はじめに
PCからz/OSなどのホストに接続する際に使用するIBM Personal Communications (以下、PCOMMと呼称) とは何か、簡単にまとめてみました。
目次
PCOMMとは
主にWindows 環境で動作するターミナルエミュレーターです。PCOMMを使用することで、PCからIBMのメインフレームのシステムに接続して、操作することができます。
IBMの3270端末や5250端末などのターミナルエミュレーションをサポートしています。
PCOMMはIBMの有償ソフトウェアになっているため、利用にはライセンスが必要です。
後継製品として、Webベースのインターフェースを多く持つACS (IBM i Access Client Solutions) などが登場していますが、PCOMMは現在も多くの環境で利用されています。
エミュレート可能な端末
PCOMMは3270端末や5250端末をエミュレートできます。
3270端末とは
1972年に開発されたメインフレームとのやり取りが行える端末です。1980年代から90年代にかけて、IBMのメインフレームとの入出力はこの端末を通して行われており、世界中で使用されていました。
参考:Wiki:3270端末
5250端末とは
AS/400、iSeries、System iなどのIBMのミッドレンジコンピューターの専用の端末です。3270端末のミッドレンジ版のような位置付けですが、互換性はありません。
参考:Wiki:5250端末
PCOMMを使用してホストへ接続する方法
※簡単に記載します。
① PCOMMを起動して「新規セッション」ボタンを押下し、下記項目についてプルダウンメニューから適切な値を選択します。
- ホストのタイプ
- インターフェース
- 接続タイプ
②「リンクパラメータ」ボタンを押下し、下記項目について適正つな値をテキストボックスに入力します。
- ホスト名またはIPアドレス
- LUまたはプール名
- ポート番号
③ 上記の設定が完了し、「通信の構成」ダイアログの「OK」ボタンを押下後に左上の「ファイル」から「保存」を押下して、設定ファイルを保存します。
④ ③の保存後、「セッション・マネージャー」ダイアログから作成したセッションを選択し「開始」を押下してホストに接続することができます。
PCOMMの設定について
設定ファイルについて
PCOMMにはws (ワークステーション) という拡張子のファイルがあります。このファイルはPCOMMの設定情報iniファイル形式で保存しているテキストファイルです。
PCOMMを使用してホストへ接続する方法で設定した接続情報や通信プロトコル、他にも画面の表示設定やキーボード設定などが記載されています。
PCOMMはセッションの開始時にこのファイルの保存された設定をもとに、ホストに接続しています。
フォントの変更
フォントはメニューバーの 設定 > 外観 > フォント で変更できます。
ただPCOMMのバグ?で、画面を最大化していると「フォント」がグレーアウトして押下できない場合がありますが、その場合は画面を縮小してウィンドウ表示に変更すると解消できます。
また、フォントサイズについては「表示フォントの選択」画面の「固定サイズ」から変更できますが、自由に変更はできなさそうです。
参考:
半角カタカナについて
PCOMMではCtrol + F3キーで英小文字と半角カナの表示を切り替えることができます。
参考:9.英語と日本語を切り替えて使用するには?
マクロ機能について
PCOMMにはマクロが登録できます。
PCOMM上部の「マクロの記録」を押すと、その右の停止ボタンを押すまでの操作が記録されます。
保存したマクロは.macという拡張子で保存され、中身はVBScriptで記載される形になっています。
試しに使用してみたい場合は、自動ログインマクロを作成し、マクロをたたくとUSERIDやPASSWORDを入力して自動でログインできるようなマクロを作成してみるとよいかもしれません。
右Ctrolキーについて
PCOMMで3270端末をエミュレートすると、デフォルトでは右CtrolキーがEnterキーの役割をしています。
これは3270端末はEnterキーが右下にあったため、その操作感を再現するために右CtrolキーがEnterの役割を果たしています。
終わりに
また新しい知識を取得次第、追記していく予定です。