SAP SD(販売管理)モジュールは、企業の販売と流通プロセスを管理するためのツールです。基本的なビジネスシナリオは受注、出荷、請求の3つのステップから成り立っています。
- 受注: 顧客からの注文を受け取り、その詳細をシステムに記録します。
- 出荷: 注文された商品を倉庫から取り出し、顧客に配送します。
- 請求: 商品の配送後、顧客に対して請求書を発行します。
SDモジュールは、組織設定とマスタデータの2つの主要な要素によって構成されています。組織設定には販売組織、流通チャネル、製品部門、販売エリア、販売グループなどが含まれます。これらの設定は、企業の販売と流通の構造を反映しています。一方、マスタデータには得意先マスタ、品目マスタ、販売価格マスタなどが含まれ、これらは販売プロセスの各ステージで使用されます。
SDモジュールはカスタマイズ可能で、受注伝票タイプ、明細カテゴリ、出荷タイプ、出荷明細カテゴリ、保管場所の割当、請求伝票タイプの定義、請求伝票のコピー管理の設定、価格決定表の定義/割当、勘定コードの割当など、企業の特定のニーズに合わせて設定を変更することができます。
SDモジュールは、受注伝票、出荷伝票、請求伝票、バックオーダーなどのトランザクションを管理します。これらのトランザクションは、販売プロセスの各ステージを追跡し、管理するために使用されます。
最後に、SDモジュールは、財務(FI)モジュールと連携しています。出荷、請求、入金の各ステージで発生する仕訳をFIモジュールに伝え、財務報告を正確に保つ役割を果たします。また、ピッキング(商品の倉庫からの取り出し)プロセスも管理します。
参考資料
【SAP SD基礎】販売管理(SD)の機能概要 | ITビジネスライフ診断書