前回のPower BI 勉強会にて、地図についてお話したのですが、その中で手ごろな題材として、農産物の全国統計を使いました。ちょうど子供に社会の勉強を教えていて、「りんごの生産量一位は?」などと、覚えていたので、地図帳のようなイメージのマップが親しみやすいのではと思ったわけです。
米マップコンセプト
PowerBIファイルに農林水産省から提供される各種統計データを載せていたのですが、これが結構色々あって、探すのが大変でした。Shape Mapをやるときに旧国のマップを利用して、変わったポリゴンの地図を作ることも題材としていましたが、それを使っているうちに、これと都道府県のマップを混在したいと思いました。
Wikipediaにあった、江戸時代の旧国の石高統計とShape Mapを組み合わせ、以下のような石高マップを完成させました。
連続性
そして、農林水産省の水稲生産高データを用いて、時系列を見たところ、意外にも明治以降のデータと連続的に見ることができました。江戸時代の統計と明治以降では集計方法も違うだろうし、測り方も違うだろう、と思っていましたが、これは面白いと思いました。
ざっくりいうと、江戸時代は飢饉などもなくはなかったが、石高自体は増加、明治以降、人口増加とともに急激に生産量を増やしたが、1970年代以降、減反や洋食化の影響で生産量を下げてきたという流れがよくわかります。
シェイプマップの”消える”特性を利用して重ね合わせ
ここまできれいに出たなら、このマップを旧国と都道府県でシームレスに見えるようにと考えました。
江戸時代は以下のようにその上にシェイプマップが出るようにしました。
シェイプマップにアサインされた値が何もない場合は、シェイプマップを消すことができます。設定で以下のように、既定の色を表示オフにすると透明色が選択され、データがない場合は何も表示されなくなります。
旧国が選ばれている場合は表示、それ以外は非表示になるシェイプマップが完成しました。
完成系
これで完成形になります。
各旧国時代と対応する県の比較などは、難しく、マップ上で二か所を選択するなど、煩雑な操作が必要になります。
以下はフィルタを使って群馬県と上野国を選択したものです。シースルータッチなどはできないので、今後に期待ですね。