1.集合とは
物の集まりのことである。
数学的に記載すると
$$ S = \left\{ a,b,c,d,e,f,g \right\} $$
と表す。
上記は、「Sという集合はa~gまでの要素でできている」と表されている。
また、その他に「aはSの中に含まれている」といった事を表す式がある。
$$ a \in S $$
この式は反転させても問題なく、
$$ S \ni a $$
という書き方であれば同じ意味である。
集合の中にある「要素」というのは明確に区別することができる。
もし、この集合Sの中に違う集合Mがあった場合、以下のように表すことができる。
$$ M \subset S $$
さらに、集合に含まれるor含まれないということも明確に区別ができ、以下で表される。
$$ h \notin S $$
確率・統計に登場する「事象」は「集合」として取り扱うことができる。
ある、集合AとBが存在した時、「AまたはBに含まれている」状態の事を「和集合」という。
さらに、「集合Aと集合Bのどちらにも含まれている」状態の事を「共通部分」という。
数式で表すと以下になる。
・和集合
$$ A \cup B $$
・共通部分
$$ A \cap B $$
和集合と、共通部分とは別に、
「全ての事象の中で集合A以外の全て」の状態を「絶対補」と呼ばれたり、
「集合Aと集合Bの中で集合Aを除いた」状態を「相対補」と呼ばれている。
・絶対補
$$ U \setminus A = \overline{A} $$
・相対補
$$ B \setminus A $$
と表したりする。
2.確率
確率の考え方には2つの考え方が存在する。
1.頻度確率(客観確率)
・発生する頻度
例:「10本のうち一本だけ当たりのクジを引いて当選する確率は10%である」という事実
2.ベイズ確率(主観確率)
・信念の度合い
例:「あなたは40%の確率でインフルエンザです」という診断
P(A) = \frac{n(A)}{n(U)} = \frac{事象Aが起こる数}{全ての事象の数}
・ある事象Bが与えられた上で、Aとなる確率
例:雨が降っている条件下で交通事故に遭う確率
\begin{eqnarray}
P(A|B) = \frac{P(A \cap B)}{P(B)} \\
= \frac{n(A \cap B)}{n(B)}
\end{eqnarray}
・お互いの発生には因果関係のない事象Aと事象Bが同時に発生する確率
P(A \cap B) = P(A)P(B|A) = P(A)P(B)
P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)
和集合は単に、P(A) + P(B)するだけでは、事象Aと事象Bが重なっている部分が二重に
数えられてしまうので、最後に、$ P(A \cap B) $を除いてあげる必要がある。
もし仮に、事象Aと事象Bが重なることがなければ、単純に、P(A) + P(B)で良い。
例題:ある街の子供たちは毎日1/4の確率で飴玉をもらうことができ、
飴玉をもらうと1/2の確率で笑顔になるという。
その街の、笑顔な子供が飴玉をもらっている確率を求めよ。
(ただし、この街の子供達が笑顔でいる確率は1/3である。)
考え方:一般的に事象Aと事象Bに対して・・・
P(A)P(B|A) = P(B)P(A|B)
と考えることができる。
内容を整理すると
$P(飴玉) = \frac{1}{4} $ $P(笑顔|飴玉) = \frac{1}{2}$ $P(飴玉) = \frac{1}{3} $
このように内容を整理すると、以下のことが導き出される。
\begin{eqnarray}
P(笑顔|飴玉) × P(飴玉)= P(笑顔 \cap 飴玉) \\
\\
P(笑顔、飴玉)= P(飴玉、笑顔) \\
\\
P(飴玉 \cap 笑顔) = P(飴玉|笑顔) × P(笑顔)
\end{eqnarray}
整理した内容に実際の数字を入れると・・・
\frac{1}{2} × \frac{1}{4} = \frac{1}{8} \\
\\
\frac{1}{8} = P(飴玉|笑顔) × \frac{1}{3}
\\
P(飴玉|笑顔) = \frac{3}{8}
となる。