論文の読み方に関する資料。
https://web.stanford.edu/class/ee384m/Handouts/HowtoReadPaper.pdf
目的によって以下の3つの段階(the three-pass approach)で論文を読むことを推奨
- 概要を抑える
- 内容を把握する
- 詳細を理解する
The First Pass: 概要を抑える
目的:俯瞰して読み、読むべき論文かどうか判断すること
所要時間:5~10分
方法:以下の手続きで論文を読み、その後チェックする
読み方
- タイトル、アブスト、イントロを注意深く読む
- 各節の見出しだけ読む、その他は無視
- 結論を読む
- 読んだことがある論文があるかリファレンスを確認する
チェック項目
- 分類:論文の種類は?
- 文脈:関連している論文は?どんな解析が使用されている?
- 正確性:仮定や前提は正しそうか?
- 貢献性:論文の主な貢献は?
- 明確性:論文は良く書かれているか?
以上の手続きから論文が、興味が異なる、理解するための知識が足りない、前提がおかしいということが分かった場合、これ以上その論文を読むべきでないと判断できる
The Second Pass: 内容を把握する
目的:根拠ともに内容を理解する
所要時間:1時間
方法:以下の点に気を付けて読む
- 図や説明を注意深く読む。特にグラフはよく見る。
軸は適切か?エラーバーはあるか?統計的に有意か?
こんなミスがあったらそれはやっつけ仕事の論文かもしれない - 未読のリファレンスを覚えておく
この段階まで完了すれば、根拠を示しながら内容を要約することができる。
このレベルの粒度は興味を持っているけれど自分の専門分野でない論文では十分。
ここまでやって分からないときは知らない専門用語を伴う新しいテーマであったり、知らない実験や解析手法が用いられているとき。そんなときは以下の選択肢のうちどれかをとる
- そこまで理解しなくても問題ないとして、横に置いておく
- 背景を読んだ後、また読む
- third passへ進む
The Third Pass: 詳細を理解する
目的:論文を完全に理解する
所要時間:4~5時間(初心者
1時間(熟練者
方法:仮想的に論文の内容をトレースする
著者になったつもりで論文が取り上げている課題を解決しようとしてみる
その後で改めて論文と比較することにより、革新的な点や隠れた失敗や仮定が分かるようになる
このパスが完了したら記憶から論文の内容を再構築できるようになり、強みと弱みが分かる
文献調査方法
- 関連するキーワードで検索をかけ総説がないか探す
もし見つかったらその総説を読む - よく引用されている論文や著者を探す
著者のwebサイトへ行き、その分野カンファレンスを探す - カンファレンスで最近の論文を収集する
- 収集した論文をもとに1-2passを実施する
- 未読の重要論文がリファレンスにあればそれらを加えて同じステップを繰り返す