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Intellij IDEA で LuaLaTeX と Biber を扱うための環境構築

Last updated at Posted at 2022-12-23

なにこれ

基本的には表題の通り,Intellij IDEA で LuaLaTeX を扱うための環境構築についてまとめます.
Biber を用いた参考文献の記述環境の構築も取り扱います.

想定読者

  • Intellij IDEA の導入を済ませてある方
  • TeX ディストリビューションの導入を済ませてある方
  • TeX/LaTeX に関する基礎的な知識をお持ちの方

前提環境

基本環境

OS Windows 11 Pro 21H2
エディタ / IDE Intellij IDEA Ultimate 2022.3 (新UI)
TeX ディストリビューション TeX Live 2022

プラグイン

LaTeX / BibTeX サポート TeXiFy IDEA 0.7.25.1
PDFビューア PDF Viewer 0.14.0

プラグインの導入

まず,Intellij IDEA へプラグインを導入していきます.

image.png
ようこそ画面左側のプラグインから,TeXiFy と検索し,ヒットする2つのプラグインをインストールします.
インストールが済んだら,Intellij IDEA を一旦再起動しましょう.

プラグインの設定

次に,インストールしたプラグインの設定をしていきます.
基本的には画像の通りに設定すれば問題ありません.

TeXiFy IDEA

image.png
カスタマイズ から すべての設定... を選択し,設定ダイアログを開きます.

image.png
言語&フレームワークTeXiFy と進み,それぞれの項目について設定していきます.
各項目の意味は以下の wiki を参照して下さい.
https://github.com/Hannah-Sten/TeXiFy-IDEA/wiki/Global-settings

image.png
続いて,Conventions を選択し,規則に関する設定をしていきます.
(私は figuretable にチェックを入れています.)
各項目の意味は以下の wiki を参照して下さい.
https://github.com/Hannah-Sten/TeXiFy-IDEA/wiki/Conventions

PDF Viewer

image.png
その他の設定PDF Viewer と進み,それぞれの項目について設定していきます.
各項目の意味は以下の通りです.

Reload document on change
コンパイル時など,文書が更新された際に自動でリロードします.
Default sidebar view mode
デフォルトでサイドバーが表示する内容です.
Use custom colors
カスタムカラーを使用します.

プロジェクトの作成と設定

プロジェクトの作成

それではいよいよプロジェクトを作成していきます.

image.png
ようこそ画面右上の 新規プロジェクト を選択し,プロジェクトを作成します.

image.png
左ペインから, LaTeX を選択し,必要に応じて Configure with BibTeX support にチェックを入れます.

image.png
プロジェクト名と場所をお好みで設定します.
詳細設定は特に触らなくて大丈夫です.

プロジェクトの基本構成

プロジェクトが作成されると,次のような画面になります.
image.png
srcディレクトリに.texファイルと.bibファイルが配置されます.
成果物はoutディレクトリに出力されます.

プロジェクトの設定

ここでは,LuaLaTeX および Biber を扱うので,それに関する設定を行っていきます.

image.png
現在のファイル から,実行構成の編集... を選択.

image.png
左ペインの 新規追加… から LaTeX を選択.

image.png
名前(N): に自由な名前を入れ,Compiler: に LuaLaTeX を指定,PDF viewer: には Built-in PDF Viewer を指定します.
そして,Main file to compile: にコンパイルしたい.texファイルのパスを指定します.
Biber を用いない文書を作成する場合は,これで設定完了です.

image.png
次に Biber を用いるための設定をしていきます.
左上の から, BibTeX を選択.

image.png
名前(N): に自由な名前を入れ,Compiler: に Biber を指定します.
そして,Main file that includes bibliography: に文献リストを挿入する.texファイルのパスを指定し,Working directory for bibtex:outフォルダのパスを入力します.

image.png
最後に,仕上げ処理を行うための構成を作成します.
先程作成した LaTeX の実行構成を選択し,左上のボダンでコピーします.

image.png
名前(N): に自由な名前を入れ,起動前(B) を選択します.

image.pngimage.png
別の構成を実行 から,最初に作った LaTeX の実行構成を選択します.

image.png
同様の手順を踏んで,Biber の実行構成も追加したら,プロジェクトの構築は終了です.

ソースコードの例

最後に,簡単なソースコードの例を示します.(15分クオリティ注意)

main.tex
%! Author = NXVZBGBFBEN
%! Date = 2022/12/24

% Preamble
\documentclass{ltjsarticle}

% Packages
\usepackage{biblatex}
\usepackage{hyperref}
\usepackage{url}
\usepackage{dtk-logos}

\addbibresource{main.bib}
\DeclareFieldFormat{title}{#1}
\DeclareFieldFormat{title}{\mkbibquote{#1\adddot}}

% Document
\begin{document}
  \title{木更津高専 Advent Calendar 2022\\
  \huge{Intellij IDEAで\LuaLaTeX{}\Biber{}\\扱うための環境構築}}
  \author{木更津工業高等専門学校\\
    \begin{tabular}{rl}
      氏名   & NXVZBGBFBEN \\
      学科   & 限界エンジニア工学科  \\
      学籍番号 & 53{-}334
    \end{tabular}}
  \maketitle


  \section{\LuaLaTeX{}について~\cite{lualatex-whatis}}
  日本ではp\LaTeX{}やup\LaTeX{}とdvipdfmxを組み合わせて「\LaTeX{}ソースからDVI経由でPDFを作る」ケースが圧倒的に多いのが現状です。
  しかし海外に目を向けてみると,\pdfLaTeX{}を使って「\LaTeX{}ソースからPDFを直接出力する」ケースが主流です。
  この\pdfTeX{}を拡張してLuaという軽量スクリプト言語を利用できるようにしたのが\LuaTeX{}です。
  \LuaTeX{}は,いまのところ\pdfTeX{}の後継として位置づけられています。


  \section{Biberについて~\cite{biber-whatis}}
  \TeX{}\LaTeX{}が別物であるように\BibLaTeX{}\BibTeX{}とは別物です。
  前者の2つを区別するとほとんどの人は\TeX{}ではなく\LaTeX{}を使っているはずです。
  \BibTeX{}\BibLaTeX{}の差はその差に匹敵するほどなので\BibTeX{}ではなく\BibLaTeX{}を使わない理由はありません。
  使い方の慣れを除けば\BibLaTeX{}\BibTeX{}の上位互換といっていいです。\par
  正確には\BibLaTeX{}\BibTeX{}は相反するものでは無く前者は\LaTeX{}のパッケージなので\BibLaTeX{}から\BibTeX{}を呼び出すこともできます。
  \texttt{.bib}を処理している\BibTeX{}の代わりとなるものは\Biber{}です。
  しかし実際は\BibLaTeX{}\Biber{}はお互いを前提としているのでセットで使うのが普通です。

  \newpage
  \printbibliography[title=参考文献]
\end{document}
main.bib
%! Author = NXVZBGBFBEN
%! Date = 2022/12/24

@misc{lualatex-whatis,
    author = {\TeX{} Wiki},
    title = {発展編:最近の\LaTeX{}の動向},
    note = {\url{https://texwiki.texjp.org/}},
}
@misc{biber-whatis,
    author = {tm23forest},
    title = {\BibLaTeX{}+\Biber{}の始め方},
    note = {\url{https://tm23forest.com/contents/biblatex-biber-begin}},
}

このように,それぞれのファイルを書き終えたら,上の
image.png
から,最後に作成した実行構成を選択した状態で 実行 ボタンを押すことによって,全自動でコンパイルが回ります.
image.png

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