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応用情報午後_文系職(事務)の私が応用情報に合格した

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文系職(事務)の私が応用情報に合格した際の午後対策について、まとめようと思います。

1. なぜ午後試験は難しいのか? ~概要と乗り越えるべき壁~

応用情報技術者試験(AP)の午前試験を突破した先に待っているのが、午後の記述式試験です。単なる知識だけでなく、読解力、応用力、そして記述力が求められ、多くの受験者が苦戦するポイントでもあります。

ここでは、午後試験の特徴と、多くの受験生を悩ませる「難しさ」の本質について解説します。

午後試験の概要

応用情報の午後試験は、午前試験とは大きく異なります。

  • 形式: 記述式(一部、選択肢問題もあり)
  • 時間: 150分
  • 出題/解答: 11問の中から5問を選択して解答(問1 情報セキュリティは必須)
  • 特徴:
    • 長文の問題文を読み解く必要がある
    • 単なる暗記ではなく、知識を応用して解答を記述する必要がある
    • 時間配分がシビア

まさに「時間との戦い」であり、付け焼き刃の知識では太刀打ちできない難しさがあります。

合否を分ける「運」の要素とリスク

得意分野を徹底的に対策しても、本番で「こんな問題が出るなんて…」と頭を抱えることは少なくありません。これが、特定分野だけに絞って対策することの大きなリスクです。試験の難易度や出題傾向には、ある種の「運」も絡んでくるのです。

  • 出題の具体例:データベース(令和6年秋)
    例えば、データベース分野はE-R図およびSQLを勉強すればそれなりに点が取りやすい回が多い印象です。ただ、令和6年秋のデータベース(問5)のように、難しい問題も出題されるときもあります。

    設問
    本文中の下線①について,B-treeインデックスの特性として適切なものを解答群の中から三つ選び,記号で答えよ。
    
    解答群
    ア. インデックスを設定した各列に対する条件をAND演算子で組み合わせた検索は高速化できるが,NOT演算子を用いた条件による検索は高速化できない。
    イ. インデックスを設定した列に対して演算や型変換を行った上で検索条件に指定した場合,検索を高速化できる。
    ウ. インデックスを設定した列に含まれる値の分布に偏りがない場合,検素性能が安定する。
    エ. カーディナリティが低い列にインデックスを設定すると,検索を高速化できる。
    オ. 行数nの表において,特定の行を検索するときの計算量はO(log n)である。
    カ. 行数nの表において,特定の行を挿入するときの計算量はO(n)である。
    

    これは選択肢問題ですが、「B-treeインデックスとは何か」「どのような特性を持つのか」「計算量はどうなるのか」といったデータベースの内部的な仕組みに関する深い知識がなければ、自信を持って正解を選ぶことは難しいです。また、同じ年のデータベース分野では以下のようなSQLを記述させる問題も出題されました。

    【設問3(2)】解答例
    e:WITH RECURSIVE
    h:LIKE '%' || :キーワード || '%'
    

    再帰的な問い合わせを実現する WITH RECURSIVE 句や、変数を用いた LIKE 演算子の具体的な書き方を知らなければ、解答することはできません。

  • 「知らないと解けない」問題への備え
    これらの例から分かるように、午後試験では、選択した分野に関する専門的な知識や、具体的な技術・構文の知識が直接問われます。
    もちろん、得意な分野を複数選択し、それぞれ深く対策しておくのが基本戦略です。しかし、

    • たまたま自分の知識が手薄な箇所がピンポイントで出題される
    • これまであまり見かけなかった新しい構文や技術が問われる
      といった可能性も多分にあります。私も過去問演習をしていて、「この年のこの問題は、自分には厳しかったな…」と感じる回がありました。(たとえば、令和6年秋でいえば、問7組み込みシステム開発も難しかったです。)

    したがって、特定の大問(科目)だけに絞って対策するのはリスクが高いと言えます。最低でも4科目+α(予備)を準備しつつも、最後は 「自分にとって解きやすい問題が出題されるか」という「運」の要素 も絡んでくるのが、午後試験の現実的な側面かもしれません。

