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シャノンの悪魔

Last updated at Posted at 2021-03-26

1 この記事は

「シャノンの悪魔」の投資方法について説明します。

2 内容

2-1 簡単な例をあげてみます

「シャノンの悪魔」というポートフォリオ理論があります。一言でいうと、株式評価額と現金を常に1:1に保つ(リバランス)するように、株式を売ったり買ったりする手法とのこと。

例えば、下記の図1のように、
・2021/3/25に株価1000円の株を5000円保有し、現金を5000円保有します。
・次の日、2021/3/26終値にて株価が2000円になったので株式評価額は10000円、現金は5000円となります。そこで株式評価額と現金をリバランス(1:1)にするために、株式を2500円売却すると、株式評価額と現金は双方とも7500円になります。
・次の日、2021/3/27終値にて株価が1000円になったので、株式評価額は3750円、現金は7500円になります。そこで株式評価額と現金をリバランス(1:1)するために株式を1875円分購入すると、株式評価額と現金は双方とも5625円となります。
・2021/3/25では、株価1000円に対して株式評価額+現金=10000円でした。2021/3/27においては、株価1000円(3/25と同じ)に対し株式評価額+現金=11250円になっています。
・2021/3/25~2021/3/27において株式を持たず現金のみ保有(なにもしない)の場合に比べ株式評価額+現金は1250円増えています。
・これがシャノンの悪魔という投資方法です。

もちろん、株式は端数(1.5株など)では購入できまでんし、売買手数料もかかるので実際は紹介した例よりは複雑になりますが、説明を簡単にするため、株式を端数で購入できたり、手数料はかからないようにしています。

(図1)シャノンの悪魔投資の具体例
image.png

2-2 一般化してみると

2-1では具体的な数値を用いて説明してみましたが、ここでは一般的に説明しています。
基準日を2021/3/25とし、基準日にて株式評価額+現金=aとします。また、基準日の株価はsとし、保有株価は基準日からr0,r1,r2,・・の割合で変動するとします。この条件のもと上記(図1)の計算を一般的に記載したのが下記の図2となります。

(図2)シャノンの悪魔投資
image.png

上記の(図2)の計算結果より、基準日からn日後の株式評価額+現金=Pnは下記(1)で記載できることが分かります。

\begin{align}
P_{n} &= \frac{a}{2^n}\prod_{i=0}^{n-1}(r_{i}+1)  \tag{1}   \\
\end{align}

よって、基準日からn日後の株式評価額+現金=Pnが、基準日の「株式評価額+現金」を超えているための条件は、下記(2)で記載することができる。

\begin{align}
P_{n} &= \frac{a}{2^n}\prod_{i=0}^{n-1}(r_{i}+1)>a     \\
\end{align}

つまり、

\begin{align}
\prod_{i=0}^{n-1}(r_{i}+1)>2^{n}   \tag{2}  \\
\end{align}

である。

言い換えると、シャノンの悪魔の投資手法によって、利益が出せる条件は、(2)の数式を満足するときであることが分かる。

シャノンの悪魔の投資手法は、定額配分ポートフォリオ戦略の一種ということなんだろうと思う。

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