今年、長野県松本市で開催されたRubyKaigi 2023に参加しました。初めての現地参加でどのように感じたのかを書き記します。
参加前に感じていたこと
昨年のRubyKaigi 2022はオンライン参加でした。2023年は可能であればオフライン参加するつもりでしたが、その時の状況次第ではオンライン参加も考えていました。結局、開催の2週間前までオンライン参加の姿勢だったのですが、Shibuya.rb RubyKaigi 2023 前夜祭 @GMO Yours・フクラスへの参加と、所属しているGMOペパボ株式会社の仲間の後押しを受けて現地参加に切り替えることにしました。
参加後に感じたこと
現地参加してみて感じたことはいくつかあるのですが、「RubyKaigiはいいぞ。現地参加なら尚のこと最高だぞ」という内容です。
現地参加最高!!
オンライン参加の映像越しでは感じられない熱量や雰囲気を感じることができて楽しかったです。会場入りするまでのドキドキ感や、会期中のお祭りのような雰囲気はとても満足感がありました。
様々な発表を聴いて「すごい!(全く理解できない)」ってなったり、スポンサーブースを楽しませていただいたり、ノベルティをたくさんいただいたりしました。いま、僕の後ろにはQiitanとTimeeさんのマスコットキャラクター(名前はまだないそうです)が仲良さげに鎮座しています。
やっぱり発表の内容は難しい
昨年も感じたのですが、 RubyKaigiのトークの内容は難しいです。日本語の発表ですら技術的なレベルの高さから途中でわからなくなってしまうのに、それに加えて英語の発表となると90%は聞き取れなかったり理解できなかったりして(最終日は英語に耳が慣れたのか、85%聞き取れないぐらいになりましたが…)、「なんかすごかった」で終わってしまうのでした。
可能ならば、トークの内容を理解したり疑問を持ったりして、スピーカーに質問してみたり、発表以外の交流の場でトークについて談義できたらより楽しめるのだろうと思いますが、いまの自分には難しいのでいつかできるようになれれば…と思います。
発表の内容を理解できなくても、トピックについて興味を持つことはできます。いくつかトークを聴いた中で、最も印象に残っているのは「Revisiting TypeProf - IDE support as a primary feature」というトークでした。「TypeProfをもっと高速に、しかもIDE上で動かしてコメントとして型注釈を書けるようにする」という内容でした。デモンストレーションを見て、とても便利そうで使ってみたい!と感じました。ですがそもそも、RBSによる静的型解析を使用したことがないので、まずは使うところから始めてみます。
多分このトークを聞かなければ「Rubyで型は…いつかやろうかな」ぐらいの気持ちだったと思うので、興味を持てるトピックが見つかって嬉しいです。
普段話すことがないような方と交流してみる
懇親会やランチのタイミングを生かして、他の企業の方と交流することができました。どんなプロダクトに関わっているのか、プロダクト開発でどのような悩みを抱えているのか、どのようにしてプログラミングと出会ったのか、どんな技術に興味があるのか、などいろいろとお話しました。話してみると共通の話題や悩みがあったりして、話が盛り上がって楽しかったです。
また、久しぶりにお会いする方やTwitter上でしか知らない方と直接お話しすることもできました。実際にお会いして、「その人が存在する」ということを感じるのはやっぱりオフラインならではの魅力だと思います。
Matzさんに感謝を伝える・写真を撮ってもらう
今の自分が仕事に取り組んで生活できるのは間違いなくRubyがあるからです。そのことをRubyの作者であるMatzさんに直接伝えたいという目標がありました。
「会場では『やせいのMatz』が歩いてるから声をかけて写真を撮ってもらおう」という話題を何度か耳にしていました。「やせい」というワードや、なかなか出会えないレアさから某ポケットに入るモンスターみたいだなと感じてました。
そして最終日、「午前でMatzが帰るらしい」という噂を耳にしました。ブースエリアで探していると、たまたま他の方との会話を終えたMatzさんがいらっしゃったので声をかけました!
nissyi 「Matzさん、お忙しいところ失礼します!写真を撮ってもらってもいいでしょうか!!」
Matz 「おぉ、いいですよ」
nissyi 「Ruby のおかげで仕事も生活もできています。本当にありがとうございます」
Matz 「それはよかったです」
伝えたいことと緊張で頭がいっぱいになっていましたが、とりあえず伝えたいことは伝えられました。
写真を撮っていただいた後にまた話しかけることになったのですが、僕の名札を見たMatzさんが「お、nissyiさん」と気づいてくれました。そのときになって、自己紹介をし忘れていたことに気づきました。
Rubyについて知りたくなる・貢献したくなる
Rubyのことをもっと知っていればトークの内容について理解が進んだり、様々な交流のタイミングでRubyについて話すことができるようになったりしてもっとRubyを楽しむことができるだろうな、と感じました。改めて理解が浅いところの学習に取り組んだり、今まで読んでいなかった難易度が高い本に取り組んだりしてRubyへの理解をもっと深めていきたいです。
また、Rubyに対して何らかの貢献をしたいという気持ちが強まりました。Matzさんはもちろんのこと、RubyのCommiter、gemの作者や本の著者の方など様々なRubyistにお会いしました。Ruby(Rubyコミュニティ)は多くの人々が支えていることを実感し、Rubyを使うだけではなく、作る側・盛り上げる側の活動に取り組んでみたいと思いました。
オフラインイベントへの参加意欲が湧く
RubyKaigiへの参加が本当に楽しかったので、地域.rbや技術系のイベントにオフライン参加したい気持ちが強まったので行動しました。
RubyKaigi2023 スポンサー振り返り会!エンジニアが語る運営秘話
- スポンサーがどのようなことを意識しているのか知ってみたい。
- Kaigi on Railsの運営に参加しているので、何か参考にできるようなことがあったら嬉しい。
- RubyKaigiでお話しできなかった方と交流できそう。
Qiitanのぬいぐるみをもらうための条件の一つだった。
などの理由から参加しました。
(会場撮影の許可をいただいて撮影しました。)
スポンサーブースを出展するまでに大変だったことや必要なことなどについてお話を聞けました。少しでも会社のことを知ってもらうためにさまざまな努力を積み重ねていらっしゃることがとても印象に残りました。
mitaka.rb
東京都三鷹市に住んでいるので、開催会場が近いmitaka.rbに参加しました。
Shibuya.rbには半年ほど前から参加しているのですが、それ以外に参加するのは初めてでした。ゆったりとした雰囲気でペアプロできたり、終わった後の交流会でいろいろお話を聞けたのが楽しかったで次回も参加したいです
技術書典
以前から名前を聞いたことはあったものの、参加したことがありませんでした。(Tweetのハッシュタグが間違っていたことに後から気づきました…)
会場にはたくさんのブースが並んでいて、著者の方に直接お礼を言いながら本を購入させていただく最高な体験ができました。そして、たくさんの同人誌を眺めながら、それぞれに「著者の好きという気持ちが詰まっている」ことを感じました。普通の書店では見かけないような表紙・内容のものがたくさんあり、それを書いた人がその場にいて、そこで想いを伝えられるのはこれもやはりオフラインだからこそだと感じました。
最後に
冒頭でも書いた通り、最初はオンライン参加するつもりでした。ですがオフライン参加することでとても楽しい3日間を過ごせました。RubyKaigiの運営やスポンサーをされた皆さん、RubyKaigiに関わったすべてのRubyist、そして現地参加のサポートをしてくださったGMOペパボの皆さん、本当にありがとうございました!