2. 合格への最重要戦略は「科目選択」にあり

この「運」の要素を乗り越え、合格の確率を上げるための最も重要な戦略が**「科目選択」**です。

自分に合った科目を選ぶ重要性

応用情報技術者試験の午後試験では、必須の情報セキュリティを除き、以下の10科目の中から4科目を選択して解答します。

どの科目を学習し、試験本番でどの4科目を選択するかが、最終的な合否に極めて大きな影響を与えます。 自身の得意分野や知識の深さに合わせ、かつ、当日の問題との相性も考慮して最適な4科目を選べるように、少し多めに科目を準備しておくことが有効な戦略となり得ます。

私の科目選択と学習の優先順位

私の場合は、すべての科目についていくつかの問題を解き、概要を把握したうえで、本番で選択する科目として、以下の大問を選択することに決めました。

選択可能分野 筆者の対策状況
経営戦略 対策せず
プログラミング 対策(予備)
システムアーキテクチャ 対策(メイン候補)
ネットワーク 対策(メイン候補)
データベース 対策(メイン候補)
組み込みシステム開発 対策(メイン候補)
情報システム開発 対策せず
プロジェクトマネジメント 対策せず
サービスマネジメント 対策せず
システム監査 対策せず

(表の補足)

  • 「メイン候補」とした科目を軸に学習を進め、「予備」のプログラミングは、他の科目の出来が悪かった場合や、問題の相性が特に良かった場合に選択することを想定して対策しました。

【参考】私の午後過去問演習量

私が最終的にこなした過去問の量は、だいたい以下の通りと記憶しています。

分野 筆者の対策状況
情報セキュリティ 直近 4~5回分
プログラミング 直近 1回分
システムアーキテクチャ 直近 5回分
ネットワーク 直近 20回分
データベース 直近 10回分
組み込みシステム開発 直近 3回分

3.【科目別】午後対策:学習のポイントとおすすめ教材

以下に、必須科目である情報セキュリティをはじめ、各大問について、教材や対策、所感をまとめます。私が選択しなかったものは過去問を解いた感想等を記載しています。なお、午後問題の選択においては、下記の城田先生のコメントも大変参考になりました。

【必須】情報セキュリティ

全員解答必須のため、避けては通れません。対策して安定した得点源にすべき科目です。

特徴

  • 午前問題の知識がベースとなる部分が多い。
  • 学習の成果が比較的得点に反映されやすい。

おすすめ教材

対策のポイント

  • 記述出題歴のある用語の理解: 午後では具体的な用語の記述を求められることが多いです。以下の例のように、午前知識に加え、トレンドの用語(ゼロトラストなど)にもアンテナを張っておきましょう。
    記述例
    ゼロトラスト, URLフィルタリング, 多要素認証, WAF, ゼロデイ攻撃, SIEM, クリアスクリーン, DNSキャッシュポイズニング, ディジタルフォレンジックス, ブルートフォース攻撃, パスワードリスト攻撃, SQLインジェクション, 踏み台攻撃, TLS
    
