先日、第二種電気工事士 筆記試験を受けてきた。
電工にはまったく興味ないし知識もゼロだが、会社のボスからとってこいと言われた。わぁお。
勉強し始めの頃、全体像がいまいち掴めず理解が遅れた。Qiitaで扱う内容ではないのだが、
他に書くとこもないのでここへ。
・試験の全体像
・どのくらい勉強したのか?
・どんな風に勉強したのか?
をここに記す。
願わくば、今から受けようとする誰かの役に立たんことを。
◆試験の全体像
◇そもそも第二種電気工事士とは?
・一般住宅や店舗など、小規模施設の電気工事を行える。
屋内の配線や照明の工事、コンセントの設置や交換、エアコン設置工事など低圧(交流600V以下)で受電する設備の電気工事に限る。
・高圧(交流600V以上7000V以下)は第一種電気工事士が必要。
試験日は年2回。春と秋。 まず筆記試験があり、これに合格すると実技試験を受けられる。これにも合格すれば資格をもらえる。
・筆記に合格したがのちの実技で落ちた場合、次の試験時に筆記を免除される。優しい。
◇筆記の内容
全50問で30問正解(1問2点と考えて60点以上)で合格。
・計算問題が10問。昔懐かしい V=AΩ A=V/Ω Ω = V/A とか使う。ムズイ。ほぼ捨てたほうがいい。ただし簡単に解ける問題もあるので、一通り確認すること。
・暗記問題が20問。道具の名前や施工ルール、条件などを覚えてきたか問われる。簡単。点稼ぎポイント。最重要。つまり過去問を解きまくれ。
・図面問題が20問。バカデカ図面のなかで「①はなんていうモノですかー?」とか「⑮のボックス内では、圧着スリーブを最小何個使いますかー?」
を問われる。まあまあむずいけど半分の10問は暗記みたいなもん。つまり過去問を解きまくれ。
所詮6割とれればいいので、捨てるところは大胆に捨てていい。
暗記問題はガチ勉強必須だとして、図面をどのくらい勉強するかが重要だと思う。
5時間かけて覚えても本番で出題されなきゃ無駄。広く浅く戦おう。
◆筆記はどのくらい勉強したのか?
2か月間1日1時間程度。勉強しない日はちょくちょくあったが、 過去問で模擬テスト⇒答え合わせ⇒誤答予習すると1回2時間オーバーかかる時もあったので±0かも。
なので、正確に測ったわけではないがざっくり 1時間x60日 で60時間程度だと思われる。
◆筆記はどんな風に勉強したのか?
まずネットで過去問を眺めてみたら、「こりゃ1問も解けないな」と思ったので、
いちばんやさしい 第2種電気工事士【筆記試験】
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上記のテキストを購入。解けない問題眺めていてもつまらないので、まず3週間ほどかけて1読したのだが、
それで過去問が解けるようになるわけでもない。
電線の種類はIV、HIV、DV、OWがあって・・・IVは屋内用、OWが屋外用で・・・。
なんてのは急に全部覚えられないのだ。
それからスマホアプリで過去問をポチポチ解いてみる。これはとても良かった。
仕事の休憩中やちょっとした待ち時間を有意義に変えてくれる。最初から始めてればよかった。
GooglePlay や AppStoreで「第二種電気工事士」で調べるといくつかアプリが出てくる。
机なしで勉強できるという気軽さがいい。勉強し始めちゃえばなんともないが、勉強はやる前が一番だるいのだ。
こいつをポチポチやってると、「帰ってテキストで調べよう」とか、「ちょっとここら辺ちんぷんかんぷんだ」
とかエンジンかかってくれたりする。
しかし、アプリだと、机で解くべき計算問題や図面問題がやりずらく、飛ばしがちになる。
2022年版 第二種電気工事士試験 筆記試験 過去問題集
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上記過去問集を購入。かなり大きな過去問題集を購入したが、これは失敗だった。欲張りすぎぃ!
結局平成28年度分までしか解かなかった。過去5回分程度の過去問で十分かと思われる。
初めは52~58点だった。4、5回分解いた辺りで80弱取れるようになってきて安心。
試験5日前あたりからはほとんど勉強しなかった。前日に過去問模擬テスト2回やったくらい。
◆筆記試験後
試験後は公式サイトで正答が公開される。マークシートは提出で、問題用紙は持ち帰れるのだ。試験中に問題用紙へマークシートした解答をメモしておこう。
2日後にはもう正答が公開されてた。もっと早いのかも?
2週間後くらいに公式サイトで受験番号を使って合否の確認も可能。マークシートの記入ズレミスなどもあり得るので、ちゃんとこちらも確認しよう。受験番号が書かれた受験票のハガキを捨てないように。合格なら実技キットを購入だ!
