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Day 10

π(パイ)よりτ(タウ)の方がいいよねって話

Last updated at Posted at 2024-12-10

数学でよく出てくるπ(パイ)。しかし最近、「いや、 τ(タウ) の方がいいんじゃないか?」という議論が数学好きの間で盛り上がっています。

この記事では、πとτの違いや、なぜτが「いい」とされるのかを簡潔にまとめてみます。


πとτの定義

まずは、πτの定義をおさらいしましょう。

π(パイ)

πは、円周を直径で割った比率として定義されます。

$$
\pi = \frac{\text{円周}}{\text{直径}}
$$

その値は、よく知られている通り

$$
\pi \approx 3.14159
$$

です。

τ(タウ)

一方で、τは「円周を半径で割った比率」として定義されます。

$$
\tau = \frac{\text{円周}}{\text{半径}} = 2\pi
$$

その値は

$$
\tau \approx 6.28318
$$

となります。


なぜτの方がいいのか?

「πじゃダメなんですか?」と思うかもしれませんが、実は数学的にも教育的にもτの方が有利な点がいくつかあります。


1. 円と角度の対応が自然になる

円周の長さや角度を考えるとき、ラジアンという単位を使います。このラジアンは「円周の何割か」を表す単位なので、1周を「τ」とする方が直感的です。

現在(πを使用)

$$
90^\circ = \frac{\pi}{2}
$$

$$
180^\circ = \pi
$$

$$
360^\circ = 2\pi
$$

τを使った場合

$$
90^\circ = \frac{\tau}{4}
$$

$$
180^\circ = \frac{\tau}{2}
$$

$$
360^\circ = \tau
$$

1周が「τ」となることで、角度とラジアンの対応がシンプルになります。


2. 数学の公式もより直感的になる

円の面積公式は通常、以下のようにπを使って表されます:

$$
A = \pi r^2
$$

これをτに置き換えると、次のように書き換えられます:

$$
A = \frac{\tau r^2}{2}
$$


なぜこの形が直感的?

この形は「円周を基準にした面積」として解釈できるため、式の意味がより直感的になります。


3. 物理公式がスッキリする

物理や工学では、2π が頻繁に登場します。これをτに置き換えると、式が簡潔になります。

例:フーリエ変換

現在、フーリエ変換では次のような公式を使います:

$$
e^{2\pi i} = 1
$$

これをτに置き換えると、

$$
e^{\tau i} = 1
$$

となり、式がスッキリします。


3. あの有名な e^iπ + 1 = 0もさらに美しくなる

オイラーの公式は、数学の中でも最も美しい式の一つと言われています:

$$
e^{i\pi} + 1 = 0
$$

この式は、円周率 (π) を使って複素数の単位円を表現しています。しかし、τ を使うと、この公式がさらに直感的かつ簡潔になります。


オイラーの公式の τ バージョン

まず、オイラーの公式を一般形で書くと次のようになります:

$$
e^{i\theta} = \cos\theta + i\sin\theta
$$

ここで、θ = τ を代入すると:

$$
e^{i\tau} = \cos\tau + i\sin\tau
$$


なぜこれが美しい?

従来のオイラーの公式では、1周(2π)を使って次のように表されていました:

$$
e^{i 2\pi} = 1
$$

しかし、τ を使うと1周が「τ」そのものとして表現でき、式がよりシンプルで美しくなります:

$$
e^{i\tau} = 1
$$


結論

τ を使うことで、オイラーの公式も「1周が τ」という直感的な定義に基づいてより美しくなります。

  • 従来の形:
    $$
    e^{i 2\pi} = 1
    $$
    $$
    e^{i \pi} + 1 = 0
    $$

  • τを使った形:
    $$
    e^{i\tau} = 1
    $$


結論:τは未来のスタンダード

πとτ、どちらが良いかは用途や文脈によりますが、τの方が直感的で式がスッキリするケースが多いのは事実です。

とはいえ、数学界や教育の現場では長年πが使われてきたため、すぐにτが主流になるわけではないでしょう。でも、τを使った方が「理解が早い」「計算が楽しい」と感じる場面があるなら、ぜひ試してみてください!

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