  • 用語集の活用: 主要な攻撃手法やセキュリティ対策の仕組みを理解し、説明できるようにしておくことが重要です。以下の表も参考にしてください。
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━
       サイバー攻撃・セキュリティ関連用語集
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    | 用語 | 説明 | | :------------------------- | :--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- | | **SEOポイズニング** | 検索エンジンのアルゴリズムを悪用し、検索結果上位に不正サイトを表示させ誘導する攻撃。(SEO自体は、検索結果で上位表示させる試み) | | **クリックジャッキング** | Webページに見えないボタンや無害に見えるボタンを配置し、クリックさせて不正サイト誘導や不正操作を行う。 | | **クロスサイトスクリプティング (XSS)** | 罠サイトから脆弱な別サイトへ誘導(クロス)し、悪意ある命令(スクリプト)を訪問者のブラウザで実行させる。 | | **バックドア** | 本来禁止されているアクセス(侵入)を可能にするための仕掛け。 | | **ポートスキャン** | サーバの開いている通信ポートを順に調べ、侵入可能な脆弱なポートを探す。ログを残さないものはステルススキャンという。 | | **セッションハイジャック** | ログイン中の利用者のセッションIDなどを不正取得し、その利用者になりすましてアクセスする。 | | **フィッシング** | メール等で偽サイト(銀行やカード会社を装う)へ誘導し、個人情報を盗み取る。 | | **標的型攻撃** | 特定の組織や個人を狙う攻撃。持続的で高度なものはAPT (Advanced Persistent Threats) と呼ばれる。 | | **水飲み場型攻撃** | 標的がよく利用するWebサイトに罠を仕掛け、アクセス時に攻撃コードを実行させる(標的型攻撃の一種)。 | | **踏み台攻撃** | セキュリティの甘いサイトを経由(踏み台)して、目的のサイトを間接的に攻撃する (DNS amp攻撃など)。 | | **ゼロデイ攻撃** | ソフトウェアの脆弱性に対する修正パッチ提供前に、その脆弱性を利用する攻撃。 | | **MITB攻撃 (Man-in-the-Browser)** | マルウェアでWebブラウザ通信を監視・改ざんする。例:ネットバンキングの振込先改ざん。 | | **中間者攻撃 (MitM)** | 通信当事者の間に割り込み、通信内容を盗聴・改ざんする攻撃。 | | **EDoS攻撃 (Economic Denial of Sustainability)** | クラウドサービス等でリソースを大量消費させ、利用者に経済的損害を与えることを目的とする攻撃。 | | **ブルートフォース攻撃 (総当たり攻撃)** | 考えられる全ての文字の組み合わせ(パスワードや鍵など)を試して解読する。 | | **辞書攻撃** | 辞書にある単語を片っ端から試してパスワードを割り出す。(パスワードクラックの一種) | | **パスワードリスト攻撃** | 別途入手したID/パスワードのリストを使い、他のサービスへの不正ログインを試みる。(パスワード使い回しを悪用) | | **レインボーテーブル攻撃** | パスワードのハッシュ値から元のパスワードを効率的に見つけるため、事前計算したハッシュ値のテーブル(レインボーテーブル)を使う。 | | **ソーシャルエンジニアリング** | 技術を使わず、人の心理的な隙やミスを利用して情報を不正入手する手法の総称。(例:なりすまし、ショルダーサーフィン、スキャベンジング) | | **標的型攻撃メール** | 特定組織に送られる、情報窃取目的のウイルス付きメール等。受信者を騙すための巧妙な件名や本文が使われる。(ソーシャルエンジニアリング利用) | | **サイドチャネル攻撃** | 暗号装置の物理的特性(処理時間、消費電力、電磁波等)から機密情報を得る攻撃。(例:タイミング攻撃) | | **ディジタルフォレンジックス** | コンピュータ犯罪の法的証拠を保全するため、情報を収集・分析・保全する技術やプロセス。 |

【選択】システムアーキテクチャ

特徴と出題傾向

  • テーマ: クラウド(IaaS, PaaS, SaaS)環境を前提としたシステム構成、性能設計、信頼性設計、オンプレミスからの移行などが頻出です。古い過去問だと稼働率に関わる問題が多く、今と出題傾向が異なるので注意が必要です。

対策のポイント

  • 午前知識の活用: 午前試験で学ぶクラウド、サーバ、ストレージ、ネットワーク、性能指標(スループット、レスポンスタイム、可用性など)の知識がそのまま基礎となります。
  • 構成図の読解練習: どこに注目すべきか、要素間の関連性(データフロー、ボトルネックとなりうる箇所など)を素早く把握する練習が必要です。
  • 計算問題への備え: 性能計算(例: ディスク容量、ネットワーク帯域、CPU使用率、応答時間)などが出題されることがあります。問題文や図から計算に必要な数値を正確に抜き出す練習が重要です。

