プロジェクトを成功に導く!プロジェクトマネジメント入門講座!
本職ではバックエンドエンジニアとして仕事をしているのですが、プロジェクトを進めていく上でプロジェクト管理について最低限の知識は必要と感じています。
そこで、Udemyで評判が良かった【ひぐま流】プロジェクトを成功に導く!プロジェクトマネジメント入門講座!でPJマネジメントの全体像を学びました。
内容を忘れない為にも、こちらに備忘録を残します。
より詳しい内容を知りたい方は購入をオススメします。
■ 対象読書
- プロジェクトを円滑に進める為のノウハウを学びたい
- エンジニアだが、最低限のプロジェクト管理方法について学びたい
- 自分自身のタスクマネジメントのやり方を学びたい
1 セルフマネジメント
他人・チームをマネジメントする前にまずは自分のマネジメントを習得する必要があります。
具体的にはセルフマネジメントを徹底することで、タスク管理(納期厳守) + 品質向上(手戻り減少) + 作業効率向上を目指します。
1.1 タスク管理
タスク管理を徹底することで、納期を守るための基礎力を身につけます。
タスク管理とは、下記の3ステップで行います。
1. タスクの分解
2. タスクの見える化
3. 工数見積もり
1.1.1 タスクの分解
タスクの分解とは「誰」が「何をする」を明確にする作業です。
例)会議資料作成タスクを分解する
タスク | 担当 |
---|---|
会議の目的と日程を決定する | プロジェクトマネージャ |
アジェンダの作成 | プロジェクトマネージャ |
資料の収集と整理 | プロジェクトマネージャ |
資料の作成 | プロジェクトマネージャ |
資料の修正と編集 | プロジェクトマネージャ |
資料の内容確認 | 社長 |
最終的な資料の作成と配布 | プロジェクトマネージャ |
1.1.2. タスクの見える化
タスク分解した後は、タスクの見える化を忘れないようにします。
見える化をすることで、目標達成のための進捗状況を把握することができます。
さらに、プロジェクトや業務の進捗状況を関係者間で共有することが出来るようになり、進捗状況や課題の共有によって、コミュニケーションがスムーズになります。
ちなみにタスクの見える化にはITツールを利用します。ITツールは利用しやすいものであればなんでもOKですが、Teams,Trello,Jootoあたりがオススメです。
1.1.3. 工数見積もり
タスクには必ず工数見積もりもセットで行います。
最初の方の工数の見積もりはざっくり計算で問題ありません。
後で、実際の作業時間を比較して「自分の想像」と「実績」の乖離を比較し、徐々に精度を高めていくことを目指します。
工数見積もりの精度は、プロジェクトの成功に大きく影響します。
適切な見積もりを行うことで、プロジェクトの進捗管理やコスト管理を正確に行うことができます。
1.2 品質向上
品質向上を意識することで、手戻り作業を減少させることが出来ます。
目的(ゴール)を意識し、定期的な振り返りポイントを設け余裕を持って作業することが重要です。
1.2.1 目的(ゴール)を意識する
目的を常に意識することが重要です。
PJの目的を意識し、作業タスクを見つめ直すことで、作業タスクの過不足を少なくすることができます。
1.2.2 チェックポイント(振り返り)を設定する
作業タスクに対してチェックポイントを設定して定期的に作業を確振り返りましょう。
また、チャックポイントを設けることで、早い段階での方向性のすり合わせが可能になります。
■ チェックポイントで他人からレビューを受ける時の注意点
1. 事前のセルフチェック
2. 確認ポイントを整理する(論点をコントロールする)
1.2.3 余裕を持つ
完成直後は完璧と思っても、時間を置くと改善点が見えるケースが多々あります。
タスク納期はできる限り余裕を持つようにスケジュール管理しましょう。
1.3 作業効率向上
定例作業は仕組み化する、過去の成果物を再利用して車輪の再発明をしない。など、作業を効率化できないかを考えることが大事です。
作業の効率化をすることで、作業時間を短縮する事ができます。
1.3.1 定例作業の仕組み化
