タイピングちょっと早い、でもガチ勢には遠く及ばない
布川シーランド公爵です。
公爵は、タイピング、得意。
まあまあハヤイ。
なぜならオタクだからである。
まあべつにオタクだからってタイピングハヤイとは限らないが、スマホとかタブレットとかないくらいの、PCのほうが一人一台あったくらいのころの生まれで、キーボードとは切っても切り離せないのである。
学生時代に打ち込んだもの? キーボードです。
ホームポジションは把握しているし、普段使わない記号でなければ、ブラインドタッチも大体できる。数字とかだとちょっと自信なくて一瞬チラ見するけどね。ちなみにブラインドタッチができるようになると議事録とってるあいだとかによそ見できていい。
ブラインドタッチは、一輪車に乗れるか乗れないかみたいなもので、特に事情がなければ別に頭がよくないとできないってことはないはず。
ちょっとライトな感じのタイピングソフトだと、一番上のレベルでも物足りなかったりする。
しょっちゅうキーボードをタカタカターンしている仕事ではあるが、これはオタクだからなので、入社した時から早かった。
別にタイピングは早くなくてもまあまあできたらいいし、常に最高速度を出せば良いわけではないが、できるにこしたことはない。報告書を書くときなんかに一本指で打つわけにもいかない。まあ、役には立っている。
新入社員のころは課題として寿司打を課せられそうになったのだが、免除された。思えば給料をもらいながら寿司打で遊びほうけるチャンスだったのでたどたどしいふりをしておけばよかったと今でも悔やんでいる……。
もちろん、上には上がいる
ガチ勢のところにいくと全く、ぜんっぜん、これくらいは、お話にもならない。
例えばWeather Typingなんかに行くともれなく惨敗し、ぼこぼこにされ、ストリートに沈み、路頭に迷う。どうせチートを使っているんだろう? いや、絶対違う。打ち込み方が人そのものだし、しかしできる限り早く動かしているはずのこちらよりも異様に早い。
世の中にはそういう世界がある。
競技タイピング、という世界が……。
もはやこのへんは仕事でどうとかではない。
より早く、より早く、ただ、より早くキーボードを打つために練習を重ねている人間がいるのだ。
もっと速いタイピングへの道
初心者の頃はもはや遠い記憶になるが、おそらくまず一本指で打ちはじめ、場合によってはかな入力のほうに行き(極めれば、1文字1打で済むので、早いっちゃ早い。競技タイピングでは部門も別になっていることが多い)、ホームポジションを覚えるだろう。左手の人差し指をFに、右手の人差し指をJに乗せ、打ったら戻ってくる……。
これはその先の話である。
普通のタイピングが本編クリアなら、こっから先のやつはシレンの100階ダンジョンみたいなものだ。別にやんなくていい。
ちょっと高くなっている鼻をへし折られ、Weather Typingの土を集めて逃げ帰った公爵は一体奴らはどんな卑怯な手を使っているのかと手引きを探した。
べつに競技タイピングをしたいわけではなかったが、秘密が気になった。ありえないくらい早いのだ。やたら、「あかまきがみあおまきがみきまきがみ」みたいな、打ちにくい文字列をスラスラすらすら打つのである。不規則に。絶対にずるではなさそうなゆらぎをもって。
超上級者への道 タイピング練習広場を参考にしてみると、より早いタイピングのためのコツが紹介されている。
一つ引用してみよう。
最適化その4「か」「く」「こ」
これはタイパー上級者では一般的すぎる内容かも知れません。
通常入力:K(右中)、A(左小)
最適化後:C(左中)、A(左小)
「か」「く」「こ」を「KA」「KU」「KO」ではなく「CA」「CU」「CO」で入力するというやり方です。使えるポイントとしては「K」を入力する前後に「I」などの右中が埋まっている場合に応用できます。例えば「ぴかぴか」を「PICAPICA」と入力したり、「よろしく」を「YOROSICU」と入力したりです。他にも色々な単語や文章に応用できるので打ちにくいなと思ったら「CA」「KU」「KO」を試してみてください。
一体どういうことなの?