所感

  • 私自身は、午前対策で得た知識をベースとし、午後向けに特化した新たな知識のインプットは行いませんでした。過去問を解く中でどのようなことが問われるかを把握していきました。

【選択】ネットワーク

特徴と出題傾向

  • 範囲の広さ: TCP/IPの基礎から、ルーティング、DNS、各種プロトコル、ネットワークセキュリティ、無線LAN、ネットワーク設計・運用まで、非常に広範囲です。
  • 実践的な内容: 実際のネットワーク構成図やトラブルシューティング事例を基にした問題が多く、実務に近い知識が問われます。
  • 得点源の可能性: 学習範囲は広いですが、基本的な仕組みや頻出パターンを理解すれば、安定した得点源にしやすい科目だと感じました。

おすすめ教材

  • NWW【ネットワークエンジニア】 様: YouTubeチャンネル。ネットワーク技術について、実践的かつ分かりやすい解説動画が豊富です。午前知識でネットワークに関する知識を固めたうえで視聴するのをオススメします。
    https://www.youtube.com/@nww2661

対策のポイント

  • 基礎固め: TCP/IPの階層モデル、各プロトコルの役割(HTTP, SMTP, POP3, DNS, DHCPなど)、サブネットマスク、ルーティングの仕組みなどを確実に理解しましょう。
  • 記述で出題されたもの: 以下の用語は記述問題として出題されたことがあります。わからない知識は勉強しておくとよいでしょう。
    記述例
    ゾーン, TTL, ワンタイムパスワード, PoE, タグVLAN, DNSラウンドロビン, DHCPリレーエージェント, MQTT, TCP/443, ブロードキャスト
    
  • 選択肢対策: 選択肢問題では、さらに広範な知識が問われます。以下の単語を理解している必要があります。
    選択肢対策
    *   アーキテクチャ・性能: コネクション数, スケーラビリティ, スループット, プロビジョニング, ポート数
    *   セキュリティ・ネットワーク機器: IDS/IPS, NAS, WAF, ファイアウォール, ロードバランサ(負荷分散装置), プロキシサーバ
    *   プロトコル・認証: FTP, SSH, Telnet, SMTP(25/587), POP3(110), IMAP4(143), DNS(53), DHCP, NTP, SNMP, HTTP(80), HTTPS(443), TLS/SSL, IPSec, LDAP, Kerberos, RADIUS, Diameter, TCP, UDP, ICMP
    *   TCP/IP: 3ウェイハンドシェイク(SYN, SYN/ACK, ACK), FIN, シーケンス番号, ポート番号, ウィンドウサイズ
    *   無線LAN: IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax, 2.4GHz/5GHz帯, チャネルボンディング, MIMO, WEP, WPA/WPA2/WPA3 (PSK, EAP), IEEE 802.1X
    *   ルーティング・アドレッシング: スタティック/ダイナミックルーティング(RIP, OSPF, BGP), デフォルトゲートウェイ, PPPoE, IPマスカレード(NAPT), ARP, RARP, プロキシARP, ICMPリダイレクト, IPアドレス(グローバル/プライベート, IPv4/IPv6), MACアドレス, ドメイン名, ホスト名, サブネットマスク, CIDR
    *   ネットワークコマンド: ping, ipconfig/ifconfig, netstat, arp, nslookup/dig, tracert/traceroute, route/ip route
    *   その他: QoS, VLAN, VPN, SDN, NFV, セッションID
    

所感

  • ネットワークの午後問題は、実務に即しており、良問が多いという印象です。学習は大変ですが、得るものは大きいです。
  • その他の学習メリットとしては、
    • システムアーキテクチャ分野の理解も深まります。
    • 午前対策にも直結します(この対策により、私の場合は午前ネットワーク分野の追加対策はほぼ不要になりました)。
    • ITエンジニアでなくても、実務でITインフラ関連の話題を理解するのに役立ちます。

【選択】データベース

特徴と出題傾向

  • 主要知識: E-R図の読解、SQL(SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE)の読解と記述。
  • 周辺知識: トランザクション管理(ACID特性、排他制御)なども問われます。
  • パターン化: 回にもよりますが、問題の形式がある程度決まっているため、対策をすれば安定して得点しやすい分野と言えます。

