Makefileの書き方

沢山のライブラリーを使うCやC++をビルドするときに便利なmake。
makeするには対象のMakefileが必要なのだが、今回はその書き方を紹介する。

Makefileとは

　複数のソースファイルから構成されるプログラムをビルドする際、ビルドに用いるコマンドを記憶したり修正するのは難しい。Makefileにはコンパイラー、ソースファイル、生成物、ビルド順序、それら依存性などを記述し、makeするだけでビルドできる。その中身を見ることでプログラムのビルドの仕方がわかる。またmakeは更新が必要なファイルを自動的に決定し、コンパイル回数を最小限にしてくれ、開発時間の短縮につながる。

有名なGNUが提供するGNU MakeのHome Pageによると、Makeとは以下のようなToolらしい。
GNU Make is a tool which controls the generation of executables and other non-source files of a program from the program's source files.
これによると以下のようなメリットがあるようだ。

• エンドユーザーは、その方法の詳細を知らなくてもパッケージをビルドおよびインストールできる。
• 変更されたソースファイルに基づいて、更新が必要なファイルを自動的に把握し、また適切な順序を自動的に決定する。
• MakeはC言語だけでなく、その他のコンパイル言語にも対応している。

書き方の基本的なルール

ビルドする際に用いるコマンドを以下のルールに基づいて記述する。

Target：SourceFile
[ Tab ]Command

hello: hello.c
	gcc -o hello hello.c

また、生成ファイルの削除やコピーも記述することができる。

clean: rm -f *~ hello 
install: hello 
	install -s hello.exe Path

makeする際に何も引数をつけない場合、一番上のTargetを実行する。
上記のcleanやinstallを実行したい場合は、以下のように引数を指定する。

make clean
make install

Makefile以外のファイルをMakefileとして対象にする場合は、-fオプションで以下のように実行できる。

 make -f sample.mk

また、要素を変数として扱える。簡単な例を以下に示す。

CXX            = g++
OPTIMIZE       = -O3
CFLAGS         = -IC:/Users/include \
	-IC:/Python/include 
DEST           = C:/Users/Local
LDFLAGS        = -LC:/Users/Local/libs
LIBS           = -lpython
OBJS           = hello

all: clean $(PROGRAM) install
$(PROGRAM): $(OBJS)
	$(CXX) -o $(OBJS) $(OBJS).cpp $(CFLAGS) $(LDFLAGS) $(LIBS)
clean: rm -f *~ $(OBJS)
install: $(PROGRAM)
	install -s $(OBJS).exe $(DEST)

Makefileの関数

MakeにはMakefile内の文字列処理や条件分岐をするための関数がある。主なものを以下の紹介する。

notdir(ファイル名取得)

"$(notdir ./dir/hoge.txt)"//hoge.txt

realpath(存在するフルパス取得)

"$(realpath ./dir/hoge.txt)"//C:users/hoge/bin/hoge.txt

suffix(拡張子取得)

"$(suffix ./dir/hoge.txt)"//.txt

wildcard(ワイルドカードを使い存在するファイル名を取得)

"$(suffix ./dir/*.txt)"//hoge.txt hogehoge.txt

if(条件分岐)

"$(if $(VAR1),$(exist),$(none))"

ifeq(条件分岐の別の書き方)

ifeq ($(CC),gcc)
  libs=$(libs_for_gcc)
else
  libs=$(normal_libs)
endif

g++とmakeとcmakeのinstall方法

Windows OSでは、g++/gccはMinGWを、makeはGnuWinを、cmakeはcmake.zipinstallすることで使うことが出来る。

• GUIで g++ をinstall
  MinGW install
  もしくは
  MinGW install
  からinstallerをDownloadしてinstallする。

• GUIで make をinstall
  Make installからinstallerをDownloadしてinstallする。
  C:Program Files (x86)¥GnuWin32¥binへパスを通す

• GUIで cmake をinstall
  CMake installからinstallerをDownloadしてinstallする。

• CUIで g++ & make をinstall

choco install mingw
choco install make

Linuxでは以下のコマンド。

terminal

//まとめてinstall
sudo apt install build-essential
//個別にinstall
sudo apt install g++
sudo apt install make

• 環境変数の設定
  以下のpathなどにinstallされるので、pathを通す。
  C:\Program Files (x86)\MinGW\bin
  C:\Program Files (x86)\GnuWin32\bin

まとめ

Makefileの書き方についてまとめてみた。備忘録として更新していく。