はじめに
はじめまして、まくと申します。この度、基本情報技術者試験に無事合格することができたので、記録も兼ねて合格記を書こうと思います。
ちなみに、自分はこんな人です。
- Webフロントエンドエンジニア新卒2年目(当時)
- 文系学部出身
- プログラミングは大学時代から独学でやっていたものの、コンピュータサイエンスは全く通っていない
- 競プロもやっていない
- テキストをぱらぱら見たとき、6割は聞いたことある、そのうちちゃんとわかっているのは3割くらい
- すぐ別の分野に興味が逸れるので、毎日継続して勉強するのが苦手
特に 文系の方、Webエンジニアの方 に少しでも参考になると幸いです。
受けたきっかけ
Web業界ではあまり資格取得は重要視されず、資格を取った、という話も周りで聞くことがありませんでした(皆当たり前に持っているだけの可能性はありますが…)。
基本情報技術者試験はいつか受けたいとは思っていたのですが、他の会社と違って資格補助があるわけでもなく、給料に影響するわけでもなく、それよりはWebフロントエンドの勉強をしたほうがいいだろう、と、忙しさに身を任せ2年が経とうとしていました。
そんな私が試験を受けることにした最大の理由は、エンジニアとして自信をつけたかったからです。
当時、コンピュータサイエンスを学んできた優秀な後輩がチームに入り、後輩と比較して自分は何も成長していない・何もできないとエンジニアとしての自信をまるで無くしてしまった時期がありました。
人と比較をしてしまうのがそもそも良くないのですが、その時に、「自分の実力を比較する対象が社内にしかいない」 ことに気づきました。
つまり、
- 「資格」という 客観的に能力を判断できるものがあれば、自分に自信をつけられるのではないか、自分の今の立ち位置がわかるのではないか
- 忙しい中でも資格勉強をやり遂げられれば、自分もやればできると思えるのではないか
と思い至り、基本情報技術者試験を受けることにしました。
試験結果
科目A | 科目B | |
---|---|---|
得点(各600点で合格) | 700点 | 715点 |
勉強時間 | 38時間 | 2時間 |
…あれ? なんだこの勉強時間の偏りは…
スケジュールを盛大に見誤る
勉強期間は2月・3月の2ヶ月確保しており、以下のスケジュールで進めるつもりでした。
- 2月:教科書を読む
- 3月前半:過去問を解く
- 3月後半:科目Bの対策をする
しかし実際は…
- 2月~3月前半:教科書を読む
- 3月後半:過去問を解く(・科目Bの対策をする)
になってしまいました。つまり科目Bの対策をする時間はほとんど確保できなかったということです。
一週間の勉強時間の記録もつけていたのですが、科目Aについても以下のグラフの通り(ピンクの部分が資格勉強)まあわかりやすく最終週に詰め込み勉強をしてしまいました。大反省です。
どのくらい勉強時間が必要か、という見積もりがちゃんと立っていなかった、というのも原因の1つとしてあると思います。コンピュータサイエンスを通ってきた人ならともかく、通っていない人はきちんと勉強時間を確保しないと合格できません。
皆さんはこうならないように、対策に何時間かかりそうか(同じレベルの方なら40~50時間くらい)・その週に何時間確保できそうか の見積もりを立てる ことをおすすめします。
次の章では具体的にどういう勉強方法をとったかご説明します。
具体的な勉強方法
科目A:教科書を読む
5年前くらいに買って、結局やらなかった以下の教科書を使いました(平成29年度版)。もちろん今から買うなら新しい方がいいですが、試験が改定される以前のものでも科目Aに関してはあまり変わらないと思います。
かんたん合格 基本情報技術者教科書 令和2年度 かんたん合格シリーズ | 五十嵐 順子
この本はとても図が簡潔かつわかりやすくまとめられていて重宝していたのですが、いい意味で「出るとこだけ」しか載っていないので、この本を読んでからいざ過去問を解いてみると聞いたことのない用語がたくさん出てきました。
本に記載されていないものも過去問を解けばカバーできる範囲だとは感じましたが、知り合いの持っていた以下の教科書を読むと、過去問で1回でも出てきた知識が一通り網羅されているように感じたので、試験範囲を全部カバーしたいという方は柏木本をおすすめします。
令和05年 イメージ&クレバー方式でよくわかる 栢木先生の基本情報技術者教室 情報処理技術者試験 | 栢木 厚
