【Amazon FSx】
Amazon FSxはファイル共有に適したファイルストレージサービスです。ファイルストレージとはデータをファイルやフォルダの単位で階層構造として管理するストレージ形式のことをいいます。
FSxは、EFSと同様に主に複数のEC2インスタンスやオンプレミスからアクセスされるファイル共有ストレージとして利用されます。
FSxには複数のファイルシステム(ストレージ上のファイルを管理する仕組み)が提供されています。下記はFSxの主要なファイルシステムです。
・Amazon FSx For Windowsファイルサーバー
・Amazon FSx For Lustre
・Amazon FSx for NetApp ONTAP
それぞれ既存の「Windowsファイルサーバー」「Lustre(ラスター)」「NetApp ONTAP」のファイルシステムをAWS上で利用できるようにしたサービスです。いずれもフルマネージドサービスなので、ユーザーはインフラの設定や管理・運用を意識する必要がありません。さらに、Amazon CloudWatchと連携した容量監視やAWS CloudTrailによる操作ログの取得など、他のAWSサービスと連携した運用も可能です。
■Amazon FSx For Windowsファイルサーバー
Amazon FSx For Windowsファイルサーバーは、Windows Server上に構築されたファイルシステムを提供するストレージサービスです。ファイルシステムにはSMBプロトコルを使用して複数のクライアント(ファイルシステムを利用する端末)から共有してアクセスできます。SMBプロトコルは主にWindowsコンピュータ間においてファイル共有やプリンタ共有に使用されるプロトコルです。Amazon EFSがLinuxベースの共有ファイルシステムであるのに対して、FSx For WindowsファイルサーバーはWindowsベースの共有ファイルシステムを提供します。
[FSx For Windowsファイルサーバーファイルシステムの作成画面]
FSx For Windowsファイルサーバーを利用するには、EC2 WindowsインスタンスやオンプレミスのWindows系OSがインストールされたクライアントなどからマウントします。
FSx For Windowsファイルサーバーでは、Windowsが提供する以下の機能を利用できます。
AWSが用意した独自プロトコルなどではなくWindowsネイティブ(Windowsが提供する機能そのもの)ですので、オンプレミスで構築済みのWindowsサーバーをAWSへ移行する場合でも、従来のシステムと同等に利用可能です。
■Amazon FSx For Lustre
Amazon FSx For Lustreは、Lustreファイルシステムを提供するストレージサービスです。LustreはLinuxOS用に設計されたオープンソースのファイルシステムで、主にスーパーコンピューターなどのHPC(High Performance Computing)や機械学習の分野で利用されています。大量のクライアントから低レイテンシかつ高スループットにファイルアクセスを行う必要のあるシステムで利用されます。
■Amazon FSx for NetApp ONTAP
Amazon FSx for NetApp ONTAPは、AWSクラウド上でフルマネージドのNetApp ONTAPファイルシステムを提供するストレージサービスです。NetApp ONTAPは、NetApp社のストレージ専用OSで高度なデータ管理機能を備えています。
このサービスにより、以下のようなONTAPファイルシステムの特徴を活用することができます。
・幅広い接続性:NFS、SMB、及びiSCSIプロトコルによるアクセスをサポートしています。
・高パフォーマンスと拡張性:高速で低レイテンシーのアクセスができ、またストレージの拡張機能を備えています。
・データ管理:データ圧縮や重複除去などデータ容量を効率化できる機能が利用できます。
・可用性とデータ保護:マルチAZ配置、クロスリージョンレプリケーション、スナップショットなどの機能があります。