概要
Revitのアドイン開発時に、Revitのバージョンを上げたいということになった場合の作業についてまとめてみました。
Revitのバージョンを上げたいというのは、例えばRevit2019 → Revit2024に変更する、というような形です。
RevitAPIについて
RevitAPIは、Revitのバージョンそれぞれにdllがあります。例えばRevit2021だったらRevit2021用のRevitAPI、Revit2024だったらRevit2024用のRevitAPIのdllがあります。
RevitAPIのdllは、Revitがインストールされているフォルダの同階層にあります。
C:\Program Files\Autodesk\Revit (バージョン)\RevitAPI.dll
C:\Program Files\Autodesk\Revit (バージョン)\RevitAPIUI.dll
C:\Program Files\Autodesk\Revit (バージョン)\AdWindows.dll
※(バージョン)には2019や2021等のバージョンが入ります。
※AdWindows.dllについてはこちらも参照ください。
作業
STEP1
まずはアドインで使用しているAPIのdllを古いものから新しいものへ変更します。
例えばIDEにVisual Studioを使用している場合は、RevitAPIを参照設定しているプロジェクトについて、参照設定の変更を行います。
例)
今までの参照設定:C:\Program Files\Autodesk\Revit 2019\RevitAPI.dll
新しい参照設定 :C:\Program Files\Autodesk\Revit 2024\RevitAPI.dll
STEP2
アドインのdllについて、.NET Frameworkのバージョンを必要に応じ変更します。例えばIDEにVisual Studioを使用している場合は、各プロジェクトのプロパティ > アプリケーション > 対象のフレームワークから変更します。
どのフレームワークに変更が必要かは、以下のようなサイトが参考になります。
STEP3
STEP2で示したサイトに、Revitのバージョンアップに伴うAPIの仕様変更の記載があるので、参考にしながらAPIの仕様が変わったクラスやメソッドの部分を適宜修正していきます。
ビルドを通してみて、ビルドエラーを確認しながら行うもの良さそうです。
STEP4
当たり前ですがアドインの処理でRevitのバージョンに関わるような処理がある部分 (例えば、Revitのバージョンによってアドインの挙動が変わるような分岐を行っている場合) や、ビルド後コマンドライン等の設定でRevitのバージョンに関わる処理の部分は、そのような箇所も対応が必要です。そのようなアドインの仕様に関わる箇所を修正していきます。また、.addinファイル内の記載の変更も行っていきます。
STEP5
Revitを起動しアドインの動作確認・テストを行い、問題なさそうなら対応完了になります。