1.デマンドチェーンとは
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需要側からの情報を基点に商品開発や流通を最適化するプロセスのこと。
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消費者のニーズや購買行動を分析し、市場に合わせた商品やサービスを提供。
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デマンドチェーンを戦略的に管理することをデマンドチェーンマネジメント(DCM)と呼ぶ。
(参考)
https://www.toshibatec.co.jp/datasolution/column/20230301_03.html
※デマンドチェーンとサプライチェーンの違い
(出典)
デマンドチェーンマネジメント(大和物流株式会社)
https://www.daiwabutsuryu.co.jp/useful/words/demand-chain-management
2.なぜこの考え方が必要か
- 消費者ニーズの多様化や競争の激化に対応するため。
サプライチェーンマネジメント(SCM)だけでは、供給側の都合に合わせた商品やサービスしか提供できない。
→DCMでは、消費者の声に寄り添った商品開発や流通を行い、顧客満足度や利益率を向上させる。
3.この考え方の良い点
(1)生産、在庫のコントロール
- 需要と供給のバランスをとることができる。
- 需要予測に基づいて生産や在庫を調整することで、過剰在庫や欠品のリスクを低減できる。
- 流通の効率化やコスト削減にもつながる。
(2)消費者との関係性強化
- 消費者のニーズやフィードバックを反映した商品やサービスを提供することで、ロイヤルティやリピート率を高めることができる。
- 消費者の口コミや評判によって、ブランドイメージや知名度を向上させることが可能。
4.DCMを活用し成功した事例
アマゾン(Amazon.com, Inc.)
・ネットワークの活用により、膨大なユーザーデータを用いたマーケティングを得意としている。
・アマゾンのミッションステートメント
「地球上でもっともお客様を大切にする企業であること」 「地球上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場を提供する」 「常にお客様からスタートし、お客様の立場でいろんなことを考える」
- データの活用例
・翌日の注文数をユーザーの行動から予測し、注文が入る前から在庫拠点への商品出荷を可能にする「予測発送システム」です。
本国アメリカは国土が広大なため、ユーザーが分散してしまい、通常であれば当日発送は困難を極める。 - そこでアマゾンは予測発送システムを利用することで、予め中間拠点に商品を事前出荷し、在庫拠点を増やすことなく商品発送の迅速化に成功しました。
日本はサプライチェーンを得意とするのですが、その一方でデマンドチェーンに弱く、課題となっています。