BRICKの定義
Building関連の統一メタデータのスキーマ
建物内の物理的、論理的な資産の意味モデル。それらをEntityで表現し、Entity間のRelationshipなども含めて標準化するオープンソース。
動機
Buildingデータを管理することは以下の3つの理由から非常に困難である。
①個々のBuildingデータは、プロジェクトを担当したエンジニアによって設計が異なり、それに依存しているためである。
②Buildindシステムは長期間動き続け、建物自体の用途が変わるたびにシステムも変更する必要がある。
③Buildingデータの種類が建物ごとに異なり、異なるシステムとアプリがサイロでできてしまう。
BRICKとは
BRICKスキーマはセマンティックWeb分野で発達した。
※セマンティックWeb=Webサイトが持つ意味をコンピュータに理解させて、人を介在させず、コンピュータ同士で処理を行わせる技術のこと。
RDFやOWL、オントロジー言語を用いて設計されていた。
OWLによって定義されたEntityとEntity間のRelationship(OWLによって定義された)によって柔軟に定義できるようにというコンセプトで作られた。
メリット
BRICKモデルによりビルディングシステムを構築することにより、エネルギー効率の測定やインテリジェント制御などを展開するコストを削減できる。
BRICKモデルにより、HVAC、照明、セキュリティなど近代的な建物の多数のサブシステムについて、複数のベンダーも考慮したモデルを表現することができる
BRICKは、スマートビルディングの分析および制御アプリケーションの開発を簡素化する。
BRICKのセマンティックWeb(RDF)基盤は、スキーマとデータの両方に対してクエリ呼び出しが可能で、標準のRDF/OWLツールやSPARRQLなども利用し、相互運用性の向上が見込める。
モデルの構造
Equipment、Point、Location、Resourceの4つに大別される。
上の図のような関係性でEntityとEntity間のRelationshipが成り立つ。
Equipment
建物内の設備を表す。
HVACやそれらを構成するものなど。
POINT
制御するものやセンサーを表す。
LOCATION
フロアー、部屋などの場所を特定するもの。
ノード
- ビルディングの設備
- サブシステム
エッジ=Relationship
- 場所
- 制御
- 関連性
だったりする。