私と地図
その昔、地図と言えば「紙」で出来ていた。新聞を広げたようにでかい1枚だったり、どでかい本の体裁で区画をたどってページを行ったり来たり。
助手席にナビゲーターが居ればそいつ任せで指示に従っていれば済むのだが、方向音痴の私は未知の土地に赴くのは苦痛以外の何物でもなかった(遅刻恐怖症である)。
カーナビが車について未知の土地も怖くなくなったが、今度はGPSをロストして海の中を走りだす恐怖からやはり「スーパーまっぷる」は手放すことができなかった。
そのころは2年に一度程度ゼンリンさんが出す地図データを買って更新したりデータ量量の少ないCDROMをエリアを超えるごとに入れ替えたりしていた。(データの粗い全国版、ちょっと密度の高い関東版、中部版などがあった)。
現在では無料で使える「GoogleMap」と海に突っ込んでしまうことのない高精度GPSを搭載したスマホで十分以上に足りてしまっている。
前置きが長くなってしまったが、ここからはオリジナルのデジタルマップを自分で作り、道案内以外の仕事に役立つ「マップ」を作る道具を記す。
デジタルマップを作る道具
- ドローン:俯瞰写真を撮れるカメラを装備
- パソコン:撮った写真を2次元、3次元地図にする処理を行う。そこそこ高い処理能力があると処理が早く済む。ゲーミングPCとか良いね
- ソフト :上記処理SfM/MVSやデータのクリーニング、地図に情報をオーバーレイ、画像解析による情報の抽出
ドローン
- 真俯瞰(真下)斜め下などの写真を安定して撮影できるカメラを搭載
- GPSを装備していること(位置情報を写真に記録できること。exifという
- 自動航行システムを装備(GSPro[DJI]など)
パソコン
- 何百枚~何千枚の写真から同じ点を見つけ、紐づけ、レンズの歪みを修正し、座標に当てはめる処理を何億~何十億回も繰り返すため、そこそこの処理能力とメモリ量を必要とする。
- さらに処理を高速化するためにGPU(Graphic Processing Unit)を使用することが推奨される。
- ストレージも高速なSSDと保管用のHDD(リムーバブルで大容量)推奨。
※ゲーミングPCがおすすめ
ソフト
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SfM/MVS:複数の写真から共通点(タイポイント)を判別し、基準となる点との距離/角度からその座標を計算し、膨大な隣接する3次元座標を算出、その座標の群れ(点群)を生成する技術、Pix4D,MetaShape,OpenDroneMapほか有償、オープンソースが種々存在する
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点群編集:SfM/MVSにて生成した点群をクラス分け(地面、植生、構造物など)やノイズ除去、密度変更など、オープンソースにCloudCompareがある
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GIS:Geographic Information System 地図上に情報をオーバーレイしデータベース化し活用するシステム(QGIS、ArcGISなど)最近は3次元のデータも表現できるようになってきている。
データ形式
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オルソモザイク : グーグルマップなど2次元マップの技術的総称。マクロからミクロまで段階上に解像度を変化させデータの読み込みを最適化している 。可視光だけでなくマルチスペクトル、ハイパースペクトル、サーマルなど種々の電磁波を表現できる
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点群 : 読んで字の如く、「点の群れ」SfM,MVS処理にて導き出された膨大な数の3次元座標と色データをもつ点は遠くから見ると形を成し、地形、植生、構造物を形成するように見える。近ずくと細かい点の群れなのでまさに「雲」のようであり、英語表記では「Cloud」となる。
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ポリゴン : 点群は近くに寄ると点になってしまうので、その点を結んで面を貼ることで細かいテクスチャを貼り付けたり、それを3Dプリント出来たりする。しかし点群に比べデータ量や表示の際の処理が多くなるため、測量や分析などではあまり使わない。
第2部に続く
#DRONEBIRD