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実は環境にやさしいラズベリーパイ(ロンドン証券取引所のGREEN ECONOMY MARKを取得)

Last updated at Posted at 2024-07-26

RaspberryPi4B.png

メカトラックスの永里です。弊社は10年くらい前からラズベリーパイ(RaspberryPi、以下ラズパイ)関連のビジネスをやってますが、特に近年の産業(for industry)分野でのラズパイの伸張は顕著で、元々教育用だったラズパイも現在では産業・組込向け(要はビジネスユーザ向け)売上が約7割となってます。

今年の6月にラズベリーパイの商業部門(Raspberry Pi plc、以下英ラズベリーパイ社)はロンドン証券取引所に上場しましたが、興味深い投資家向け情報(IR)がありました。

大雑把にまとめると、英ラズベリーパイ社がロンドン証券取引所のグリーンエコノミーマーク(GREEN ECONOMY MARK)を取得したって話で、その詳細はこちら↓にあります。

業務でラズパイ使ってると、Arduinoなどのマイコンボードと比べて消費電力が高くて苦労してるので(最近の機種はさらに顕著で…)、ラズパイがグリーン??環境にやさしい??と気になったので資料を確認してみました。

“Whilst the exact energy savings can vary slightly across the different versions of the products, the energy savings are consistently above 90% compared to traditional PCs across their product range,” Thornton explains.

Thornton氏(Director of Applications, Raspberry Pi)は、「製品のバージョンごとにエネルギー節約の正確な数値はわずかに異なるが、製品全体で一貫して従来のPCに比べて約90%のエネルギーを節約している」と説明しています。

とのことで、確かに一般的なPCに比べると低消費電力とは思いますが、90%って言われると??となります。後述の物流や水の節約なども加味しているのでしょうか。

For example, compared to standard desktop computers, Raspberry Pi’s computers use 90% less wastewater in their manufacture, and their small size means that they take up 98% less shipping volume.

例えば、標準的なデスクトップコンピュータと比較してラズベリーパイ社のコンピュータは製造時の水の消費量が90%少なく、小型なので為輸送時のスペースも98%削減されます。

とのことで、製造に必要な水の量は分かりませんが、輸送時のスペース(パッケージサイズ?)は1/50(98%削減)というのも??となりましたが

IMG_5387.jpg

ラズパイ4箱↑のサイズ:縦約9.5cm x 横約7.0cm x 高約2.5cm = 166.25cm3

1/50ってことは体積50倍だと8312.5cm3で、30cm x 20cm x 15cm = 9000cm3 だから、まぁ感覚的に小さいパソコン本体の箱だとそのくらいですかね。同じコンテナでも50倍多く運べるってのは確かにメリットありそうです。

Recent tweaks to the Raspberry Pi 4 model reduced its idle power consumption by 50%, which translates into really meaningful savings: when applied to each of the estimated 20 million units to be sold and which will be idle for half their time, this equates to a saving of 88GWh, or 20,400 tons of carbon emissions per year.

最近のRaspberry Pi 4モデルでは、アイドル時の電力消費を50%削減しました。これは特に高エネルギーコストの時期には重要であり、実際の意味のある節約につながります。推定2000万台が販売され、その半分がアイドル状態であれば、年間で88GWh、または20,400トンの二酸化炭素排出量の削減に相当します。

確かに、単一機種で数千万台が販売されるラズパイのアーキテクチャを改良して消費電力を下げることができれば、その効果は絶大でしょう。(まぁ、バージョンアップのたびに性能も向上した結果、消費電力自体も増えてますが笑)

私が特に印象的だったのは

Constant product support means that there is less obsolescence in products that use Raspberry Pi. “We support products that were sold 12 years ago,” explains Thornton, “so an industrial product that was designed with Raspberry Pi ten years ago can still be produced; that is much greener than redesigning and replacing it.”

製品の継続的な改良で、Raspberry Piを使用した製品の耐久性も向上します。「12年前に販売された製品をサポートしています」とThornton氏は説明し、「10年前に設計された産業用製品は今でも生産できる為、再設計や交換よりも環境に優れています」と述べています。

のくだりで、半導体の性能向上は常に注目を集めますが、世の中の多くの分野でハイスペックが不要な用途が沢山あります。コストパフォーマンスに優れた、比較的低スペックのコンピューターを継続して使用すること自体がエコっていうのは凄く納得です。

まとめ

まとめというほどのことも無いですが、ラズベリーパイがエコロジーって意外だなと思って調べてみたら、確かに納得できる点が多かったのでブログにしてみました。

ここ数年、ビジネスユーザでのラズベリーパイ活用が急激に増えています。これまでは単に、安い使い勝手が良い意外と頑丈ってのがメリットでしたが、ここに環境にやさしいってメリットまで加わるとさらに勢いがつきそうです。

本ブログが、皆様のご参考になれば幸いです。

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