つまり、「ぴかぴか」という言葉の場合は「K」でやると「PI」を打った後も右手の中指をKにおろさなくてはならない。それが大変なので、そういうときは空いている左手でCを打つというようなことが書いてある。
ローマ字入力の仕方は複数ある。たいていの人はどっちか、自分の癖みたいなもので打ちやすいほうを選ぶと思われるが、タイパー(競技プログラミングをする人)はどっちもやる。その時その時で打てるほうを選ぶということだ。
これを聞いたとき私は本当に笑ってしまった。もう、文字を打つのが手段ではない。文字を速く打つのが目的なのだ。
「SI」で打つか、「SHI」で打つか、速ければいいなら「SI」で打つだろう。競技ルール上、スコアのために、あるいは正確性を上げるために文字数を稼いだほうが打ちやすいなら「SHI」で打つだろう。
(なので、タイピングソフトの設定で、別の入力に対応してなくて、どう打つか一括で決められるものは不都合がある。どっちでも打つ可能性がある。)
ちょっとあこがれたので、打ち方を少し変えてみた
ホームポジションであると右手の親指というのはどうするか?
まあ、スペースを押したりするくらいである。ふつうは。ふつうはね。
一般向けの解説ではそうなっていることが多いと思う。
動かしにくい親指の役割は、1つだけ。
ホームポジションに構えたときに指を置いたスペースキーを打つことです。
タッチタイピングで親指はどう使えばよいのか正しい方法を解説しますより引用。
しかし、タイパーは一味違う。親指にも役割を持たせる(人もいる)。
ここで、miriさんを参考に、あえて右手の親指もタイピングに参戦させてみる。NとMを右手の親指に任せるのだ。
たとえば、「赤巻紙青巻紙黄巻紙」のとき。右手の親指をMに置き、人差し指をKに置き、中指をIに置く。このまま「あかまきがみあおまきがみきまきがみ」を打ってみる……しばらくはこんがらがるが、ちゃんと練習するとものすごい速さで打てるようになる。
これだ。異様に早い理由とはこれだ。
これは「赤巻紙青巻紙黄巻紙」と唱えたいときのポジションであり、この文字列ではjを使わないからこそ、できることである。
打ちたい文字列の構成で指の位置を決めるのだ。
まるで、競技かるたのような戦略や、美しさがある。
たとえば「ふわふわ」と打つときに右手が忙しいので、左手の人差し指をHまで伸ばしてHUWAHUWAを入力する……右手はUを打つだけ……どうだろうか? 右手の人差し指はいそがしいので左手が助けてやるというのは?
うん、なかなか楽しい……。
それぞれの最適化を見つけることで、日常はちょっと楽しくなる。
そこまでしなくてもいいんだけど、やってみると頭の体操みたいでちょっと楽しい。
超上級者への道 タイピング練習広場には「いわんとすることはわかるがどうしてそこまで」というようなテクニックが紹介されていて、本当に面白い。RTAのグリッチのようである。
流れ打ちを極める
流れ打ちとは「ほぼ同時押しのように」入力することです。
一文字一文字区切るのではなくて、流れるように同時押しを意識することで早く入力することができます。
流れ打ちその1「OKU」
即答(そくとう)や、家屋(かおく)、徳島(とくしま)など「OKU」の配列になった単語を入力する場合に「O、KU」とOの後に一息入れてしまいがちです。流れ打ちを意識する場合は「OKU」をほぼ同時押しするイメージで入力してみてください。ダララッっという感じです。そう入力することで速度は上がります
たとえば報告書の文章とか、取扱説明書とか、READMEとか、必要な文章を打つことくらいはお仕事中でもやってさしつかえないので、公爵のおすすめの息抜きである。ちまちま最適化をするんである。