はじめに
本記事は個人ブログからの複製記事です。
パブリッククラウド環境ではメール送信サーバーが作れない、というのはよくある事ですがAlibaba Cloud でもやはりNGです。
そうした時には外部のメール送信サービスなどを使う場合も多いですが、Alibaba Cloud のサービスとしてもメール送信サービス(DirectMail)を提供しています。
今回は、DirectMail を触ってみたので簡単に使い方などを残してみます。
DirectMail の基本
DirectMail の提供リージョンは中国本土(杭州)
、シンガポール
、シドニー
となります。
中国本土からメール送信を行いたい場合は、杭州を使って送ることができそうですね。
日本からだとシンガポールリージョンを使うのが一番近いでしょうか。
DirectMail は信用レベルに応じて利用可能な範囲が決まっています。
一番最初の状態だとDaily quota:2,000(200 emails are free of charge.)
ということで、1日の上限が2000通までとなっています。
詳しくはドキュメント参照
Credit grade | Daily quota (emails) | Monthly quota (emails) |
---|---|---|
Grade 1 | 500 | 15,000 |
Grade 2 | 2,000 | 60,000 |
Grade 3 | 5,000 | 150,000 |
Grade 4 | 8,000 | 240,000 |
Grade 5 | 10,000 | 300,000 |
Grade 6 | 20,000 | 600,000 |
Grade 7 | 50,000 | 1,500,000 |
Grade 8 | 100,000 | 3,000,000 |
Grade 9 | 200,000 | 6,000,000 |
Grade 10 | 500,000 | 15,000,000 |
DirectMail の料金
DirectMail の課金項目は送信メール数
になります。
DirectMail の料金は従量課金で、1000通あたり$0.29 USD
です。
毎日200通までは無料利用の範囲で利用可能です。
※200 free email messages per day.
と記載があるので、毎日だと思いますがちょっと確認かな🤔
また、Alibaba あるあるのリソースパッケージ(前払いプラン)も提供しています。
購入パッケージの送信数を上限とした前払いプランになります。
Resource package type | 価格 | 有効期間 | 節約額(対PAYG) |
---|---|---|---|
50,000 emails | USD 13.05 | 6 months | > USD 1.45 |
500,000 emails | USD 121.8 | 6 months | > USD 23.2 |
1 million emails | USD 230.55 | 6 months | > USD 59.45 |
5 million emails | USD 1123.75 | 6 months | > USD 326.25 |
考え方としては、例えば50,000 emails
購入した場合、6ヶ月間で50000通のメールを送信する権利を購入した事になります。
最初の1ヶ月で10000通送信した(無料分の200通を除いて)場合、残りの5ヶ月で40000通まで送信可能です。
※リソースパッケージを超えた部分に関しては従量課金での請求が発生します。
最新の情報は製品ページを参照
DirectMail ドメイン構成の設定(必須)
最初にメールを送信するドメインを構成する必要があります。
「Email Domains」からNew Domain
で使用するドメインを登録します。
今回はサブドメインを使用します。
もちろん、独自ドメインでも構いません。
DNSの設定に必要なパラメータが表示されます。
下記の赤枠部分をドメインを管理しているDNSレコードに登録します。
DNS設定
今回は Alibaba Cloud DNSで管理しているドメインだったので、こちらで設定を行います。
Alibaba Cloud DNS へのドメイン登録の手順はこの辺を参考にして下さい。
Alibaba Cloud DNS へのドメインの追加は簡単に出来て無料で利用可能です。
DirectMail を設定する対象のドメイン名の Configure
を選択します。
Add Record
を選択します。
Edit Record 画面で Direct Mail の Domain Configuration 画面で表示された情報を入力していきます。
※今回はサブドメイン(mail.xxx.com)を使用しているので一律mail
というサブドメインを付加しています。
1,Ownership Verification
2,SPF Verification
3,MX Record Verification
4,CNAME Record Verification
入力完了後の画面は以下の様になります。
※今回はサブドメイン(mail.xxx.com)を使用しているので一律mail
というサブドメインを付加しています。
DirectMail ドメイン構成の設定(続き)
Cancel
で前の画面に戻ります。
ステータスが「To Be Verified」であれば Verify
を選択します。
ステータスが「Verification successful」となっていれば DirectMail のドメインの構成は完了です。
DirectMail 送信元アドレスの設定
「Sender Addresses」からCreate Sender Address
を選択します。
以下の様な画面で送信元メールアドレスの設定を行います。
送信元メールアドレスは「Account
@ Email Domains
」の様な形になります。
Reply-To Address
は送信したメールの返信先として使われます。
Mail Type
は「Triggered」と「Batch」の二つのタイプから選択します。
- Email Domains
- Account
- Reply-To Address
- Mail Type
送信元メールアドレスを設定すると以下の様に登録アドレスが表示されます。
Edit the return address
で Reply-To Address の設定を変えることが可能です。
Set SMTP password
では SMTP 利用時のパスワードを設定します。
DirectMail メールタグの作成(オプション)
DirectMail で一括送信メール(バッチメール)を送信する際に必要になります。
タグにより送信したメールの分類などを行います。
「Email Tags」から Create Email Tag
を選択します。
DirectMail メールテンプレートの作成(オプション)
Alibaba Cloud の管理コンソール又はAPIから DirectMail で一括送信メール(バッチメール)を送信するにはメールテンプレートが必要になります。
メールテンプレートの利用には Alibaba Cloud の審査が必要で1−3営業日かかる様です。
「Email Templates」からCreate Email Template
を選択します。
作成したテンプレートは「Draft」の状態なので、問題なければSubmit to Review
を選択して審査に出します。
「Review passed」となっていたら利用可能です。
※今回は文字数とか文言とかでテスト用と判断されたのか一瞬でReview Passed
になりました😅
DirectMail 受信者リストの作成(オプション)
受信者リストは、DirectMail で一括送信メール(バッチメール)に使用される宛先アドレスのリストです。
「Recipient Lists」からNew Recipient Lists
を選択します。
以下の項目を入力します。
リストが作られたのでUpload
を選択してリストにアドレスを登録します。
登録はテキストファイル又はCSVファイルのアップロードによって実施します。
形式はドキュメントのCreate recipient listsを参照、又は画面のExampleからサンプルをダウンロードします。
アップロードに成功するとDetails
が表示されるので登録したアドレスが確認できます。
「Details」からアドレスの確認、削除、追加が可能です。
DirectMail コンソールからのメール送信(オプション)
「Email Tasks」からCreate Email Task
を選択します。
以下の各項目を選択してSend
を選択します。
「Sender Address Type」はRandom Address
とSender Addresses
から選べます。
「Random Address」はランダム文字列とSender Addresses
を組み合わせたアドレスが生成されます。
Sent successfully
と表示されれば送信成功です。
送信したメールを確認すると無事に届いていました。
サブジェクトや本文も日本語を使いましたが問題なく表示されていますね。
DirectMail コンソールから送信レポートの確認
「Delivery Overview」から送信レポートを確認できます。
トータルの送信数、送信成功数などが確認できます。