チルゴロウです。Siv3Dアドベントカレンダーに3年ぶりに参戦します。
10日目の記事は、Siv3DおよびOpenSiv3Dを採用している、大学のゲーム制作サークルがどれだけあるかを紹介します。
なぜ大学サークルかというと、チルゴロウが大学の学園祭で毎年ゲーム制作サークルの情報収集をしており、自分にとっての専門分野だからです。
なお、作品ひとつひとつの詳細まで紹介することはできないのでご了承ください。
#Siv3Dをよく採用しているサークル
##1、早稲田コンピュータエンタテインメント(WCE)
ここがSiv3D発祥のサークル。Siv3Dの総本山。Siv3D開発者Ryo Suzuki氏が所属していた。
Ryo氏が現役部員の頃はSiv3D作品がほとんどを占めていた。現在では他のゲームエンジンを使う作品も増えたが、Siv3Dをメインに使用することに変わりはない。
OpenSiv3Dを使用した作品も制作されていて、徐々にOpenSiv3Dに転換する動きもみられる。
ただ、サークルの活気は以前よりも落ち込んでるので、今後の活動が少し心配。早稲田にはもっと大きくて強いゲーム制作サークルがあるので、そちらの方に新入部員が流れてしまい競り負けてしまったのかもしれない。
##2、千葉大学電子計算機研究会(CCS)
毎年コミックマーケットで部員の作ったゲームを作品集として出している。
元々DXライブラリ主体のサークルだったためSiv3Dの採用率は全体の1~2割程度で決して多くはないが、好んで使う部員が一定数いる。
CCSの最大の特徴は、強烈なネタを仕込んだミニゲームが一定数含まれていることが挙げられる。その時ネットで流行したものを題材にしたり、中には実写画像を切り抜いて素材として使ってしまうくらい。(ex. 腕の実写画像をお湯の中に突っ込んで、おでんを掴むゲーム。どうしてそのような発想に至るのか)
Siv3D作品でその強烈ネタ作品を作りに行ったこともある。
その反面で大学サークルとしては非常にクオリティ高く仕上がった作品も多数輩出しているので、非常に強いサークルだ。
##3、東大マイコンクラブ(UTMC)
ゲーム制作専門というより、プログラミング全般をゆるーく活動しているサークル。
2014年ころまではC#のMicrosoft XNAをメインに採用していた。しかしXNAのサービスが終了してからは制作ツールがバラバラになり部の規模も縮小してしまった。東大には本気でゲームを制作する最強サークルが別にあり、そちらに部員が流れ苦戦している。
現在ではグラフィッカーが1人もいない状態に陥ってしまい、画像素材ではなく基本図形だけでゲームを制作する独特なスタイルを確立した。
Siv3Dは基本図形の描画が充実しており、UTMCの部員にとっても扱いやすいツールであると考えられる。
##4、名古屋工業大学コンピュータ倶楽部(NITMic)
Siv3DとUnityをメインに扱うサークル。使用率は半々くらいで、Siv3Dをメインに使うサークルは全国的にも珍しい。
プログラマーだけではなくグラフィックとサウンドの専門部員も所属しており、1チーム3人体制。どの部員もスキルが高く、とても良い制作環境が整っている。
愛知県の県民性なのか、複数人で対戦するゲームの比率が高い。
##5、秋田大学プログラミングサークルTNP
秋田県で活動するサークル。
使用ツールはバラバラ。DXライブラリやUnity、中にはRPGツクールでゲームを作るひともいる。
2018年ころからSiv3Dの採用率が急に上がり、2019年夏コミの作品集には、Siv3D製の起動ランチャーとOpenSiv3D製の簡易「スマートボール」が収録された。
##その他のサークル
等のサークルでもSiv3Dが使用されたことがあります。
そのとき入った部員の中にSiv3D使いがいて、Siv3Dで作品制作したからだと思われます。
使用は一時的で、後輩部員に引き継がれない場合が多い。
チルゴロウもかつては東京工科大学のクリエイティブスタッフに所属していました。ある時Siv3Dを知って、後輩部員にSiv3Dを広めようと試みたことがあるが、失敗に終わった。
#Siv3Dを導入しない大学サークル
##サークルの伝統
多くの場合、これだと思います。
DXライブラリをメインに使うサークルは、1年部員にゲーム作りを教える時も当然DXライブラリで教える。Unityが登場してからは一部のサークルがUnityメインに移行したが、Siv3Dが登場するのはよっぽど強いSiv3D愛好家が入部でもしない限りはないだろう。もし入部したとしても、チルゴロウが普及活動に失敗したようにSiv3Dを定着させることは難しい。
中には宗教的にSiv3Dを拒むサークルもあるらしい?
##Siv3Dが完成していない
旧版Siv3Dは2Dゲームエディタとしては実用的な段階まで完成した。しかし、一部未実装項目を残したままOpenSiv3Dへ移行してしまい、そのOpenSiv3Dも完成までほど遠い段階。完成が急がれるも作者のRyo氏の行動力に限界がある。
まだ、Siv3Dが日の目を見るのは早いのかもしれない。
#最後に
今回の記事はまったくコードを書かない記事だったので、つまらないものだったかもしれない。
でも、最新規格のC++を積極的に取り入れるSiv3Dが普及してくれることを望んでいます。
みんな、Siv3Dつかおうね。