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マイコンボードESP32でMicroPython環境構築からSwitchbotAPI操作まで

Last updated at Posted at 2022-11-26

はじめに

WiFiモジュールを搭載したマイコンモジュールの一つにESP32があります。
マイコン初心者の私が備忘録を兼ねて、Micropython環境の構築からSwitchbotAPIを操作するところまで書きます。
以下の流れです。

  1. ESP32 PC接続設定
  2. MicroPython環境構築
  3. ESP32 WiFi接続
  4. SwitchbotAPI操作

参考

MicroPython環境構築の参考にしました。
Zenn: Thonnyで、ESP32 - MicroPython環境を構築するよ

ネットワーク接続の参考にしました。ESP8266とありますが、ESP32でも使えるようです。
MicroPython: ESP8266 用クイックリファレンス

SwitchbotAPIのドキュメント
GitHub: OpenWonderLabs/SwitchBotAPI
ヘッダーの作成の参考にしました。
Qiita: [Switchbot API v1.1が登場] APIでSwitchBotロックを遠隔操作する

SwitchbotAPIの認証キーを生成する際に用いるmicropython-hmacではエラーがでて困りましたが、こちらを使えば解決しました。
GitHub: gloveboxes/ESP32-Micropython-Azure-IoT-and-Event-Hub-Client

環境

1. ESP32 PC接続設定

まずはESP32をUSB(microB-TypeA)ケーブルでPCに接続し、
「デバイスマネージャー」の「ポート(COMとLPT)」欄を開きます。
その中の「Silicon Labs CP210x USB to UART Bridge」末尾についているCOM~の番号を覚えておきます。

黄色の!が表示されている場合はドライバが入っていないので、Silicon Labs: CP210x USB to UART Bridge VCP Driversからドライバをダウンロードしインストールしてください。

ESP32とPCの接続はこれで完了です。

1_device_manager.png

2. MicroPython環境構築

参考ページに従って設定します。
MicroPythonのリンクからファームウェアをダウンロードします。

image.png

ホストPCにESP32にファームウェアを書き込むためのモジュールをインストールします。

pip install esptool

ESP32のROMを消去します。com~にはデバイスマネージャーで確認したポート番号を指定します。

esptool --port com5 erase_flash

ファームウェアのダウンロード先に作業ディレクトリを移動し、以下のコマンドを入力してESP32にファームウェアを書き込みます。

esptool --chip esp32 --port com5 write_flash -z 0x1000 esp32-20220618-v1.19.1.bin

Thonnyをインストールし起動します。
右下のインタプリタ設定から「MicroPython(ESP32)・COM~」を選択すれば準備は完了です。

image.png

3. ESP32 WiFi接続

ESP32を自宅のWiFiに接続します。以下のクイックリファレンスにESP8266とありますが、ESP32でもそのまま動きます。
MicroPython: ESP8266 用クイックリファレンス

def do_connect():
    import network
    wlan = network.WLAN(network.STA_IF)
    wlan.active(True)
    if not wlan.isconnected():
        print('connecting to network...')
        wlan.connect('ssid', 'key') #ここに接続したいWiFiのSSIDとパスワードを書く
        while not wlan.isconnected():
            pass
    print('network config:', wlan.ifconfig()) #IPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、DNS

接続が完了するとIPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、DNSが表示されます。
簡単にマイコンのWiFi接続ができました。便利です。

network_connection.png

4. SwitchbotAPI操作

公式ドキュメントに従います。
SwitchbotAPIの操作の流れは以下の通りです。

  1. 認証のためのヘッダーを作成する
  2. Switchbotのデバイス一覧を取得し、操作したいデバイスのIDを確認する
  3. デバイスに対して操作を行う

4-1. 認証のためのヘッダーを作成する

Switchbotのスマホアプリの「設定」→「アプリバージョン」を項目を連続で10回タップすると「トークンを取得」ボタンが現れます。これを記録しておきます。

公式ドキュメントの「Authentication」項のサンプルプログラムと参考をもとにしました。
ホストPCではこのまま動きますが、ESP32で実行するためにはMicroPythonのデフォルトのライブラリにhmac, base64がないためモジュールの追加インストールが必要です。

import time
import hashlib
import hmac
import base64

# open token
token = '' # copy and paste from the SwitchBot app V6.14 or later
# secret key
secret = '' # copy and paste from the SwitchBot app V6.14 or later

