機能概要
Amazon CloudWatchは、AWSが提供する監視・ログ管理サービスです。
AWSリソースやアプリケーションの状態をリアルタイムで監視・可視化し、アラート通知やログ分析が行えます。
この記事では、CloudWatchの基本的な機能や使い方を分かりやすく説明します。
AWSの運用監視に取り組んでいる方や、CloudWatchを使い始めた方の参考になれば幸いです。
CloudWatchの主な機能
1. メトリクスの監視
CloudWatchは、EC2、RDS、Lambdaなど主要なAWSサービスのメトリクスをリアルタイムで監視できます。
代表的なメトリクスには以下があります:
サービス | 主なメトリクス | 説明 |
---|---|---|
EC2 | CPU使用率、ディスク使用率 | インスタンスの負荷を確認 |
RDS | 接続数、クエリ実行数 | データベースの状態を監視 |
S3 | リクエスト数、エラー数 | S3バケットの利用状況を確認 |
Lambda | 実行回数、エラー数、実行時間 | サーバーレスアプリの監視 |
カスタムメトリクスの利用
CloudWatchでは独自のメトリクスも追加可能です。
例えば、アプリケーションのエラー数やAPIリクエストの応答時間をカスタムメトリクスとして監視できます。
2. アラームの設定
CloudWatchアラームを使うと、指定したメトリクスが閾値を超えたときに通知やアクションを自動化できます。
アラームの例:
- CPU使用率が80%以上になった場合、SNSを通じてメール通知
- EC2インスタンスの異常時に自動再起動
例)CPU使用率 > 80% → メール通知 + インスタンス自動再起動
3. ログ管理(CloudWatch Logs)
CloudWatch Logsは、アプリケーションやAWSサービスから生成されるログを収集・保存・分析できる機能です。
- Lambda、ECS、API Gatewayのログも自動で収集可能
- ログデータをリアルタイム分析してエラーの原因を特定
- 保存期間の設定も柔軟に可能
4. CloudWatch Logs Insights
CloudWatch Logs Insightsは、ログデータをSQL風のクエリ言語で分析する機能です。
主な用途
- 特定のエラーコードの発生頻度を調べる
- 特定ユーザーのアクセス数をカウント
- アプリケーションログから応答時間を集計
5. カスタマイズ可能なダッシュボード
CloudWatchにはダッシュボード機能があり、複数のメトリクスを1つの画面にまとめて可視化できます。
例えば、EC2のCPU使用率とRDSのクエリ数を同時に表示してパフォーマンスを監視できます。
ダッシュボードはリアルタイム更新が可能で、運用監視の効率化に役立ちます。
CloudWatchのメリット
- AWSサービスとシームレスに連携
- リアルタイムで監視・通知が可能
- カスタマイズ性が高い(カスタムメトリクス・ダッシュボード)
- 使った分だけ課金されるコスト効率の良さ
CloudWatchを活用することで、AWS環境全体の可視化と安定運用が実現します。
まとめ
Amazon CloudWatchは、AWSリソースの監視やログ分析を一元管理できる強力なツールです。
適切にメトリクスとアラームを設定することで、システムの安定稼働を支援します。
今後の記事では、CloudWatchアラームの具体的な設定方法やCloudWatch Logs Insightsのクエリ例も紹介する予定です。