UtahバージョンのEmployee Document Managementの新機能である「文書の有効期限フィールドの取得と利用」について、使用してみた結果をまとめます。
どんな新機能が増えたか簡単に言うと、、、
ドキュメントタイプのポリシーの定義で、ドキュメントタイプの設定として 「有効期限フィールド」と「有効期限ポリシー」タブが増えました。
また、有効期限が切れたとき、または有効期限が近づいたときに、ドキュメントの所有者やマネージャー、HR担当者にメール (有効期限通知) が送信されるよう設定が可能になりました。
本稿をお読みいただき、是非Employee Document Managementを使いこなしていただければと思います!
目次
1. Employee Document Managementとは
2. 事前準備
3. 設定方法
3-1. ドキュメントタイプの設定
3-2.保存期間の設定
3-3.有効期限ポリシーの設定
3-4.ドキュメントにドキュメントタイプを紐づける
4. 動作確認
5. おわりに
1.Employee Document Managementとは
Employee Document Managementは、HR Service Deliveryの機能の1つで、
従業員に関する多数のドキュメントを効率的に管理することができます。
また、従業員ドキュメントの定義を行うことで、ドキュメントの保存期間やセキュリティ方針を決めることができます。
従業員ドキュメントの定義は以下の4つです。
・ドキュメントタイプ
・保存期間
・保持ポリシー
・セキュリティ方針
本稿では、新機能である有効期限の設定について紹介するため、「ドキュメントタイプ」と「保存期間」の定義方法について説明していきます。
続いて、Employee Document Managementを利用するために必要な事前準備について説明していきます。
2.事前準備
HRプラグインとロールが必要になります。
プラグインのインストール
Employee Document Management [com.sn_employee_document_management] プラグインをアクティブ化します。
手順1 :アプリケーションメニューから、[すべて] > [システムアプリケーション] > [利用可能なすべてのアプリケーション] > [すべて]に移動します。
手順2 :検索バーで”com.sn_employee_document_management”と検索し、「インストール」ボタンをクリックします。
手順3 :プラグインのテーブルに移動し、プラグインがインストールされていることを確認します。
※フィルターナビゲーターに”sys_plugins.list”を入力し、Enterキー押下。
ロール付与
プラグインをインストールすると、adminユーザにsn_hr_ef.managerが自動で付与されています。
Employee Document Managementを利用するために必要な事前準備は以上です。
続いては、この記事の本題である従業員ドキュメントの有効期限の設定と、有効期限通知メールの送信設定の方法について説明していきます。
3.設定方法
3-1. ドキュメントタイプの設定
手順1 :[すべて] > [HR 管理] > [従業員ドキュメント] > [ドキュメントタイプ] に移動します。
手順2 :[新規] または編集する既存のドキュメントタイプをクリックし、必要な項目を入力後、保存します。
保存後はこのような画面になります。
以上でドキュメントタイプの設定は完了です。
3-2.保存期間の設定
保持ポリシーにて、ドキュメントの有効期限を設定します。
手順1 :[すべて] > [HR 管理 (HR Administration)] > [従業員ドキュメント (Employee Documents)] > [保持ポリシー] に移動し、[新規]ボタンをクリックします。
手順2 :項目を入力し、保存します。
ドキュメントタイプ →「3-1. ドキュメントタイプの設定」で作成したドキュメントタイプを設定
HR基準 →設定したい人事条件を選択
保存期間 →ドキュメントの保存期間を選択します。
以上で、保存期間の設定は完了です。
3-3.有効期限ポリシーの設定
有効期限ポリシーにて、有効期限通知メールの送信設定を行います。
手順1 :[すべて] > [HR 管理] > [従業員ドキュメント] > [有効期限通知ポリシー] に移動し、[新規]ボタンをクリックします。
手順2 :項目を入力し、保存します。
手順3 :[有効期限通知の受信者] 関連リストが表示されるため、[新規]ボタンをクリックし受信者を追加します。
※「グループ」セクションでは、通知の送信先のグループを追加することができます。グループは受信者と同時に通知を受信します。
以上で、有効期限ポリシーの設定は完了です。
3-4.ドキュメントにドキュメントタイプを紐づける
ドキュメントとドキュメントタイプを紐づけることで、そのドキュメントに対して保存期間や有効期限通知メールの設定を行うことができます。
手順1 :[すべて] > [HR プロファイル] > [従業員ドキュメント] > [ドキュメントの新規作成] に移動し、従業員ドキュメントを作成します。
手順2 :項目を入力し、保存します。
※ここで「ドキュメントタイプ」フィールドに作成したドキュメントタイプを入力することで、紐づけができます。
以上で、ドキュメントタイプの紐づけは完了です。
ちなみに、、、
ドキュメントを作成すると画面下部に「従業員ドキュメント監査記録」が表示され、このドキュメントに対する操作履歴が表示されるようになります。
4.動作確認
「3-3.有効期限ポリシーの設定」で設定した通りにメールが送信され、ドキュメントが削除されるまでの流れを確認します。
まず、スケジュールジョブ(Send Expiration Notifications)が動き、メールが送信されます。
<メール本文>
※メール本文に記載されているファイルのリンクをクリックすると、ドキュメントレコードに遷移します。
削除のスケジュールジョブ(Purge employee documents)が動きます。
※スケジュールジョブが動く条件は、「削除保留ステータス」が”消去承認” or NULL かつ「有効日」が今日以前
5.おわりに
本稿では、UtahバージョンのEmployee Document Managementの新機能である「文書の有効期限フィールドの取得と利用」について紹介しました。
保持ポリシーで保存期間の設定は行いますが、実際に削除対象の条件となるのはドキュメントの「削除保留ステータス」と「有効日」のようです。
(保持ポリシーで設定した期間通りに自動でドキュメントが削除されるというわけではないようですね。)
そのため、もし「やっぱり削除したくない!」というドキュメントがあった場合、有効期限ポリシーを設定をしておくことで、メールで有効期限に気付き「削除保留ステータス」を”消去承認”以外のステータスに更新しておけば、ドキュメントが削除されません。
HRSDを利用している方は使う機能の1つかと思います。
是非ご活用ください。