#まつもとゆきひろさん講演会
2019/03/30
Rubyの生みの親、まつもとゆきひろさんの20代エンジニア向け講演会があったので、行ってきました。
以下に箇条書きで内容をまとめます。
■開催概要
https://supporterzcolab.com/event/731/
■当日実況TLハッシュタグ
(シャープ)spzcolab
##勉強するのは「死なないため」
####現代は罠が多く、テクノロジーが人を幸せにしない。
・例:エントリーシート
・就活生にとっても、人事にとってもいい事はない。
・たやすく絡みつく「死の連鎖」
・体を壊しても、誰も責任を取らない。
・本当は色んな事に「No」と言ってもいい。
####こんな時代にモラトリアムはもったいない。
・偉人も若い時に偉業を達成している。
・若い時の柔軟な思考によるもの。
・アインシュタイン、マーク・ザッカーバーグなど
・松本さんがRubyを作り始めたのも27歳の時
・若いということはアドバンテージ。
・体力がある、発想も柔軟、大学で学んだことが鮮明。
・若い時期は社会的地位がない。
・上司の言うことを聞くだけではなく、自分のことも大事にする。
・自分の面倒を一生見てくれる会社はない。
####流されないために「戦略」が必要
・「自分がどうしたいのか」
・「何をしたいのか」
・「これから何を目標とするのか」
・「若い時期」=「自分の人生に大きな影響を与える時期」に決めましょう
##学生の時との勉強の違い
###期待される答えと言うものがなくなる
・満点を取るという概念がないので、得意なことを1000点まで伸ばすこともできる。
・苦手な事を頑張るより、それが得意な人と組むのもあり。
###「知識」と「インデックス」
・学生時代は記憶がメインで、大概の場合、試験が本番
・社会人は常在戦場
・社会人は定番がどんどん変化するため、分からないことは調べる。
・どう調べればいいのか、知っていればいい。
→知識へのインデックスを持つ。
###抽象化について
####メリット
・理解しやすい。
・類似性からパターンを抽出できる。
・プログラムも抽象化の塊。
####デメリット
・抽象化して、物事を単純にすると、「漏れ」が生じる。
・例:二元化 →「善」と「悪」など
・「漏れ」は現実世界とのズレであり、大きな影響を生むこともある。
・人間は「シンプルに理解したい」欲求があるので、単純化された概念を好みがち。
・だが過剰な単純化は危険
##何を学ぶか
###差別化を意識しよう
・苦手克服は社会ではあまり意味がない。
・学校っぽい勉強はもったいない。
・得意なことはモチベーションにつながる
→好きこそものの上手なれ。
・自分は何が得意で、何が好きなのか、考えましょう。
・得意な事を伸ばしましょう。それが生活に結びつくとなおよし。
・何を学ぶかは自分で決めよう。他人は教えてくれない。
・自分で線引して、妥協点を自分で決める。
・人間の判断を信用しない(他人自分関係なく)
・時々振り返って、自分はどこまでできるか考える。
・お金のことだけ考えると、判断が鈍る。
・これやっとけばOKというものはない。
##どこで学ぶか
###ポジティブループを目指そう
・大事なのは周囲との関係。
・勉強するということは、高評価を受けるためと考えてもいい。
・ポジティブフィードバックで成長できる。
・ポジティブループは簡単に壊れる。
・搾取する人からは逃げる。
・持続可能な関係は「Win-Win」か「No Deal」のみ。
・損をしてはいけない。逃げることは悪くない。
・自分を追い込むのはよくない。
・いい環境で学びましょう。
##いつ学ぶか
###ヒマを撲滅する
・仕事を早く終わらせて余った時間や、細切れの時間を使う
・プライベートは犠牲にしなくていい。
・睡眠時間は減らすと、脳が疲れる。
・優先順位をはっきりさせる。
−惰性でやっているものを減らす(ゲームなど)
−情報収集の視点を変える
##どう学ぶか
###好奇心を育てる
・概要を把握する
・知らないことを知るのは楽しい
###アウトプットしよう
・とにかくやってみよう。
・自分の内面を知ってもらうためにアウトプットする。
・伝えないと伝わらない
・ブログ、Qiita、Twitter、etc…
・クオリティは重要ではない。間違っていたら後で謝って、訂正すればいい。
・アウトプットすると、自分が最適化される。(楽になる。)
・最初は時間がかかるが、繰り返せば短縮できる。
・自分の考えは他人にアウトプットしてもらえない。
####マタイの法則
「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう。」(マタイ福音書13章12節)
・成功するためには、成功する必要がある。
・まず成功するためには、知られる必要がある。
→そのためのアウトプット
・アウトプットする時は、ユニークなもの、埋没しないものが良い。
→多くの人がいる分野は、上位に行くのが難しい。
##大事なこと
###基礎を抑える
・コンピュータサイエンスなど、大学で学ぶ知識
###英語
・新しい技術にいち早くコミットできる
・英語で探し方を知っておくと、アドバンテージになる。
###コンフォートゾーン
・居心地のいい場所にいると、成長が鈍る。
・人に言われて出ていくのは駄目。
・自分で決めて、自分で出ていく。
##執筆後記
以下は講演会に参加した私の感想です。
講演会で松本さんが「アウトプットが大事」と仰っていたので、早速この記事を書いてみました。
この記事は記録と共有を目的とし、本文に関しては箇条書きで、極力私の主観を交えない書き方を取りました。ただ、他の方のまとめたかを見ていると、もっとシンプルに要点をまとめることはできたのではないかと反省しています。。。
講演された内容に関して、私は自分のキャリアに照らし合わせながら聞いていました。28にもなってキャリアプランに具体性がかけると感じており、モヤモヤしていましたが、こうして松本さんがお話してくださることで少し整理がついて、楽になりました。
またお話を聞く中で、以下の2点は非常に重要な点だと感じました。
「苦手を克服するより、得意分野を伸ばす」「苦手なことは「それが得意な人」に任せるのもあり」
このポイントは自分やチーム全体を守ることに繋がりますし、世代関係なく意識しておくべき考え方なのではないかなと思います。
執筆にあたっては、自分のメモ書きだけでなく、Twitter上の実況TLのツイートを参考にさせていただきました。
当分はこちらのハッシュタグで、流れが追えます。