#インシデントの意味と定義、アクシデントとの違いとは?
####インシデントとは「事件(ミス)」アクシデントとは「事故」です。
事件(ミス)があったが事故に至らなかった場合がインシデントであり、事件(ミス)が事故に至った場合がアクシデントということです。また、重大インシデントとは国が認定するもので、主に旅客機や鉄道など多くの人々の健康や生命に甚大な損害を与えかねない事象のことです。最近では機体や列車の損傷や故障等によって大事故に繋がる可能性のあった事象や状態をさす場合が多くなっています。
医療機関の場合には、ミスをしたけど患者に影響は無かった場合をインシデントといいます。医療現場では「ヒヤリハット」とも呼ばれています。ただ本来インシデントとヒヤリハットは同義ではありません。
##インシデントとアクシデントの例
インシデントとは何かについて看護師の業務を例に解説します。
####インシデントの例
看護師が間違った薬剤を患者に投与しようとしたが、同僚の看護師がミスに気づき指摘したので、間違った薬剤を投与しなかった。この場合はインシデントとなります。
####アクシデントの例
看護師が主治医の指示を誤認して、誤った薬剤の投与を行った。それによって、患者の容体が悪化した。この場合はアクシデントになります。
##最後に
インシデントとアクシデントの境界は曖昧であり、本来の意味である「事件(ミス)」と「事故」との境界ともズレがあります。
そのため、医療機関ごとにインシデントとアクシデントの境界に対して線引きを行い、何をインシデントとして取り扱うのか、何をアクシデントとして扱うのかを組織の中で話し合っておくことが大切です。