おすすめ教材

  • Jun Nakano 様: 金沢工業大学の先生のYouTubeチャンネル(令和6年現在)。データベース関連の解説が分かりやすいです。特に相関副問合せが私のような初学者にとって勉強になりました。

対策のポイント

  • SQLのマスターは必須:

    • 頻出構文: JOIN (INNER, LEFT/RIGHT OUTER), WHERE, GROUP BY, HAVING, ORDER BY, 副問合せ、UNIONなどは完璧に理解し、書けるようにする。
    • 実行順序の意識: SQLが論理的にどの順序で処理されるかを理解すると、複雑なクエリも読み解きやすくなります (FROMWHEREGROUP BYHAVINGSELECTORDER BY の基本順序など)。
    • DML/DDL/DCL: SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE (DML) はもちろん、CREATE TABLE (DDL) や GRANT (DCL) なども基本を押さえる。
  • 読解力: 問題文中の要件定義や制約条件を正確に読み取り、それをSQLやE-R図に反映させる能力が求められます。

  • 手書き練習の徹底: SELECTSELCTWHEREWHER と書くようなケアレスミスを防ぐため、必ず 手書きでSQLを書く練習 も必要です。

  • 記述で求められるもの: 以下のSQL構文・キーワードは手書きで記載できる必要があります。下記の中で知らないものがあれば、勉強しておくとよいかと思います。

    データベース 記述例
    -- SELECT関連
    SELECT DISTINCT 1, 2, COUNT(*) FROM テーブル WHERE 条件 GROUP BY 1 HAVING 条件 ORDER BY 2 DESC;
    AS (別名定義), BETWEEN A AND B, IN (リスト), LIKE 'パターン', IS NULL, IS NOT NULL,
    CASE WHEN 条件 THEN  ELSE  END,
    
    -- JOIN
    INNER JOIN, LEFT OUTER JOIN, RIGHT OUTER JOIN, FULL OUTER JOIN ... ON 条件, USING(列名),
    -- 副問合せ
    (SELECT ...), EXISTS (SELECT ...), IN (SELECT ...),
    -- 関数
    COUNT(), SUM(), AVG(), MAX(), MIN(), SUBSTRING(), CAST(), COALESCE(),
    OVER(PARTITION BY  ORDER BY ) /*ウィンドウ関数*/, RANK(), DENSE_RANK(), ROW_NUMBER(),
    
    その他DML
    INSERT INTO テーブル (列リスト) VALUES (値リスト);
    INSERT INTO テーブル (列リスト) SELECT ...;
    UPDATE テーブル SET  =  WHERE 条件;
    DELETE FROM テーブル WHERE 条件;
    
    DDL
    CREATE TABLE テーブル名 ( 列名 データ型 制約, ... );
    ALTER TABLE テーブル名 ADD COLUMN 列名 データ型;
    DROP TABLE テーブル名;
    CREATE VIEW ビュー名 AS SELECT ...;
    CREATE INDEX インデックス名 ON テーブル名 (列名);
    
    その他
    -- データ型例
    INTEGER, DECIMAL(桁数, 小数点以下桁数), CHAR(n), VARCHAR(n), DATE, TIMESTAMP, BOOLEAN,
    -- 制約
    PRIMARY KEY, FOREIGN KEY REFERENCES 親テーブル(列名), UNIQUE, NOT NULL, DEFAULT , CHECK(条件),
    -- トランザクション制御
    COMMIT, ROLLBACK,
    -- アクセス制御
    GRANT 権限 ON オブジェクト TO ユーザ/ロール;
    REVOKE 権限 ON オブジェクト FROM ユーザ/ロール;
    -- その他
    UNION, INTERSECT, EXCEPT
    

