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文系職(事務)の私が応用情報に合格した

Last updated at Posted at 2025-07-04

はじめに

2025年春の応用情報技術者試験(AP)に無事合格しました。
自身の学習経験が、これから受験される方や興味を持っている方の参考になればと思い、記録としてまとめます。

1. 試験結果サマリー

早速ですが、結果は以下の通りです。

  • 試験日: 2025年4月20日(日)
  • 総合結果: 合格
  • 午前得点: 63.75点 (合格基準: 60点)
  • 午後得点: 72.00点 (合格基準: 60点)

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午前が本当にギリギリ…!危なかったです。

2. 筆者のバックグラウンドと受験理由

次に、この記事を書いている私のバックグラウンドです。

  • 経歴: 文系職(事務)です。
  • 保有資格: 基本情報技術者試験(FE)は10年以上前(学生時代)に取得済みです。
  • スキルレベル:
    • VBA, Python: 基本的なものは書ける、読める。
    • Web系 (HTML/CSS/Javascript): 基本的な仕組みがわかる。
  • 業務経験: Accessを使ったデータ管理や、IT基盤関連の業務(ユーザーサポートや簡単な設定変更など)に携わった経験があります。

また、今回、応用情報技術者試験を受験しようと考えた主な理由は以下の2点です。

  1. 業務でデータ分析を行う際、SQLを理解し、分析しやすい形にデータを効率よく加工・抽出できるスキルが不可欠だと思ったから。
  2. 特定の業務スキルだけでなく、ITシステムの根幹をなすセキュリティ、ネットワーク、IT基盤といった分野の知識は、今後どのような職種・役割に就いたとしても役立つ普遍的なものだと考えたから。

これらの受験理由で挙げた知識・スキルは、まさに応用情報技術者試験の出題範囲に含まれています。自身の課題感や学習目標と、試験の出題範囲が合致していたことも、受験を決意した大きな要因の一つです。

3. 結果の詳細分析と勝因

ここでは、私の結果をもう少し詳しく見ていきながら、合格できた要因(勝因)を分析します。

【午前】弱点を抱えながらもギリギリ突破

午前試験の分野別得点は、かなり凸凹した結果になりました。

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分野 得点 満点 得点率
ストラテジ系 20.00点 25.00点 80%
マネジメント系 5.00点 12.50点 40%
テクノロジ系 38.75点 62.50点 62%
合計 63.75点 100.00点 63.75%

感想と考察

  • ストラテジ系 (80%): ここは過去問演習の成果がしっかり出ました。計算問題よりも知識問題で点を稼げたのが大きかったです。
  • マネジメント系 (40%): 完全に弱点です…。対策が手薄になっていたのが正直なところで、見事に点数に表れてしまいました。監査やプロジェクトマネジメント系の用語の暗記が甘かったです。この点数でも合格できたのは、他の分野でカバーできたおかげですね。
  • テクノロジ系 (62%): 配点が一番大きい分野なので、ここで合格ラインを超えられたのが勝因だったと思います。特に得意なネットワークやデータベースで点を稼ぎ、苦手な分野の失点を補う形になりました。

【午後】得意分野で逃げ切る戦略

午後は 72.00点 と、午前よりは少し余裕のある結果となりました。
選択した問題は以下の通りです。

  • 問1: 情報セキュリティ (必須)
  • 問4: システムアーキテクチャ
  • 問5: ネットワーク
  • 問6: データベース
  • 問7: 組込みシステム開発

感想と考察

必須の情報セキュリティは、やはり対策が欠かせません。近年の動向を踏まえた問題も多く、過去問だけでなくIPAが公開している資料(「情報セキュリティ10大脅威」など)にも目を通しておいて良かったと感じました。

その他の選択問題は、自分の業務経験や得意分野に合わせて選びました。特にネットワークデータベースは得点源にするつもりで重点的に対策したので、これが功を奏したようです。
組込みシステム開発は少し悩みましたが、過去問との相性が良かったため選択しました。

応用情報技術者試験は、午前・午後ともに6割以上の得点で合格となります。私の結果を見ていただくと分かる通り、苦手分野があっても得意分野でカバーすれば十分に合格は可能です。

4. これから受験する方へ(試験の基本情報)

ここからは、応用情報技術者試験そのものについて、基本的な情報をまとめます。

試験概要

応用情報技術者試験(AP)は、IPAが主催する国家試験で、基本情報技術者試験(FE)の上位に位置づけられます。

【試験形式と合格基準】

  • 午前: 選択式 / 午後: 記述式
  • 合格: 各60点以上 / 実施: 年2回(春期・秋期)

(※最新情報や詳細はIPA公式サイト等でご確認ください。)

しっかりとした対策が必要ですが、ポイントを押さえて学習すれば合格は十分に目指せます。

試験範囲(シラバス)

