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はじめに

『エフェクチュエーション』ってご存知ですか?
アントレプレナーを中心に、沸々と人気になっているらしいのですが、私は知りませんでした。
富士通さんの情報処理サービス関連会社が集まるパートナー会『FCA』が主催した研修を受けてきましたので体験記を残したいと思います。
※一部、自己学習により補完あり。

ちなみに、先生はこの方。
株式会社SBS情報システムの原田さん(日本エフェクチェ―ション協会理事監修/協力等)です。笑顔がとっても素敵です。
講師.jpg

エフェクチュエーションとは

まずはみんな大好き『〜とは』です。
エフェクチュエーションとは、サラス・サラスバシー教授(ヴァージニア大学ダーデンスクール)が提唱された『成功してきた起業家の思考法を分析・体系化した意思決定理論』。

料理で例えるならレシピを考え、材料を集めて調理する方法とは異なり、冷蔵庫の中にあるもので組み合わせて調理してみたらめっちゃ美味しいのできたねーって事。 計画や作戦を練りに練って事業を成功させるのではなく、手持ちのリソースを組み合わせながら事業を起こし成功させるやり方。

もう少し深堀っていきます。

大事な大事な5つの原則

何やらこの理論には5つの原則があるとのことなので書いていく。

手中の鳥の原則

  • 手持ちの手段・リソースを使って「何ができるか」の視点でアイデアを考える
  • 自分が持っていなくても、持っている人を知っていれば手中でOK
  • 余剰資源の活用を考えてみるのが有効

許容可能な損失の原則

  • 成功した時の対価ではなく、失敗した時に何とかできる(許容)できる範囲で行動(某ゲームであれば ”いのちだいじに” でしょうか・・・)
  • 予測が難しい時代(VUCA)において、たとえ失敗してもリトライが可能
  • ただのリスク重視とは違い『行動しないことの機会損失』も考える

レモネードの原則

  • 思いかけず入手した手段・リソースを活用する(手持ちの手段に変える)
  • ”思いかけず”にアンテナを張り、見方を変えて受け入れる
  • 危機的変化(新型コロナなど)も手持ちの手段の拡張としてとらえる

クレイジーキルトの原則

  • 顧客や競合他社など様々な人との繋がりを利用して、パートナーを増やしていく
  • 自発的な参加を重視する
  • 行動しよう

飛行機の中のパイロットの原則

  • 不確実な時代をコントロール可能な範囲に注力して行動する

いざハンズオン!

5つの原則を知り、何となくの概念が理解できたので、ここからはハンズオンです。  
エフェクチュエーションを用いながらアイデアを創出し、理解を深めます。
時間の都合で5つの原則全てを体験できませんでしたが、以下の流れを体験しました。
(今回は「手中の鳥の原則」「レモネードの原則」「クレイジーキルトの原則」を体験)

Step1:ニーズの発見

参加者が事前に持ち寄った新聞の切り抜き記事をランダムにチョイス。
そこから2つの記事をペアにして、共通のニーズを見つけ出します。
全く関係の無い記事だとしても、深掘ってみると共通点と思えるようなニーズがあったりします。パズルが解けた感覚で気持ちいいです!!

Step2:価値の創出

Step1で発見したニーズに対し、手持ちの資源を活用した解決策を考えます。
なお、ハンズオンはStepが変わるたびに、成果物を他の参加者と入れ替えて進めていきます。
手段・リソースについては、今回は研修ということで先生が準備してくださった情報で進めました。ここがまさに『手中の鳥の原則』です。
提供してくれたリストのおかげで、何かしらアイデアを絞り出すことができます。また、複数の資源を組み合わせることで、特色が出てきてワクワク感もあります。

Step3:価値の飛躍

Step2で考えたアイデアに対し、以下の視点を加えてブラッシュアップします。

  • 違うシュチュエーションに当てはめる
  • 資源を追加して更に良くする
  • 少し先の未来の世界に置き換える
    このStepは『レモネードの原則』です。
    意識して視点を変えてみると、自分の中でも思いがけないアイデアが出てきて「なるほどー」と思いました。

Step4:アイデアの収束

Step3でブラッシュアップしたアイデアに対し、「誰の何の課題を解決するのか?」「関係者は?」「マネタイズは?」を明確にしていきながら、いよいよビジネスモデルを当てはめアイデアを形作っていきます。
このStepは『クレイジーキルトの原則』です。
マネタイズが難しそうと思っていたが、意外と「こんな費用回収ができるかも?」といた気づきを得ることができました。

Step5:アイデアの共有

Step4で収束したアイデアをビッグピクチャーで表現し、参加者全員で共有しました。
各チームとも特色を持ったアイデアでありながら実現性も感じられ、あったら面白いと思える内容でした。

ハンズオンをやってみることで、座学で学んだ内容は「こういうことだったのか!」「なーるほど。」といった、気づきに繋がり理解が確実に深まりました。

研修を受けてみて

大変多くの学びを得ましたが、2つだけピックアップして残します。

自社のリソースを整理(把握)できていない

新規事業を考える際、自社資源の有効活用はよく行う手法ですが、ソリューションやサービス、技術や人的リソースをリストアップしてまでできていなかった。
これを機に整理してみたいと思います。

デザイン思考は有用性、エフェクチュエーションは実現性

普段のアイデア創出では、デザイン思考を用いることが多いので違いを考えてみました。
イノベーションとは、有用性・実現性・持続可能性のバランスと言われる中、デザイン思考ではユーザーにとって何が喜ばれるか(有用性)を軸に進めていくのに対し、エフェクチュエーションは自分が持つ資源を利用して進めていく実現性が軸になっており、違いを感じました。

で、これからどうするの?

利用シーンによっては、非常に有効なアプローチである感じを受けました。
とはいえ、短時間での研修だったのと、まだ体験できていない原則もあるのでもう少し理解を深めつつ、エフェクチュエーションらしく許容可能な範囲で利用をスタートしていきます。

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