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GraphQLのスキーマと型定義

Last updated at Posted at 2019-12-18

GraphQLのスキーマとは

GraphQL APIの仕様を表現するものです。スキーマ定義言語(SDL(Schema Definition Language))を使って表現します。GraphQL APIを構築するにあたり、FW、言語に依存せずにSDLで表現できます。
以下、SDLでのスキーマ定義の例です。

schema.graphqls
type Book {
    id: ID!
    name: String
    pageCount: Int
    author: Author
}

type Author {
    id: ID!
    firstName: String
    lastName: String
}

GraphQLをJavaで実装する場合、以下のようにJavaコードでの定義も可能です(Java以外の言語でもその言語で定義することが可能です)。
https://www.graphql-java.com/documentation/master/schema/

GraphQLの型とは

上記のようにSDLを使ってスキーマ定義する際に、重要となってくる概念に型というものがあります。GraphQLの型は他の言語同様、String、int、booleanといったようにデータの種類を識別するためのものです。GraphQLには大きく分けてスカラー型とオブジェクト型が存在します。それぞれ以下に詳細を記載します。

スカラー型

GraphQLには以下の5つのスカラー型が存在します。これら5つを総称してスカラー型と呼びます。

  • String(文字列型)
  • Int(整数型)
  • Float(浮動小数点型)
  • Boolean(論理型)
  • ID(ID型)

IntとFloatはJSONではnumberで表現されます。StringとIDはJSONではstringで表現されます。Booleanはそのままです。また、ID型の実態は文字列(String)ですが、GraphQLの仕様上ユニークでなければならない点でString型と区別されています。

オブジェクト型

1つ以上のスキーマで定義されているフィールドの集合をオブジェクト型といいます。JSONのように入れ子にすることが可能です。

上記で挙げたSDLサンプルを使ってまとめると以下のようになります。

schema.graphqls
type Book {
    id: ID! ←スカラー型(ID)
    name: String ←スカラー型(String)
    pageCount: Int ←スカラー型(Int)
    author: Author ←オブジェクト型(下記Authorスキーマにあるようにフィールドの集合)
}

type Author {
    id: ID! ←スカラー型(ID)
    firstName: String ←スカラー型(String)
    lastName: String ←スカラー型(String)
}

列挙型(Enum)の定義

列挙型(Enum)も定義できます。列挙型を定義することで、定義された値のいずれかが返ってくることが保証されます(それが保証されるように実装しなければなりません)。列挙型がサポートされていない言語でもGraphQLではEnumを定義できます。

schema.graphql
enum Color {
    RED
    YELLOW
    BLUE
    GREEN
}

type Apple {
    color: Color
}

リスト

フィールドには型のリストを定義することも可能です。リストは型を角括弧で囲むことで表現できます。以下はStringのリストを持つスキーマの例です。

schema.graphqls
type Department {
    id: ID!
    memberName: [String]
}

ルート型

GraphQLのクエリはルート型で始まります。ルート型とは、データソースに対する操作を表現する型です。具体的には以下の通りです。
※わかりやすいようにSQLと比較形式で書いています

データソースに対する操作 SQL GraphQL
データの取得 SELECT Query
データの登録 INSERT Mutation
データの更新 UPDATE Mutation
データの削除 DELETE Mutation
データ更新の監視 - Subscription

※GraphQLにはソケット通信を利用してデータの更新を監視するSubscriptionというものも用意されています(SQLでは存在しません)
つまり、Query、Mutation、Subscriptionがルート型になります。

ユニオン型(Union型)

ユニオン型は、複数の型のうち一つを返す型です。以下の例では、クエリにagendaを指定するとStudyGroupもしくはWorkoutが返却されます。型はパイプ(|)でつなぎます。

schema.graphqls
union AgendaItem = StudyGroup | Workout

type StudyGroup {
    name: String!
    subject: String
    students: [User!]
}

type Workout {
    name: String!
    reps: Int!
}

type Query {
    agenda: AgendaItem
}

スキーマの定義の方法

SDLを使って以下のように定義します(定義ファイルの拡張子は、慣例的に.graphqlsとなります)。

基本的な定義

schema.graphqls
type Book {
    id: ID!
    name: String
    pageCount: Int
    author: Author
}

type Author {
    id: ID!
    firstName: String
    lastName: String
}

typeに続けて型名を記述し波括弧で括ります。中身は、「フィールド名: 型名」で表現します(GraphQLの型については別途投稿します)。Bookのフィールドにあるauthorのように、他の型を入れ子にしネスト構造にすることも可能です。

エクスクラメーションマーク(!マーク)の意味

上記スキーマ定義のidの型定義に「ID!」のように、エクスクラメーションマーク(!、ビックリマーク)がついています。エクスクラメーションマークがついているフィールドは、そのフィールドがnullになることがないことを意味します。つまり、上記例だと、idフィールはnullになることがなく、それ以外のフィールドはnullの可能性があるということを意味します。

リストのエクスクラメーションマーク(!マーク)

リストのエクスクラメーションマークは何パターンか表現方法があります。以下の例では、[String]としていますが、
 [String!]
 [String]!
 [String!]!
といった形でも表現できます。それぞれの意味は以下の通りです。

schema.graphqls
type Department {
    id: ID!
    memberName: [String]
}
リストの宣言 定義
[String] nullかもしれないリストで中身もnullかもしれない文字列型
[String!] nullかもしれないリストで中身はnullではない文字列型
[String]! nullではないリストで中身はnullかもしれない文字列型
[String!]! nullではないリストで中身もnullではない文字列型

以上です。

参考

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