#Landsatデータの種類
アメリカのNASAが打ち上げている地球観測衛星、LandsatのデータはUSGS(The United States Geological Survey)より無料でダウンロードが可能。アカウント作成は必要。実際のダウンロードページは、Earth Explorerなど。
ダウンロードする際に、表題のデータの種類について毎回悩むので調べてメモしておく。
基本的にはリモセン初級者が解釈した内容なので、コメント歓迎
階層構造としては、
Collection(1,2)
→Tier(RT,T1,T2)
→Level(1,2)
といった感じ
#Collection
USGS Landsat Collections
衛星のセンサーがデータを取得してからLevel1(後述)公開までの間でUSGSが行っている処理のはなし。
具体的にはRadiometric collectionやジオリファレンスなど。
**USGSはCollection2の利用を推奨している("Users are encouraged to migrate their workflow to Landsat Collection 2 at their earliest convenience")。**2022年以降のデータについてはcollection2しか提供されない。
##Collection1
1972年~2021年年末予定
2016年からUSGSで開始された方法。
##Collection2
1972年~
各種アルゴリズムやモデルが良くなってきたので、改良したもの。位置精度が大幅に向上したとのこと。
2020年から開始
#Tier
USGS Tier
Collection処理の状態、データ名の末尾に引っ付いてるので識別可能
速報(RT)、完了(T1)、完了精度悪(T2)のイメージ
Collection1でも2でもだいたい同じ。
##Real-Time(RT)
Landsatデータが撮影され次第、いくつかのパラメータ(ephemeris:天体暦など)は予測値をもちいて補正され、ダウンロード可能になる。あくまで速報といった感じ。
4~6時間(最大12時間)後からダウンロード可能
##Tier1(T1)
予測値を実際の値に置き換えたもの。Tier1が出た時点でRTは利用不可に。
最も精度が高く、安定したデータで、時系列解析に十分使える。
位置誤差は12mRMSE以内。
14日後からダウンロード可能
##Tier2(T2)
何らかの理由(軌道情報の精度や雲がかかりすぎてるとか)により、Tier1の条件を満たさなかったデータ。(おそらく位置情報)精度が低いということ。利用には要注意。
26日後からダウンロード可能
#Level
Collection以降のデータ処理について、どこまでやっているかを表現する
Collection2nについての情報のみを参照
##Level1
生データ。よってCollectionとほぼ同義。
既に済んでる処理は、GeometricとRadiometricの補正。
データの形式は、16bitのDigital Numbers(DN)かメタデータ使ってRadiometric scalingしたTop of Atmosphere(TOA) reflectance。
##Level2
Level1のデータに対して、大気補正まで行われた状態。
よって、データはSurface reflectanceとSurface Temperature。
(USGS web pageより)
##Analysis Ready Data(ARD)
level2をさらにAlbers-projectedとして投影したデータ。
2020中ごろよりアメリカ国土のデータのみが公開予定。
日本国土のデータに関心がある場合は基本的に関係なさそう。
#(おまけ)Quality Assessment Bands
Landsat collection2にはlevelを問わず、QA bandといわれるバンドが複数含まれている。
このうちLandsat8のLevel2に含まれる、Surface Reflectance Quality Assessment Band (SR_QA_AEROSOL)では、エアロゾルの状態など解析に影響を及ぼす可能性のある要因の情報が提供されている。(Landsat4-7ではSurface Reflectance Cloud Quality Assessment Band (SR_Cloud_QA))
cloud maskするときなんかに使えると思われる。
#(追記21/08/10 おまけ)Landsat 8 Collection 2 Level 2 Science Product Guideの中身
USGSにある表記pdfの中身のメモ、要するにダウンロードデータの公式説明書
・Surface ReflectanceとSurface Temperatureの2種類のプロダクトが含まれている。
(異なるセンサーが受信したデータをそれぞれアルゴリズムで補正した成果物、参考リンク)
・RT TierはLevel2にはならないので、利用可能になるのは15~17日後、Tier1 or 2が出てから24時間以内
・Band8(パンクロ)は含まれない
・緯度65度以上はReflectanceに処理されてない
・プロダクト名の意味は以下の通り
・含まれているバンドは以下の通り
・QA_RADSAT bandは各バンドの値が受信の段階で飽和(白飛び)しているかどうかの情報
・QA_PIXELは雲や雪などを識別するアルゴリズムに沿って情報を提供
・Surface Reflectance Auxiliary Dataとして大気の状態の情報が提供されている。ただ、Landsatでは相当するセンサーがないのでMODISがソース。
#参考リンク(すべてUSGS)
Landsat Collection overview (https://www.usgs.gov/core-science-systems/nli/landsat/landsat-collections?qt-science_support_page_related_con=2#qt-science_support_page_related_con)
Landsat Collection2 overview(https://www.usgs.gov/core-science-systems/nli/landsat/landsat-collection-2?qt-science_support_page_related_con=1#qt-science_support_page_related_con)
Landsat Collection 2 Quality Assessment Bands(https://www.usgs.gov/core-science-systems/nli/landsat/landsat-collection-2-quality-assessment-bands)
Landsat 8 Collection 2 Level 2 Science Product Guide(https://www.usgs.gov/media/files/landsat-8-collection-2-level-2-science-product-guide)