◇実技の内容
簡易図面と部品セットを渡され、「40分以内で図面通りに配線しろ」というもの。
図面は簡易な「単線図」であり、まずきちんとした「複線図」に直す。
コンセントや壁スイッチへの結線や配線同士の圧着を行う。
それほど難しくはないが、圧着部分の被覆を剥きすぎていたり、論理的な配線ミス、
スイッチやコンセントの向きが上下逆、+-と黒線白線がテレコなど、小さなミスが一つでもあると失格。
難易度イージーをノーミスでクリアしろみたいな感じ。
工具は持参。
図面は全13パターンのうちどれか一つが出題される。
13パターンすべて暗記してしまえば簡易図面を書き直す作業を省略できるだろうが非効率だろう。
あと練習用の部品が高い。13種1回づつ練習できるセットが¥8000くらいする。工具も¥10000する。
練習用のセットの中に、小冊子が入っており、こいつが鬼役立った。
見開き左が問題と準備物。右ページが答えの複線図とその写真。QRコードが解説動画へのリンクになっている。
◆実技はどのくらい勉強したのか?
35~40時間程度かと思われる。筆記と違って楽しいので苦痛は少ない。
1カ月半前に一日30分~1時間程度解説動画を視聴。
1カ月前から実技練習。一日一回1時間ほど。忙しくてできない日もあった。土日に2、3回分やったりもした。
◆実技はどんな風に勉強したのか?
まず解説動画を一通り視聴。YOU TUBE にて「電工試験の虎_ホーザン」様を拝見した。
スイッチやコンセントはバラして使いまわせるが、ケーブルは使ったら消費してしまう
。練習できる回数が有限である以上、あまり早く勉強を始めても、忘れてしまうだろう。
闇雲に実技をやってみるのははばかられたので、初めはおとなしく全体の流れを確認するにとどめた。
急いで実技練習セットを買う必要もないと思う。1カ月前ほどに、ゆっくり購入しよう。
複線図を書いて、ケーブル長さ、圧着、線色を決めて、施工前までやってみて、動画を見て「複線図まで答え合わせ」、というのも何度か行った。
工具+1回分を購入。後ほどケーブルのみ一回分追加購入した。ケーブルのみ、とはいえ圧着スリーブとコンセント枠もついてきた。ありがたや。
私は安いセットを購入したためか、ケーブルが束の状態で届いた。
大切なのは準備。まず初めに、「練習セット」を作ること。
「ビニール袋」を13袋用意して、小冊子を見ながら全13回分、ケーブルセットを作っていく。
例えば、「課題No.1」は
・VVF1.6-2C 900mmx2本
・VVF1.6-3C 350mmx1本
・EEF2.0-2C 250mmx1本
の4線をカットして袋に入れ、マジックで「1」と書く。これを13回分作るのだ。
少しお高いが、初めからきちんと小分けされているセットも売っている。時間がなければそちらでもいいが、この練習セット作りは「VVF1.6-2Cってどれだろう、エコケーブルってどれだろう」という訓練にもなる。
それから、ネットで「施工条件」を探して印刷する。
これは小冊子には乗っていない。本番を想定して練習しよう。
練習の際は、まず小冊子をみて、必要な部材をそろえる(コンセントやランブレセプタクルなど)自分で作ったケーブルセット(ケーブル)、単線図、印刷した施工条件を見ながらタイマーを40分にいれてやってみよう。初めは40分に収まらないと思う。
終わったら、解説動画をもう一度見て、答え合わせ。焦らないことが大事。
◆実技試験当日について
初めに工具、筆記用具を出そう。開始5分前までにトイレに行くこと。
着席から40分ほど待機時間がある。全国で開始時間をそろえるためだろう。初めに受験番号の確認10分。その後問題用紙が配られ20分ほど。
ここで問題用紙は開けるな、と言われるのだが、表に配られる部材の一覧が見える。
ここでどの問題か推測する。エコケーブルがあるならNo.1だし、ブレーカーがあるならNo.10。露出コンセントがあるならNo.6。それからジョイントボックス、端子台があるかどうかでも絞れる。
私はこの時点でブレーカーが見え勝利を確信。一番工程が少ないNo.10番。時間まで脳内シミュレーション。No.10では必要ないフライヤ、ナイフは端によける。
その後部材が配られ10分、問題用紙表に書かれた部材一覧と内容物があっているか確認をする。めんどうがらずちゃんと確認すること。開始後に「コンセントが入ってない!」となっても手遅れ。ケーブルの長さも確認しよう。わたしはここで布尺をテープで机に貼った。
始まったら、まず自分の世界に入ること。周りが施工し始めてガチャガチャ聞こえてくると結構焦る。焦らずゆっくり複線図を書こう。
それからモノを落とさないこと。斜め前の人が圧着レンチ落っことして慌てていた。試験官が拾ってあげていたが、あれは相当焦るだろう。
施工後、必ず試験番号と名前を書いたタグをつけ、全体を確認すること。コンセントの向き。被覆の噛み。圧着の先切り。
後はもう、自分を信じるしかない。努力は裏切らないと信じよう。