メールサーバーとは、メールの送受信を行うサーバーのことです。
Webサーバー、ファイルサーバー、DBサーバー、FTPサーバー...などあり、そのうちの一つなのです。
あなた送信したメールは、メールサーバーを経由して相手に届けられます。
メールサーバーは3種構成
メールサーバーは、それぞれ異なった役割を持つ『SMTPサーバー』と『POPサーバー』『IMAPサーバー』の3つを組み合わせたものを指します。
それぞれ「送信」「受信」「保管」といった役割があります。
送信後はDNSサーバーがインターネット上の住所に当たるIPアドレスを把握し、相手側のメールサーバーへと届けます。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
1.メールの送信を行う「SMTP」サーバー
SMTPサーバーは、メールを送信先のサーバーへ配送する役割を持ったサーバーです。
一斉送信、送信遅延などを回避、迅速かつ確実にメールを送信できるようになります。
SMTPは以下のような処理をしています。
1.ユーザーがメールを送信する
3.メールソフトがメールヘッダの情報を使いエンベロープ(封筒)を作成します。
3.SMTPがDNSサーバーを通じてIPアドレスを特定し宛先のサーバーを把握する
4.本文などを最適化し、メールを配送する
※ちなみにSMTPは普通、SSL化されSMTPSとして使われます。
メールを配送するためのメール・ルーティング
では、その後メールはどのようにして相手に届くのでしょうか。
そうした仕組みをメール・ルーティングと呼びます。
メールサーバというのは、メール配信機能とメール転送機能があります。
・メール配信機能
サーバのローカルでユーザーのメールボックスへメールを届ける機能のこと。
メールサーバには、ユーザーごとのメールボックスがある。サーバーはユーザー管理を行う。
・メール転送機能
メールをほかのメールサーバへと送信する必要がある。これが転送。
単にメール・ルーティングといった場合には、この転送だけを指す場合もある。
そしてこの転送で、ほかのメールサーバとの通信に使用されるのがSMTP。
送受信メールを一時的に保管し、実際の転送に備えるキューイングと呼ばれる機能を持つこともある
メール配信や転送機能を受け持つプログラムを総称して「MTA(Mail Tranfer Agent)」と呼ぶ。
メールサーバといわれるものは、このMTAとして定義されている機能を実装したサーバのこと。
メールアドレスとルーティング
MTAがどのようにメール・ルーティングを行うのかを見てみます。送信処理は、次の段階に分けられます。
(1)MUAからMTAへメール送信を依頼
(2)あて先メールアドレスから送信先MTAを決定する
(3-a)送信先MTAが自身であった場合には、「配信」処理を行う → 送信終了
(3-b)送信先MTAへSMTP接続を行い、送信
(4)送信先MTAが「配信」処理を行う → 送信終了
MUAから送信を依頼されたメールは、MTAによって「配信」か「転送」かが判別される。判別の根拠となるのが、メールアドレスです。
ユーザー名@メールサーバ名またはドメイン名
右辺が自分自身を指していれば、自身で管理しているユーザーへメールを配信すればよいし、違うなら該当するMTAへと転送する必要があります。
左辺が配信に、右辺が転送にかかわっていると思って大丈夫です。
また、メールサーバ名とドメイン名はまったく別物だということに注意してください。
本来、メールアドレスは右辺にメールサーバ名を有する書式が一般的でしたが、「長くなる傾向」「サーバ名の漏出することのリスク」「不格好さ」が重なり、DNSドメイン名を右辺に定義できる仕組みが考案されました。
距離が最も小さく近いMTAがそのドメインの「代表MTA」として、送信元MTAによって選択される決まりになっています。
もし何らかの原因で接続できない場合には、次に距離が短いMTAが選択されます。
2.メールの受信を行う「POP」サーバー
SMTPサーバーを経由して送られたメールは最終的にこのPOPサーバーに行き着きます。
また、POPサーバーではユーザーIDやパスワードが合っているかを確認してからメールが受信できるようにします。
さらに、メールデータをダウンロードするので、オフラインでもメールを見ることができます。
POPサーバーは以下のような処理がされています。
1.受信者がメールソフトを立ち上げる
2.POPサーバーから認証を受ける
3.POPサーバーに用意されているメールボックスから、自分宛のメールを受信する
3.メールの保管を行う「IMAP」サーバー
IMAPサーバーはPOPサーバーと同じような役割を持ちますが、POPサーバーと違うのは、メールデータをサーバーに残したまま管理するということです。
たとえばPCを移行することになったとしても、メールデータはサーバー上にあるのでデータの移行作業を行わずに済みます。
Gmailでメールサーバーを見てみる
理解を深めるために、あなたが実際に使っているメールサーバーをいじってみましょう。
今回は「Gmailを、他のメールプラットフォームでチェックできるようにする」設定を見てみます。
IMAP を設定して SMTP の設定を変更すると、Microsoft Outlook や Apple Mail などの他のメールクライアントで Gmail のメールを読むことができます。
IMAP を設定する
参考:Googleヘルプ
ステップ 1: IMAP 機能が有効になっていることを確認する
Gmailを開いて右上にある設定>すべての設定を表示を開きます。
[メール転送と POP/IMAP]タブをクリックします。
[IMAP アクセス] の [IMAP を有効にする] をクリックします。
[変更を保存] をクリックします。
ステップ 2: メールクライアントで SMTP とその他の設定を変更する
項目 | 設定内容 |
---|---|
受信メール(IMAP)サーバー | imap.gmail.com SSL を使用する: はい ポート: 993 |
送信メール(SMTP)サーバー | smtp.gmail.com SSL を使用する: はい TLS を使用する: はい(利用可能な場合) 認証を使用する: はい SSL のポート: 465 TLS / STARTTLS のポート: 587 |
氏名または表示名 | 氏名 |
アカウント名、ユーザー名、メールアドレス | メールアドレス |
パスワード | Gmail のパスワード |
ちなみにSSLやTLSが「はい」になっていると、あなたが通信するメールデータ情報は暗号化されます。
SSL 【Secure Sockets Layer】
以上、ありがとうございました。