、何を考え、どう行動したのか――ゲームをとおしてたどりついた、新しい勝利の方程式。
「ゲームをしていたのに、東大に入れたのか。ゲームをしていたから、東大に入れたのか。――僕の場合は後者であろう」
「合理性や効率を極めた僕だからこそ、それだけでは勝てないことを身をもって学べた」
「練習に付き合ってくれるプレイヤーたち。働いて家庭をもち、一線を退いた彼らの『おれの分まで、頼むよ』という想い。彼らが、僕のモチベーションの源泉だ」
(すべて本書より要約)

Amazon 商品紹介ページより

上達のために必要なこと

情熱

成果を残せる人間と、そうでない人間の違いは何か。答えは情熱である。

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (p.89)

ロジックや合理性は、情熱があってこそ生きるもの。情熱なしにそれらを振り回したところで、何も生み出すことはできないのだ。

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (p.120)

何であれ、結果を残す・上達するために最も大切なのは情熱です。
どんな形であれ、情熱があるから突き詰めた努力ができ、結果を出せるのです。

自分だけの「情熱」を持って取り組める何かに、「ロジック」と「努力」を持って挑むこと。これが最強です。

この本で最も意外だったのは、筆者のときどさんが自身のことを「自分1人では情熱を燃やせない人間だった」と評していたことです。

プロゲーマーになるような人だし、本のタイトル的にも情熱の塊のような人なんだろう。
そう思って読み始めましたが、読み終える頃にはかなり印象が変わっていました。

間違いなく常人よりも「情熱」を持っている、世界で活躍するプロゲーマーが、「1人で情熱を燃やし続けるのは難しい」「情熱を人からもらっても良い」と語っていることに、何だか勇気付けられました。

コミュ力

これまで書いてきたように、他者とのコミュニケーション力と、格闘ゲームにおける強さには、密接な関係がある。というより、コミュニケーション力のある者が強くなる、といい切ってしまってもいい。

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (p.167)

どの業界であれ、コミュニケーション力が最強のスキルであることは揺るがないようです。

人に好かれる。
人と上手くやれる。
他人のアドバイスを素直に聞ける。
わからないことを言語化して伝えられる。
などなど。

「コミュニケーション力が高い」ということは、「人に助けてもらえる力がある」ということだと思っています。
また、「情熱」とも繋がってきますが、頑張っている人というのは応援したくなるものです。
そして、周りに助けてもらえる人 / そうでない人ではどちらが成長出来るかは考えるまでもありません。

コミュ力って、どう鍛えたら良いんでしょうか

最短距離の練習

東大の問題形式は伝統的に決まっており、過去の問題集を見ればそれは事前に把握できる。東大が出題しない問題をどれだけ解いても、それは東大合格率を高めてはくれない。
だから基礎を固めたあとは、ひたすら過去問を解き続けることが、東大合格の最短ルートになる。つまり、自分がやらなければいけないことを絞り込み、それを徹底的に反復練習する。その感覚はゲームも受験も同じなのだった。

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (p.70)

筆者のときどさんは、受験と格ゲーの共通点として「勝ちパターン」が似ている点を挙げていました。

格ゲーに勝ちたいと思ったら、対戦相手の過去の試合を振り返ってその人向けの対策を練るのが鉄則。
受験における過去問研究でも同じことで、東大が出題しない問題をいくら解いたところで東大の合格率を高めてくれはしないのです。

上達のためには、やらなければいけないことを絞り込み、それを徹底的にやり込むことが大切です。

やるべきことが定まらない場合

自分甩のメモです。

「やるべきこと」の具体性が欠ける場合、「なんのため」「どのように」などを洗い出す。
そして、具体的に実行可能な粒度まで落とし込む。

共感したところ

本筋とは逸れますが、私が個人的に共感したところです。

考えずに済む「没頭」

・結局、僕は、自分の頭でしっかり物事を考えてこなかったのだと思う。
・むしろ僕は、「考えないため」「悩まないため」の行動をとっていたのではないか。
・ひとつのことにとことん没頭する僕の性格も、「没頭すればそれ以外のことを考えずに済む」というメリットをにらんでのことではなかったか。
A.だから、その没頭する対象であった「ゲーム」を離れ、さらに次なる対象である「研究」を失ったとき、それまで見ないで済んできた人生の悩みが一気に押し寄せてきた

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (p.101)

これは、筆者が挫折していた時期に考えた、自分自身についてだそうです。
悩みの規模・没頭の質は全然違いますが、ここの考えがかなり自身と重なりました。

2022年現在、実務未経験者が転職しようとすると、ある程度何かしらの言語・フレームワークについて学び、それを使ってポートフォリオを作り、そのポートフォリオを元に転職活動、という流れが主流だと思います。

私は、Ruby on Rails, React, Docker, AWS など、ポートフォリオ作成には十分な程度の学習をこれまでにしてきました。
しかし、まだポートフォリオ作成には着手していません。

振り返ってみると、これはまさしく「考えないため」の没頭だったのだと思います。

プログラマーになりたいのであれば、合理的に考えて、必要最低限の知識を付けたらさっさとポートフォリオを作って、転職して、現場に飛び込んでみるべきなのでしょう。

しかし、現在の安定した勤め先、地元の家族、友人関係、、、
そういったものと不安定な未経験での転職を天秤に掛け、考えることを避けるために、「とりあえず勉強する」ことを続けていたのだと思います。

もやもやしていたものを言語化出来て嬉しいのと同時に、ついに「考える」ときが来てしまった・・・という気分です。

安定について

以前、大学の先生がいっていた。
「かつてはJALが一番だったが、そのJALが経営破綻した。わからないものだね。いまだったら、インフラ系、東京電力が安泰だよ」。
その後、東日本大震災にともなう一連の出来事を経験した現在の僕らからしたら、笑えない冗談である。

いわゆる安定した仕事、プロゲーマーという仕事、どっちを選んだところで、未来のことなどわからない。
それならば、役に立たない論理など脇に置いて、面白そうなほうを選べばいいではないか。

東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (p.121)

いかに安定していると思われる大企業であっても、変化の激しいこの時代には何が起こるかわかりません。

真の安定とは、情熱を持って取り組めることを仕事にして、自身のスキルを高め続けることなのだと思います。

まとめ

情熱を持って取り組めることに、確かなロジックと不断の努力を持って臨むこと。
まだ人生を語れるほど生きていませんが、そんな生き方は楽しそうだと、そう思わされる本でした。

勢いで記事を書いた所為か、プログラマーとあまり関係の無い内容になってしまった気がします。タイトル詐欺すみません。

「まとめる」とか偉そうに言いましたが、この本の魅力の2割も伝えられていません。
ゲームが好きな人もそうでない人も、ぜひ実際に読んで見てください。

筆者いわく、情熱は伝染するもので、周囲を照らし、燃え広がるもの。聖火リレーの如く受け継がれるもの、だそうです。

実際、その通りだと思います。
誰かの思いが込もったものに触れて文字通り胸が熱くなり、モチベーションが高まるという経験は、多くの人にとって身近なものでは無いでしょうか。

私も今、絶賛この本に当てられて燃えています。
現在深夜1時ですが、このまま朝までコーディングしていたいと思います。

それと、とりあえず過去の EVO の動画でも見てみたいと思います。

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