毎日同じ作業を繰り返している場合は作業の仕組み化が出来ないか検討します。
■ 仕組み化の流れ
- 作業を手順化する
- 手順の中でITツールで代替出来ないか検討する
- 誰がやってもミスが生まれないように遂行出来る仕組化する
1.3.2 過去の成果物を再利用
新タスクに取り掛かる前に、過去に同じようなタスクがなかったのかを確認します。
もし、過去に同じようなタスクがあり、過去の成果物で代用できそうな場合は再利用して不必要な作業は割愛しましょう。
2 PJ(プロジェクト)マネジメント
やっと本題のPJ(プロジェクト)マネジメントです。
PJネジメントの目的はQCD(品質・コスト・納期)を守り、プロジェクトを達成することです。
逆説的に言うと、PJマネジメントに失敗すると品質が悪く、コストも高く、その上納期に間に合わない状態になってしまいます。
2.1 PJの概要とPMの役割
PJとはビジネス目標を達成するための一連の作業のことを指します。
簡単に言うと、期間を決めて目標達成するための作業一覧のことです。
例)1年後までにTOEIC800取得する
PJを始める時は、何をゴールと定めるのか、いつまでに完了するのか、PJ進めるリソースはあるのかを事前に考えておくことが重要です。
フェーズ | 必要作業 |
---|---|
立ち上げ | PJ目的、スコープ管理 |
計画 | 作業要員・予算計画 |
実行 | 品質管理 |
調整・課題対応 | リスク分析・対応検討 |
モニタリング | 進捗管理 |
クロージング | PJ締めくくり |
上記の一連の作業を管理する仕事をPJマネージャーと呼びます。
2.2 PJ憲章
フェーズの一番最初の立ち上げ段階で、PJ憲章を作成します。
PJ憲章とはPJの目的、スコープ期間やリソースを明確化する作業です。
簡単に言うと、PJの企画書のようなものです。
■ PJ憲章に含めるべき項目例
- PJの背景や目的、ゴール
- PJの最終成果物や作業範囲
- 大枠のスケジュール
- 体制図
- 予算期間メンバー
- PJの前提条件や注意事項
例)アナログ作業のDX化PJのPJ憲章
目的: 従来のアナログ作業をデジタル技術を用いて効率化すること。
成果物: アナログ作業をデジタル化したシステム
完了時期: 20XX年X月XX日
成功判断基準: 作業時間の20%短縮
前提条件: 正社員限定対象
制約条件: 期間3ヶ月、予算100万円、メンバー3名
PJ憲章を作成することで、PJの方向性を明確にすることができます。
2.3 PJ立ち上げ
2.3.1 関係者との合意形成
PJ憲章を作成し、PJの方向性を明確にした後は関係者とPJ憲章の合意形成をします。
PJの合意をとるときに重要なのが、役割によってPJの見えている観点が異なるので、それぞれの立場でPJの関係性を明確にすることです。
例)DXのPJに取り掛かる場合、社長の目的は経費削減だが、従業員の目的は残業削減など
その上で、PJの成果によって発生するメリット、デメリットを正確に伝えることが重要です。
2.3.2 キックオフ前準備
PJをスムーズに開始できるように、事前にドキュメントなどを準備します。
規模が大きい場合は、事前にリーダー層にはPJ目的や目標、進め方などを事前に伝えておくとスムーズに進めることができます。
2.3.3 キックオフ
関係者を集め、キックオフMTGを行いPJの目的、目標の共通理解を深めます。
また、メンバーにはPJの作業イメージを掴んでもらいスタートダッシュが切れるようにするのも重要です。
2.4 計画(スケジュール)立案
計画立案でどのような作業が必要になるのか計画を立てます。
計画立案を立てることで、スケジュールは適切なのかどうかの見通しをします。
また、適切な計画立案を立てることで無駄な手戻りや待ちなどをなくすことができます。
逆に計画立案が甘いと炎上案件になります。
計画立案は流れ
1. 大日程と中日程の作成
2. 各タスクの洗い出し
3. 担当者決め
4. WBSの作成
5. タスク遂行に必要な準備
2.4.1 大日程と中日程の作成
まずはざっくり、大日程、もしくは中日程の作成をします。
大日程の場合は数年単位でスケジュールを作成します。