それでは、具体的にどのような分野を学習する必要があるのか、試験の全体像を示すシラバス概要は以下のとおりです。

分野 大分類 中分類
テクノロジ系 1 基礎理論 1 基礎理論
2 アルゴリズムとプログラミング
2 コンピュータシステム 3 コンピュータ構成要素
4 システム構成要素
5 ソフトウェア
6 ハードウェア
3 技術要素 7 ヒューマンインタフェース
8 マルチメディア
9 データベース
10 ネットワーク
11 セキュリティ
4 開発技術 12 システム開発技術
13 ソフトウェア開発管理技術
マネジメント系 5 プロジェクトマネジメント 14 プロジェクトマネジメント
6 サービスマネジメント 15 サービスマネジメント
16 システム監査
ストラテジ系 7 システム戦略 17 システム戦略
18 システム企画
8 経営戦略 19 経営戦略マネジメント
20 技術戦略マネジメント
21 ビジネスインダストリ
9 企業と法務 22 企業活動
23 法務

ご覧いただくとわかる通り、テクノロジ系からマネジメント系、ストラテジ系まで、非常に広範な知識が問われます。

午前試験では、これらの分野全体から幅広く基本的な理解度が試されるため、まんべんなく基礎を固めることが重要です。
一方、午後試験では、この中からご自身で選択した特定の分野について、より深い知識と応用力が問われます。

合格に必要な学習時間の目安

応用情報技術者試験の合格に必要な学習時間は、個人のIT知識レベルや経験によって大きく異なりますが、一般的には 200時間〜500時間 程度が一つの目安とされています。

特に、基本情報技術者試験(FE)の知識がある方 や、関連するIT業務経験が多少ある社会人 の場合でも、最低200時間程度 は確保したいと言われています。

ご自身の状況に合わせて、無理のない期間を設定することが重要ですが、私は以下のように勉強を進めました。

  • 【6ヶ月かけて取り組む】 (週あたり約15〜16時間)
    • 平日: 毎日 1.5〜2時間 (通勤時間や始業前など)
    • 土日: 各 5〜6時間 (まとまった時間を確保)

5. 【よくある質問】基本情報と応用情報、どっちがいい?

「応用情報は基本情報より簡単か?」と聞かれれば、答えは 「人によります」 です。

合格率だけを見れば応用情報(AP)の方が難関ですが、 プログラミングが苦手な人にとっては、それを完全に回避できる応用情報の方が「簡単」と感じられるケースが多く存在します。

結局、どちらを目指すべきかは、以下の表を参考に、ご自身のタイプと照らし合わせてみてください。

あなたのタイプ・状況 おすすめ 理由
プログラミングやアルゴリズムに強い苦手意識がある 応用 応用の午後は問題を選べるので、苦手なプログラミング等を選択しなくてOK基本では必須なので、苦手なら応用が断然有利です。
文系出身で、技術より読解力・業務知識に自信あり 応用 午後で経営戦略、監査、マネジメント系など、読解力や一般常識で解答しやすい問題を選択できる。
ITの基礎から体系的に学びたい 基本 基本情報は、ITエンジニアの基礎知識(プログラミング含む)を幅広く問われる、IPA推奨の入門資格です。
すぐに受験したい受験機会が多い方が良い 基本 通年CBT方式で、自分のタイミングで受験・再挑戦しやすい。応用は年2回のみ。

【応用情報から受験する方への注意点】

「応用情報の方が簡単」という声は、主に午後試験の選択制によるものです。応用情報の 午前試験 は、基本情報の午前試験(科目A)の範囲をほぼ網羅した上で、さらに広く深い知識が問われます。

したがって、応用情報から挑戦する方は、「まず基本情報レベルのIT基礎知識を習得し、その上で応用レベルの知識を上乗せする学習が必要になる」という覚悟が必要です。

(最新情報はIPA公式サイトでご確認ください。)

さいごに:今後の学習法について

内容が長くなるため、具体的な学習戦略は今後の記事で詳しくお伝えする予定です。特に、応用情報技術者試験に合格するために私が行った具体的なアプローチとして、以下の点に触れていきます。

  • 【午前対策】 Web教材(過去問道場、YouTube、生成AI)を中心とした効率的な学習方法と、その効果。
  • 【午後対策】 自分に合った科目選択の重要性と、選択科目の学習ポイント。
  • 【試験当日】 時間配分や注意点など、リアルな体験談。

これらの情報が、特に以下のような方に読んでいただけると嬉しいです。

  • 応用情報技術者試験の受験を検討している方
  • 短期間での詰め込みではなく、ある程度の期間をかけて着実に合格を目指したい方
  • 午後の科目選択に悩んでいる方
  • Web教材を効果的に活用したいと考えている方
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