所感とメリット

  • ネットワーク同様、午後の対策をしっかり行えば、午前のデータベース対策は非常に楽になります。
  • SQLは多くのシステム開発やデータ分析で使われる基本的なスキルであり、学習が無駄になりにくいです。
  • 出題パターンがある程度決まっているので、演習量をこなせば確実に得点力が向上すると感じました。

【選択】組み込みシステム開発

特徴と出題傾向

  • 計算問題: マイコンの処理周期、メモリ容量、通信速度などの計算問題が出題されることが多いです。
  • 図の読解: 状態遷移図やフローチャートを読み解き、システムの動作を理解する問題が中心です。
  • 知識問題: リアルタイムOSの基本的な概念(タスクの状態遷移、優先度ベースのスケジューリングなど)や、組み込み特有のハードウェア知識(センサー、アクチュエータ、割り込みなど)が問われます。
  • 抜き出し問題: 問題文中の記述をそのまま抜き出して解答する形式の問題も見られます。

対策のポイント

  • 計算練習: 基本的な計算パターン(周期、容量、速度など)を確実にマスターしましょう。
  • 図の読解練習: 状態遷移図やフローチャートを見て、システムの動作や状態の変化を正確に追えるように練習します。
  • リアルタイムOSの基礎理解: タスク管理、スケジューリング、同期・通信の仕組みなどの基本を理解しておきましょう。

所感

  • 他の技術系科目に比べると、比較的取り組みやすく、易しめの回に遭遇する可能性も低くないと感じました。計算が得意な方には向いているかもしれません。
  • 知識については、午前問題を解く以外の対策はしていません。

【予備対策】プログラミング

アルゴリズムとデータ構造に関する問題です。

  • 特徴:
    • 特定のプログラミング言語知識は不要で、擬似言語で記述されたアルゴリズムを読み解く力が求められる。
    • 問題文の指示に従って、素直に処理を追うことができれば解答にたどり着きやすい。
    • プログラミング経験者や論理パズルが得意な人には得点源になりやすい。
    • 午前対策の知識との関連は薄く、独立した対策が必要。
  • 対策のポイント:
    • トレース能力: 問題文中の変数や配列の中身の変化を、手を動かして正確に追跡する練習が不可欠。図示したり、具体例を当てはめたりするのも有効。
  • 注意点:
    • 時間との戦い: トレースに時間がかかることが多く、1問30分の時間制限は短く感じやすい。
    • 経験の有無: プログラミング未経験者にとっては、アルゴリズムの考え方に慣れるまで時間がかかる可能性がある。

【参考】その他の選択科目(未選択)

  • 経営戦略
    いわゆる「文系セット」の一つとして選択されることが多い科目です。(※筆者は未選択)SWOT分析, BSC, ポーターの競争戦略などの基本フレームワークの理解が重要ですが、簿記・会計知識が問われると難易度が上がると言われます。

  • 情報システム開発
    出題ジャンルが多様なところが特徴な科目です。(※筆者は未選択)オブジェクト指向やUML(クラス図、シーケンス図など)を用いた設計問題が頻出です。上流工程の実務経験があると有利に進められると言われています。

  • プロジェクトマネジメント
    通称「文系セット」の一つとして選択されることが多い科目です。(※筆者は未選択)午前で学ぶPMBOKの知識が活かせます。EVMを用いた計算問題は頻出のため対策必須です。

  • サービスマネジメント
    プロジェクトマネジメントと並び「文系セット」として選択されることが多い科目です。(※筆者は未選択)午前で学ぶITILの知識が中心です。インシデント管理、問題管理、変更管理などの主要プロセスの理解が問われます。

  • システム監査
    マネジメント系・監査系の科目として選択肢に入る科目です。(※筆者は未選択)監査プロセスや監査人の役割が問われ、国語力が重要と言われます。「当たり外れが大きい」科目とも言われ、監査基準や関連法規の知識が問われると難化します。

4.【体験談】試験当日の時間配分と立ち回り

理想の時間配分 vs 試験本番

午後試験は150分。事前に考えていた理想の時間配分は以下の通りでした。

  • 最初の5分: 全11問にざっと目を通し、解答する5問(必須のセキュリティ+選択4問)を決定。解く順番も大まかに決める。
  • 残りの145分: 選択した5問を、1問あたり約30分を目安に解き進める。