中日程の場合は数ヶ月単位でスケジュールを作成します。
2.4.2 各タスクの洗い出し
大日程or中日程の作成ができれば、各タスクで必要なタスク(作業)を洗い出します。
タスクの粒度に規定はないのですが、一般的には1タスク40時間くらいまでと目安にするケースが多いようです。
2.4.3 担当者決め
各タスクの担当者を決めます。
タスクのアサインをする時の注意事項
- 特定の人にタスクが集中しないようする
- 育成の観点で若手にもタスクを任せる
2.4.4 WBSの作成
担当者を決めたら、WBS(作業分解構成図)を作成します。
WBSを作成することで下記のメリットがあります
1. やるべき作業が明確になる
2. スケジュールの構築が綿密になる
3. 役割分担が明確になる
4. 工数見積りがしやすくなる
5. 進ちょく管理がしやすくなる
6. スコープが明確になる
参考サイト:WBS
2.4.5 タスク遂行に必要な準備
タスク遂行に必要な準備がある場合は事前に準備します。
例)プログラミングするために、PCが必要など
2.5 品質向上
品質を高めるための施策を行います。
品質ミスが起きる4大原因
1. ケアレスミス
2. スキル不足
3. 計画不足
4. コミニケーション不足
それぞれの対策方法を記載します。
2.5.1 ケアレスミス
約束を忘れる、忘れ物をするなどのケアレスミス対策
- チェック項目をまとめる
- ダブルチェックを行う
- 仕組み化する
2.5.2 スキル不足
パソコン知識が乏しい、エクセルの使い方がわからないなどのスキル不足解消方法
- 勉強会を行う
- レビューする文化を作る
2.5.3 計画不足
スケジュールの見積もりが甘い、計画通り進めても遅れたなどの計画不足対策
- スケジュール見直しをする
- バッファを組み込む
2.5.4 コミニケーション不足
報連相を忘れたなどのコミニケーション不足対策
- Slackなどのコミニケーションツールを導入する
- 情報共有ルールを作る
2.6 進捗管理
進捗管理の目的は、課題の早期検知と各メンバーの能力把握です。
また、進捗管理報告を受けるときは、心理的安全性を考慮することが重要です。
進捗が遅れているから、怒るのではなく何がボトルネックになっていてどう協力すれば解決するのかを、協力的なスタンスで聞くことが大事です。
進捗管理は毎日朝会で確認するなどルーティン化するのがベターです。
2.6.1 課題の早期検知
進捗管理を通して、課題を早期に発見し、対策を検討します。
課題に対しては、早急に対応が必要な場合は暫定対応で対応します。
ただし、根本問題解決が必要な場合は恒久対応を忘れない為にタスク化しておきましょう。
2.6.2 各メンバーの能力把握
進捗管理を通して、各メンバーの能力把握の得意分野と不得意分野を見極め、今後のタスク振りの参考にします。
2.7 課題対応
PJを進めていくうちに課題が発生した場合は対応する必要があります。
課題にはスピード重視の暫定対応か、再発防止のための恒久対応します。
2.8 クロージング
PJが完了した後の対応について、整理します。
PJが完了した後は、PJの成果物の整理と今後ために振り返りをするようにします。
クロージングをすることで、将来新しいPJをするときに参考になります。
(PJ完了した後は、高揚感で振り返りやドキュメントまとめをしないケースが多いですが、クロージング作業は未来の仲間にとって役に立つ情報なので忘れないように対応しましょう)
2.8.1 PJ成果物の整理
PJ成果物の整理をすることで、将来の同じようなPJをするときに参考になります。
整理するときは、なぜこの作業をしたのかなどWHYを意識すると、後々見返すときにわかりやすいです。
2.8.2 振り返り
PJで成功したこと、失敗したことをまとめて次のPJに生かすようにします。
まとめ
私は普段エンジニアで、PMから割り当てられたタスクをこなすのがメインの仕事なのでPJという広い観点で物事を把握することができておりませんでした。
エンジニアとして幅広く活躍するには、ただ割り当てられたタスクをするだけでなく広い観点でPJ全体像を把握することも大事だなと感じております。