私は以前から、技術の勉強をするときはデジタルのノートにまとめていたので、教科書を読みながら適宜メモして進めていきました。単に本の内容を写しているというよりは、以前同じ内容を勉強したことがあればそのメモに補足的に直接書き足しているというイメージです。
(UpNoteというアプリを使っています)
少し手間はかかりますが、過去に学んだ知識と関連づけられる & 検索が効く & 後から見直しがしやすくなるのでおすすめです。
科目A:過去問を解く
過去問道場というサイトが有名ですが、スマホで隙間時間に解けるように別のアプリを使っていました。
基本的に載っている問題は一緒なので、UIの使いやすさで選んでいいと思います。
ただこのアプリの解説は少し短めなので、わからないところは過去問道場の解説を参考にしていました。問題文をそのままGoogle検索すれば、過去問道場の該当設問がヒットします。
間違えた箇所に関してはアプリ上でチェックを入れておくのと、教科書読みの時にも利用したノートに書き込んで後で見直せるようにしておきました。
本当は間違った問題を2周はしたかったのですが、時間がなくて1周で終わってしまいました…もっと余裕を持って取り組んでおけば…
11回分の過去問を1周し、正答率は7割くらいの状態で受験しました。
科目B:過去問を解く
科目Bに関しては普段プログラミングをしている人であれば、科目Aの勉強で数学やアルゴリズムの知識をしっかりつけておけばそこまで苦戦することはないと思います。科目Bのベースは科目Aです。
ただ流石に初見だと、科目B独特の「擬似言語」や読解力が求められる問題文に苦戦させられると思うので、一回は過去問を解きましょう。私も時間はほとんど割けませんでしたが、試験一回分の問題は解き、正答率は7割ほどでした。
科目B用には以下の過去問を購入していました。これより新しいバージョンも出ていますが、科目Bの掲載数が減ってしまっているということだったので、少し古くても科目Bが多く掲載されているものを選びました。解説も丁寧で読みやすかったです。
令和05年【下期】基本情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集 | 山本三雄
本番は時間が足りなくなりそうでとても焦ったので、余力があれば十分に対策することをおすすめします。
苦手だった分野・得意だった分野
わかりやすく文系なので、とにかく数学が苦手でした。過去問を解いていても正答率は5割ほどしかなかったのですが、解き方をしっかり覚えることを意識しました。
ほとんど知識がなかったハードウェアも苦手でしたが、経験したことのある分野の中ではデータベースについても得点率が他と比べて低く、苦手であることを認識できたのはよかったです。
セキュリティやマネジメント系・ストラテジ系は普段の実務ではあまり馴染みがない分野ではあったものの、文系持ち前の暗記力を活かして貴重な得点源になっていました
おわりに
受けて良かったこと
特に実務で触れてきたつもりだったネットワークやデータベース・アルゴリズムに関して、自分が今までふんわりとしか理解していなかったことに気づくことができました。普段実務で触れたり技術書を読んだりはしていましたが、問題を解いて間違えて、わからないところはさらに調べて、という過程を踏むことで、知識の定着率は格段に変わりました。
これらの知識は業務にも直接活かすことができますし、今業務で使っていない分野に関しても、いつか勉強することになった時の基礎になりうると思いました。
当初の目的だった「自分に自信をつける」については、もちろん1つの自信にはなったのですが、逆に落ちてしまったら自己肯定感が爆下がりだったと思うので、一長一短だと思います。無理して自分のレベルを超えて受けるのは良くないです。
今後の目標
勉強するいいきっかけにもなったので、今後も継続的に試験を受けていきたいです。
AWS認定やG検定、CGクリエイター検定など受けたい資格はいろいろありますが、ひとまずは10月の応用情報技術者試験という大きな目標に向けて、今回のようにギリギリにならないようしっかりスケジュールを練って少しずつ進めていこうと思います
所属Organizationについて
所属OrganizationのTECH WOMAN KANSAIは、関西の女性エンジニアが集まるコミュニティです。
定期的にオンライン/オフラインでメンバーで集まって勉強会を開催したり、月に1回Qiitaに記事を投稿したりと活動しているので、ご興味ある関西在住の女性エンジニアの方はぜひ!