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UIデザイン

UIデザインは人の好奇心に依存している

はじめに

私は普段、同居している81歳のおばあさんにiPadの使い方を教えたり、サポートをしています。
発端はとある25歳男性に、PS4の使い方について教えてあげたことです。
彼はPSボタンを長押しして出てくるメニューの存在を知らず、スリープモードが存在することを知りませんでした。

81歳のお婆さんも以前、iPadの入力キーボードが左右に分割されてしまい、入力ができない問題に直面しました。これもまたiPadのキーボード右下にある、「キーボードを隠すキー」を長押ししてしまったことが原因でした。

以上の出来事から私は、UIデザインは人の好奇心に依存していると考え、その意見を文章に書き起こしてみました。

本記事における好奇心の定義について

本記事では好奇心を次とします。

わからないものに対して、それを知りたいと思う欲求

そして、好奇心の強い人を次と定義します。

好奇心が予測できないリスクへの不安を凌駕し、行動してしまう人

知らないことやわからないことにチャレンジすることは怖いものです。
好奇心の強い人とは予測できないリスクに鈍感だったり、承知した上で行動を起こす人だと定義します。

機械音痴の正体

世の中には残念ながら機械音痴の人がいます。彼らはしばしば訳のわからないトラブルに悩まされ、機械に翻弄されています。
機械音痴の原因について良い記事があったので引用しますと、そこでは次の3つの原因が挙げられています。

  • イメージ力がない
  • 基本的仕組みが理解できていない
  • 機械に触れる時間が少ない

引用元 http://souma-ism.xyz/archives/715

これら3つの原因が正しいとすると、根本的な原因として好奇心の不足が原因ではないかと見ています。
つまり機械音痴=好奇心の低い人と言えるのです。

イメージ力がない

UIには様々なアイコンが登場します。歯車のアイコンであれば何らかの設定でしょうし、人のアイコンならプロフィール設定などと想像ができるでしょう。しかし、それらは歯車の形状を知っていたり、人のシルエットがそうなると知っている必要があります。

機械音痴の人が知識に存在しない形状のアイコンを見たときの反応は、「押したらどうなるかわからないから押さない」というものになるでしょう。
対照的に好奇心の強い人は、どうなるかわからないにも関わらず、とりあえず押してみるでしょう。すると好奇心の強い人は「この形状のアイコンを押すと、これこれこのような動作をする」と知見が貯まる訳です。

基本的仕組みが理解できていない

つまり、今使おうとしている機械はなんの役割を果たすもので、どういったジャンルのものなのかを理解することによって基本的構造もイメージしやすくなり、操作が簡単になります
引用元 http://souma-ism.xyz/archives/715

機械音痴の人が好奇心の低い人とすると、彼らは好奇心が低いが故に機械への理解を深めようとしません。
好奇心の強い人はわからないものに対して知りたいと欲するため、専門家レベルとはいかないとしても理解を深めようとします。

機械に触れる時間が少ない

上記2つの理由から、好奇心の低い人は機械の操作を避け、対照的に好奇心の高い人は積極的に機械を操作しようとします。その結果、機械の操作時間に差が生まれ、知見の多さに格差が生じるのです。

好奇心に依存するUIの例

ボタン長押し

残念ながら昨今のUI、特にモバイルデバイスのUIについては画面面積の制約から、一つのボタンに複数の機能が持たされることが多いです。その最たる例がボタンの長押しです。
好奇心の高い人はボタンをこねくり回して、そのうち長押しに機能が存在することを察知します。
長押しすることで別の機能が存在することを示唆するデザインとか無いんでしょうかね?

ダブルクリック(ダブルタップ)

素早く二回ボタンを押すというのも、一つのボタンに複数機能を持たせる方法の一つです。
パソコンが身近な世代ではダブルクリックの文化があるために、それを想像することは容易いでしょう。

しかし、これからモバイルデバイスのみ触れてきた世代が登場します。彼らはダブルクリックの知見が無いために、好奇心の高い人のみが使える操作になる恐れがあります。

ドラッグ&ドロップ

知っている人からすれば当たり前の操作ですが、それがドラッグ&ドロップできることがわかるデザインは限られています。滑り止めを表すような、立体的なアイコンが例として挙げられます。しかし、このデザインにできる箇所は限られているでしょう。

MacのDockからアイコンを移動して、Dockからアプリケーションを非表示にする操作は、デザインからは読み取れません。このアイコンに全て滑り止めをつけるわけにはいきませんよね。
引っ張ってぐりぐりするなんて操作もまた、好奇心の高い人しか行わないでしょう。

加齢による変化

人は歳をとり衰え、そして死にます。
一般的に高齢になる程、最新機器の操作が難しくなる傾向にありますが、その原因もまた好奇心の低下によるものです。
衰える能力の中に好奇心もまた含まれているのですが、これには明確なデータが存在します。

次のページの「年齢別の好奇心の瑞日比較」のグラフを見てください。
http://tmaita77.blogspot.com/2013/12/blog-post_8.html

これはOECDの国際成人力調査のデータをグラフ化したものとなっています。
基本的に年齢が上がると好奇心が衰えている人の割合が増えますが、完全に好奇心の低い人で世代が埋め尽くされるわけではありません。
好奇心の低さが最新機器への適応力の低さに繋がっていること、そして歳の割に適応力の高い人がいることが、これにより説明できると思います。

実際に私のお婆さんも好奇心がないせいか、生活環境の改善を行ってくれません。より良い商品の選択、より良く安全な家具の配置など自ら進んで行えず、人やメディアに好奇心を向ける代行を依頼しているをしている状態です。
(ちなみに問題の25才男性も周りに流されやすいタイプです)

最後に 好奇心の低い人をどう扱うか

私は好奇心を失った人は取り残されて当然と考えています。
ですが、プロダクトとして多くの人に使ってもらい利益を得ようとするならば、好奇心の低い人を考慮する必要があるでしょう。

私はUI/UXデザイナーでは無いので具体的な改善案は思いつかないのですが、デザインの方向性として僅かに残された好奇心を刺激したり、好奇心のない生命体にも本能で理解させることが重要なのではと思いました。この記事がデザイナーに届くことを祈ります。

そして誰か長押しボタンをどうにかしてください!!!