しかし、現実は計画通りにいかないものです。以下、私の当日の流れを抜粋してご紹介します。

当日のタイムラインと思考プロセス

〜 試験開始 〜

  • 【全体把握フェーズ(約5分)】
    まず、全問題のテーマと設問形式にざっと目を通します。「セキュリティは標準的」「ネットワーク、DBは準備範囲内」「システムアーキテクチャと組み込みは図が複雑で難しそう…」と感じ、この2つは予備のプログラミングに切り替える可能性を頭の片隅に置きました。

  • 【問1:情報セキュリティ(約35分)】
    必須問題からスタート。標準的な内容でしたが、バックアップに関する記述に「7日分(1世代)しか保持せず上書きするのはリスク高くない?」と違和感を覚えました。案の定、それが問題の論点になっており、問題文からシステム構成の弱点を自ら指摘できる読解力が大事だと感じました。10分オーバー。

  • 【問5:ネットワーク(約30分)】
    次にネットワークへ。障害原因を「プロキシサーバーかな」と予想しつつも、IPアドレスをしっかり確認すると「IPアドレスがファイルサーバーを指している!」と気づき、危なかったです。思い込みは禁物ですね。記述問題は、まず問題用紙の余白に箇条書きで解答の骨子をメモしてから清書しました。

  • 【問6:データベース(約25分)】
    続いてデータベース。「うわっ、SQL読みにくい!インデントないし、副問合せ多いし…」と既視感に襲われました(笑)。それでも落ち着いて要件を確認し、なんとか完答。ここでやっと5分短縮できました。

  • 【問4:システムアーキテクチャ(約25分)】
    最初に「難しそう」と感じたアーキテクチャへ。「BEMSサーバ?」と一瞬焦りましたが、落ち着いて読むと問題文中に説明が記載されていました。焦りは禁物です。意外にも計算問題が簡単で、時間的な余裕を取り戻せました。

  • 【問7:組み込みシステム(約30分)】
    最後に組み込みへ。テーマが電動キックボードで、「電動自転車なら使ったことある!」と実体験と結びついたため、システムの動きをイメージしやすく、予想よりスムーズに取り組めました。問題との相性も重要ですね。

〜 試験終了 〜

結果的に、時間ギリギリでしたが、なんとか選択した5問の解答欄を埋めることができました。結局、予備科目としていたプログラミングは解きませんでした。

午後試験本番で私が意識した3つのこと

試験を通して、特に重要だと感じたのは以下の3点です。

  1. 時間管理の徹底:
    • 常に時計を意識し、各大問の開始・終了予定時刻を頭に入れておく。
    • 30分経過したらアラームが鳴るくらいの感覚で、時間感覚を研ぎ澄ませる。
  2. 「割り切り」の勇気:
    • ある問題に時間をかけすぎていると感じたら、たとえ途中でも一旦区切りをつけて次の問題に進む。完璧を目指すより、まずは全問に着手することが重要。
    • 難しい問題に固執して時間を失うのが最悪のパターン。
  3. 粘り強さ(解答欄は埋める):
    • 自信がない問題でも、諦めずに解答欄は必ず何か書く
    • 部分点をもらえる可能性も十分にあります。キーワードだけでも、考え方のプロセスだけでも記述する価値はあります。

おわりに

応用情報技術者試験は、テクノロジ・マネジメント・ストラテジと範囲が広く深いため、学習を通じて得られる知識量は膨大です。

  • 実務への応用: 日常業務で「これ応用情報でやったことだ!」と進研ゼミ状態になることもあります。
  • 知識の体系化: 断片的な知識が繋がり、IT全体の流れを理解できるようになりました。

応用情報技術者試験は範囲が広く、対策が大変な試験ですが、戦略的に学習を進めれば短期間でも合格は可能です。この記事が、皆さんの合格の一助となれば幸いです。

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