def get_auth_header(token, secret):
    nonce = '' #空欄のままで良いらしい
    t = int(round((time.time() + 946684800) * 1000)) #後述 基準の時刻がホストPCとESP32で異なるため30年分の秒数を足す
    string_to_sign = '{}{}{}'.format(token, t, nonce)

    string_to_sign = bytes(string_to_sign, 'utf-8')
    secret = bytes(secret, 'utf-8')

    sign = base64.b64encode(hmac.new(secret, msg=string_to_sign, 
    digestmod=hashlib.sha256).digest())
    print ('Authorization: {}'.format(token))
    print ('t: {}'.format(t))
    print ('sign: {}'.format(str(sign, 'utf-8')))
    print ('nonce: {}'.format(nonce))

    header={}
    header["Authorization"] = token
    header["sign"] = str(sign, 'utf-8')
    header["t"] = str(t)
    header["nonce"] = nonce
    return header

ここで色々つまづきました。
MicroPython版のパッケージ管理モジュールupipでhmacをインストールし、上のプログラムのハッシュ化部分を実行すると以下のエラーがでます。

出力結果
Traceback (most recent call last):
  File "<stdin>", line 5, in <module>
  File "/lib/hmac.py", line 149, in new
  File "/lib/hmac.py", line 63, in __init__
AttributeError: 'sha256' object has no attribute 'digest_size'

困り果てましたが、GitHub: gloveboxes/ESP32-Micropython-Azure-IoT-and-Event-Hub-Clientからhashlib, base64.py, hmac.py, warnings.pyをESP32にインストールしたところ無事ハッシュ化できました。

これで認証ヘッダーの生成は完了です。

image.png

4-2. Switchbotのデバイス一覧を取得し、操作したいデバイスのIDを確認する

公式ドキュメントに従って、Switchbotデバイスの一覧を取得します。

host_domain = "https://api.switch-bot.com"
ver = "/v1.1"

def get_device_list(header):
    response = urequests.get(host_domain + ver + "/devices", headers=header)
    return_json = response.json()
    if return_json["message"] == "success":
        print("取得成功")
        return return_json["body"]
    elif return_json["message"] == "Unauthorized":
        print("認証エラー")
        return None
    else:
        print("エラー")
        return None

header = get_auth_header(token, secret)
device_list = get_device_list(header)
print(device_list)

ここで、ホストPCでAPIを操作したあとにESP32で同じことをしたら認証エラーがでました。
詳しく調べていませんが、ホストPCとESP32でtime.time()で得るエポック秒数が大きくずれていることが問題のようでした。
それぞれの基準時刻を取得します。

imoort time
time.gmtime(0)

ホストPCの基準時刻は1970/01/01 00:00:00です。

ホストPC 出力結果
time.struct_time(tm_year=1970, tm_mon=1, tm_mday=1, tm_hour=0, tm_min=0, tm_sec=0, tm_wday=3, tm_yday=1, tm_isdst=0)

一方でESP32の基準時刻は2000/01/01 00:00:00です。

ESP32 出力結果
(2000, 1, 1, 0, 0, 0, 5, 1)

両者の差の秒数を求めます。

import datetime
(datetime.datetime(2000,1,1,0,0,0) - datetime.datetime(1970,1,1,0,0,0)).total_seconds()
出力結果
946684800.0

以上からget_auth_header関数ではこの秒数を足しています。
これで今のところ問題は起こっていませんが、もっと良い対処法がありそうです。

get_auth_header(token, secret)
t = int(round((time.time() + 946684800) * 1000))

これでSwitchbotのデバイス一覧が取得できました。
操作したいデバイスのdeviceIdを控えておきます。

4-3. デバイスに対して操作を行う

ここではお試しで温湿度計の温度を取得してみます。

def get_th(header):
    th_deviceid = "" #デバイスIDを入力する
    response = urequests.get(host_domain + ver +"/devices/" + th_deviceid + "/status", headers=header)
    temperature = response.json()["body"]["temperature"]
    humidity = response.json()["body"]["humidity"]
    return temperature, humidity

header = get_auth_header(token, secret)
temperature, humidity = get_th(header)
print(f"室温:{temperature}℃  湿度{humidity}%")
出力結果
室温:25.1  湿度42%

無事に温度と湿度が取得できました。
他のデバイスの操作も公式ドキュメントを参考に行えます。

本文で使用したプログラムを以下にアップロードしました。

まとめ

タイトルの通り、マイコンボードESP32についてMicroPython環境構築からSwitchbotAPI操作まで行いました。いくつかの躓きがありましたが、最終的に温湿度計のデータを取得するところまで来ました。
なにかの役に立てば幸いです。

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